執筆者:遠藤友香
TOPPAN芸造研株式会社は、アートを楽しむことにより、現代人の自己肯定感向上や子どもの感性教育、認知症予防及び症状改善、働く人のストレス緩和などを期待できる「臨床美術」の普及や教室の運営、「臨床美術士」の資格取得講座を行っています。
臨床美術は、一人の日本人彫刻家が発起人となり、楽しく作品をつくることによって脳を活性化し、認知症の症状を改善することを目的として開発されました。臨床美術で得られる効果として、リフレッシュやメンタルヘルスケア、ウェルビーイング、自己肯定感、自己効力感、自己理解、他者理解、コミュニケーション、安心できる場、多様性・包摂性、創造性があります。
今日では、誰もが楽しく表現できる効果があることから、子どもの感性教育をはじめ、様々な社会課題に適用されています。
近年、文部科学省が行った実態調査において、児童生徒の問題行動や不登校などが過去最多を記録。また、認知症高齢者やうつ病の増加も見受けられており、これらは社会課題となっています。
この度、国内最大級のクリエイティブの祭典「東京クリエイティブサロン2025(Tokyo Creative Salon 2025)」にて「臨床美術」が体験できる催しが、2025年3月23日(日)に東急プラザ原宿「ハラカド」ハラッパにて実施されました。
TOPPAN芸造研株式会社 講座運営部 臨床美術士、日本臨床美術協会 常任理事の蜂谷和郎氏
当日、多くの子供たちが参加し、「オイルパステル」という画材を使って楽しむプログラムの一つ「いろいろな線と色で遊ぼう」を体験。TOPPAN芸造研株式会社 講座運営部 臨床美術士、日本臨床美術協会 常任理事の蜂谷和郎氏が講師を務め、子供たちは皆夢中になって作品をつくっていました。
TOPPAN芸造研株式会社 取締役、日本臨床美術協会 理事 髙木啓多氏
TOPPAN芸造研株式会社 取締役で日本臨床美術協会 理事の髙木啓多氏は臨床美術に関して、「私自身が臨床美術に出会ったのはちょうど20年前で、その前はアートとは関係のない仕事をしていました。大学でもアート専攻ではなく、工学部だったんです。
人間にしかできないこととは何なのかを考えたときに、感性を使うもの、特に今はAIが到来していますよね。人間とアートで何をやるかを考えたとき、人間に残っているものは感覚やアート的なものだと感じました。その過程で臨床美術と出会いこれだと思って、そこから鞍替えをして現在に至っています。
臨床美術の起源は、1996年です。認知症のためにアートをどうやって使っていくのかということが始まりで、美術大学に通った方や絵が上手い人だけではなく、普通の人、さらに認知症の方など、そういった人たちに、例えばアートが認知症の改善に使えないのか研究開発をしたことが元々の始まりです。
入口は認知症でしたがここを皮切りに、アートと人間との関係性をどんどん研究開発していって、いかにアートへのハードルを下げるかということをずっと行ってきました。子供の感性教育や様々な社会課題があるのですが、そこに対して、実はアートは人間に適用できることが徐々にわかってきて、それがどんどんと広がっているというような状況です」と語りました。
アートを楽しむことにより、現代人の自己肯定感向上や子どもの感性教育、認知症予防及び症状改善、働く人のストレス緩和などを期待できる「臨床美術」の今後の普及に注目です。
執筆者:遠藤友香
1936年、イタリア・クアローナで創業された、最高級カシミヤと最高級ウールを取り扱う生地メーカー兼プレタポルテブランド「Loro Piana(ロロ・ピアーナ)」。
この度、ロロ・ピアーナは創業100周年を記念して、中国との長年にわたる協力関係に敬意を表し、ブランド初となる展覧会”If You Know, You Know. Loro Piana’s Quest for Excellence(知る人ぞ知る、ロロ・ピアーナの卓越性への探求)”を、2025年3月22日~5月5日の間、中国・上海「浦東美術館(MAP)」にて開催します。
