上海の浦東美術館にて、「ロロ・ピアーナ」創業100周年を祝う初の展覧会 "If You Know, You Know. Loro Piana's Quest for Excellence" を開催

2025/03/24
by 遠藤 友香

1936年、イタリア・クアローナで創業された、最高級カシミヤと最高級ウールを取り扱う生地メーカー兼プレタポルテブランド「Loro Piana(ロロ・ピアーナ)」。

この度、ロロ・ピアーナは創業100周年を記念して、中国との長年にわたる協力関係に敬意を表し、ブランド初となる展覧会を中国・
上海・浦東美術館(MAP)にて、2025年3月22日~5月5日の間、開催します。

陸家嘴リバーサイド中心エリアに位置する浦東美術館(MAP)は2017年9月26日に着工し、2021年7月に一般公開されました。陸家嘴グループが投資、建設、運営し、アトリエ・ジャン・ヌーヴェル(AJN)が設計したMAPは、国内のアーティストを紹介するとともに、来場者にグローバルな展覧会を提供しています。MAPの主要な4つの機能は、展示会の開催、芸術教育の推進、文化商品の開発、国際交流の促進です。MAPは、上海の新たな文化的ランドマークであり、国際的な文化芸術交流の重要なプラットフォームとなることを目指しています。

同美術館でラグジュアリーメゾンの展覧会が開催されるのは今回が初めてです。”If You Know, You Know. Loro Piana’s Quest for  Excellence(知る人ぞ知る、ロロ・ピアーナの卓越性への探求)” と名付けられた本展覧会は、メゾンの歴史と伝統、原材料から完成品に至るまでのノウハウ、そして6世代にわたるロロ・ピアーナ・ファミリーの独自のレガシーを称えます。

ロンドン芸術大学のファッションおよび博物館学の教授であるジュディス・クラークのキュレーションによる本展覧会は、ロロ・ピアーナと来場者の間に、意義深く記憶に残るような感情的なつながりをもたらすことが意図されています。

風景の概念を感覚的で触覚的なレンズを通して解釈したこの没入型の旅は、アーカイブ資料、素材、ルーチョ・フォンタナ、アルベルト・ブッリ、エンリコ・カステラーニ、エミリオ・ヴェドヴァによる現代アートの傑作を含むセルジオとルイーザ・ロロ・ピアーナ・コレクションや、ヴァラッロ絵画館の作品を含む美術作品、伝統的な生地、繊維、そして特別に制作されたドラマティックなシルエットを魅惑的に組み合わせています。これにより、ロロ・ピアーナのノウハウを実験的かつ芸術的なレベルへと引き上げながら、産地と製品、地域と繊維の絆を深めています。

会場内の研究室では、世界最高の繊維に対する品質管理の厳密さとこだわりを探求。1,000平方メートルを超える展示空間では、ロロ・ピアーナの現在のDNAと原点を反映する厳選された素材、質感、色彩が豊富に展示され、リネンなどの繊維を探求するアーティスト、アドリアナ・ムニエのアート作品も展示されています。

中国の芸術監督グオ・ウェンジン、作曲家リウ・ハオ、竹笛奏者タン・ジュンチャオ、ピアニスト、ティム・チャンは、キュレーターのジュディス・クラークとともに、イタリアと中国の伝統を融合させた没入型の部屋で、フィルムのサウンドスケープを創り上げました。中国のアーティストであり思想家でもあるチウ・ジージエは、紙にインクで描いた精巧な地図で伝統と現代の橋渡しをし、中国
の文化、言語、歴史を研究する学問である中国学の世界的な風景を再構築しました。

ロロ・ピアーナの卓越性の追求には、最高品質の原材料を探す旅が重要な役割を果たします。この距離の概念は、ロロ・ピアーナが貴重な原材料を調達し、素晴らしいウェアを生み出している繊維の産地、ニュージーランド、アンデス、フランス、日本、中国の風景のミニチュアの展示を通して、遠くから見ているかのように表現されています。ギャラリーのあちこちに、この展覧会のために特別に製作された33のアンサンブルが展示されており、その製作に欠かせない歴史、風景、ノウハウとの対話を楽しむことができます。

本展覧会は、ロロ・ピアーナの100周年を称えるとともに、伝統と革新を融合させ、メゾンの独自の世界観をご紹介する貴重な機会となることでしょう。

「誰もが新しい挑戦をはじめられる」をテーマとするを「代々木公園 BE STAGE」

2025/03/20
by 遠藤 友香

東急不動産株式会社、東急株式会社、株式会社石勝エクステリア、および株式会社東急コミュニティーの4社からなる「代々木公園STAGES」は、東京都が実施する都市公園法に基づく公募設置管理制度(Park-PFI)を活用し推進している「代々木公園Park-PFI計画」において、公募対象公園施設の名称を「代々木公園 BE STAGE(ビー ステージ)」に決定しました。

公募設置管理制度(Park-PFI)とは、都市公園において飲食店・売店などの公園利用者の利便性の向上に資する公園施設(公募対象公園施設)の設置と、設置した施設から得られる収益を活用して、その周辺の園路・広場などの公園施設(特定公園施設)の整備などを一体的に⾏う⺠間事業者を公募により選定する、都市公園法において定められる制度です。

本事業の特定公園施設の一部エリアは2025年2月20日(木)から供用開始しており、本施設および施設内の店舗は2025年3月15日(土)以降順次開業しています。

 















柔らかな色彩で描き出される詩情豊かな世界の中に、環境破壊や人権などの問題を提起。「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」展が、名古屋市美術館で開催中

2025/03/19
by 遠藤 友香

ベルギーを代表するアーティストの一人であるジャン=ミッシェル・フォロン(1934-2005)。アメリカの『ザ・ニューヨーカー』『タイム』など、有名雑誌の表紙に挿絵が掲載されたことをきっかけに、多彩な才能を発揮して世界中に多くのファンを抱えています。

柔らかな色彩で描き出される詩情豊かな世界。しかし、美しい景色に惹かれてよく見てみると、環境破壊や人権など、現実に残る問題を目の当たりにすることになります。フォロンは、優しく、そして厳しく、この世界と向き合うためのメッセージを残しているのです。

フォロンにとって、日本では30年ぶりとなる展覧会「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」展。が2025年3月23日(日)まで開催中です。本展では、ドローイング・水彩画・ポスター・彫刻・写真・オブジェ・アニメーションといった、約230点の作品を一挙に紹介しています。今回は、中でもおすすめの作品をピックアップしてご紹介します。














自らを「AGENCE DE VOYAGES IMAGINAIRES(空想旅行エージェンシー)」と名乗っていたフォロン。彼が作品にうつした謎やメッセージを、ぜひ見つけてみてください。