陸家嘴リバーサイド中心エリアに位置する浦東美術館(MAP)は2017年9月26日に着工し、2021年7月に一般公開されました。陸家嘴グループが投資、建設、運営し、アトリエ・ジャン・ヌーヴェル(AJN)が設計したMAPは、国内のアーティストを紹介するとともに、来場者にグローバルな展覧会を提供しています。MAPの主要な4つの機能は、展示会の開催、芸術教育の推進、文化商品の開発、国際交流の促進です。MAPは、上海の新たな文化的ランドマークであり、国際的な文化芸術交流の重要なプラットフォームとなることを目指しています。
同美術館でラグジュアリーメゾンの展覧会が開催されるのは今回が初めてです。本展覧会は、メゾンの歴史と伝統、原材料から完成品に至るまでのノウハウ、そして6世代にわたるロロ・ピアーナ・ファミリーの独自のレガシーを称えます。
ロンドン芸術大学のファッションおよび博物館学の教授であるジュディス・クラークのキュレーションによる本展覧会は、ロロ・ピアーナと来場者の間に、意義深く記憶に残るような感情的なつながりをもたらすことが意図されています。
風景の概念を感覚的で触覚的なレンズを通して解釈したこの没入型の旅は、アーカイブ資料、素材、ルーチョ・フォンタナ、アルベルト・ブッリ、エンリコ・カステラーニ、エミリオ・ヴェドヴァによる現代アートの傑作を含むセルジオとルイーザ・ロロ・ピアーナ・コレクションや、ヴァラッロ絵画館の作品を含む美術作品、伝統的な生地、繊維、そして特別に制作されたドラマティックなシルエットを魅惑的に組み合わせています。これにより、ロロ・ピアーナのノウハウを実験的かつ芸術的なレベルへと引き上げながら、産地と製品、地域と繊維の絆を深めています。
会場内の研究室では、世界最高の繊維に対する品質管理の厳密さとこだわりを探求。1,000平方メートルを超える展示空間では、ロロ・ピアーナの現在のDNAと原点を反映する厳選された素材、質感、色彩が豊富に展示され、リネンなどの繊維を探求するアーティスト、アドリアナ・ムニエのアート作品も展示されています。
中国の芸術監督グオ・ウェンジン、作曲家リウ・ハオ、竹笛奏者タン・ジュンチャオ、ピアニスト、ティム・チャンは、キュレーターのジュディス・クラークとともに、イタリアと中国の伝統を融合させた没入型の部屋で、フィルムのサウンドスケープを創り上げました。中国のアーティストであり思想家でもあるチウ・ジージエは、紙にインクで描いた精巧な地図で伝統と現代の橋渡しをし、中国
の文化、言語、歴史を研究する学問である中国学の世界的な風景を再構築しました。
ロロ・ピアーナの卓越性の追求には、最高品質の原材料を探す旅が重要な役割を果たします。この距離の概念は、ロロ・ピアーナが貴重な原材料を調達し、素晴らしいウェアを生み出している繊維の産地、ニュージーランド、アンデス、フランス、日本、中国の風景のミニチュアの展示を通して、遠くから見ているかのように表現されています。ギャラリーのあちこちに、この展覧会のために特別に製作された33のアンサンブルが展示されており、その製作に欠かせない歴史、風景、ノウハウとの対話を楽しむことができます。
本展覧会は、ロロ・ピアーナの100周年を称えるとともに、伝統と革新を融合させ、メゾンの独自の世界観をご紹介する貴重な機会となることでしょう。
柳幸典《Icarus Cell》2008、⽝島精錬所美術館 撮影:泉⼭朗⼟
©YANAGI STUDIO, Courtesy of the artist and Fukutake Foundation, Naoshima
ピレリ・ハンガービコッカ(ミラノ)外観、2023年撮影、Courtesy Pirelli HangarBicocca, Milan, Photo Lorenzo Palmieri.
執筆者:遠藤友香
イタリア・ミラノにある現代アートセンター「Pireli HangarBicocca(ピレリ・ハンガービコッカ)」。ピレリ・ハンガービコッカは、ミラノのビコッカ地区にある⼯業跡地の建物を改修し、2004年に誕⽣した 現代アートの普及や制作活動を⽀援する⾮営利の現代アート財団です。イタリアのタイヤメーカー「ピレリ」よって設⽴されました。2012年以来、Vicente Todolí(ビセンテ・トドリ)が芸術監督を務めています。
ピレリ・ハンガービコッカは、地域社会だけではなく国際的な⽂化の拠点として機能しており、イタリア内外のアーティストによる現代美術展の企画に加え、関連する複数の分野にわたる議論の場や、書籍づくりなどの教育プログラムも充実しています。展覧会や各プログラムには無料で参加することができ、来場者の鑑賞体験を⽀援するファシリテータースタッフが常駐していることも特徴のひとつです。
もともと、鉄道⾞両や機関⾞、ボイラーなどの製造や、第⼀次世界⼤戦中には航空機や弾薬なども⽣産する⼯場として使⽤されていた建物で、延床15,000㎡を誇ります。アンゼルム・キーファーによる⼤型インスタレーション《The Seven Heavenly Palaces 2004-2015》を常設するとともに、⼤規模な企画展を定期的に実施しています。
柳幸典《Icarus Cell》2008、⽝島精錬所美術館 撮影:泉⼭朗⼟
©YANAGI STUDIO, Courtesy of the artist and Fukutake Foundation, Naoshima
この度、ピレリ・ハンガービコッカにおいて、⽇本を代表する現代アーティスト 柳幸典による回顧展「ICARUS」が、2025年3⽉27⽇(⽊)~7⽉27⽇(⾦)まで開催されます。本展は柳のヨーロッパにおける初の⼤規模な回顧展であり、1990年代から2000年代にかけての代表作や近年の作品を含む幅広いセレクションが展⽰されます。
現代アーティスト 柳幸典 撮影:福⽥秀世
柳(1959年福岡⽣まれ)は、広島県の離島・百島で制作活動を続ける現代アーティストで、彼が初めて招待された国際展は1993年のヴェネチア・ビエンナーレでした。⾊砂でかたどられた国旗が蟻によって侵⾷されていく《The World Flag Ant Farm》を発表し、⽇本⼈で初めてアペルト部⾨を受賞しました。この度32年を経て、柳が初めて国際的な評価を得たイタリアという地で、柳にとって最⼤規模の個展が展開されます。
本展のタイトル「ICARUS」は、ギリシャ神話で⾶翔するイカロスが、太陽(神)に近づきすぎて焼け落ちてしまうことをメタファーとする柳による作品《Icarus》シリーズに着想を得ています。柳は、⾃⾝の代表作に位置づけられる重要なインスタレーションのいくつかを再構築し、⼀貫して探求してきたナショナリズムやガバナンスの構造、そして現代社会の⽭盾した側⾯に応答する新たな⽂脈を提⽰します。
サイトスペシフィックな⼤型インスタレーションを通じて、主権、グローバリゼーション、国境といった複雑な問題を探求することで知られる柳は、⽇本の歴史を掘り下げながらも、ナショナリズムや近代化、技術が社会に与える影響といった普遍的なテーマに向き合ってきました。その制作⼿法は、複雑な社会構造を象徴するイメージや、政治的または国家的な抑圧による固定観念を想起させ、それらの不動性に挑み、本質的に変容可能である有機的な形へと解体します。
柳幸典《Icarus Container》2018、第21回シドニー・ビエンナーレ ©YANAGI STUDIO, Courtesy of the artist and Biennale of Sydney
例えば、「Navate(ナヴァテ):直訳で「側廊」)」と呼ばれる展⽰スペースには、《Icarus Container 2025》(2025)という巨⼤な迷路が設置されます。この作品は複数のコンテナで構成され、建物の外に位置するタワーと連結しており、そこから⾃然光が差し込むよう設計。
来場者はこの迷路を歩きながら、詩⼈・三島由紀夫の⾃伝的エッセイ『太陽と鉄』(1968年)から引⽤された詩「イカロス」の⼀節に出会うことになります。詩の⼀部は鏡に刻まれており、その鏡が常に反射を繰り返すことで、独特の視覚体験を⽣み出します。
展覧会のタイトルにもあるように、古代ギリシャ神話のダイダロスとイカロスの神話に触発された没⼊型の体験は、⼈間の傲慢さや技術進歩への執着がもたらす結果を探求させ、来場者の⽅向感覚を失わせることでしょう。
柳幸典《The World Flag Ant Farm 1990》1990、ベネッセハウス ミュージ アム(直島) ©YANAGI STUDIO, Courtesy of the artist and Benesse Holdings, Inc., Okayama
⽴⽅体の展⽰スペース「Cubo(キューボ)」では、代表作である《The World Flag Ant Farm 2025》(2025)を展⽰。第45回ヴェネチア・ビエンナーレにてアペルト賞を受賞した本作品は、国連加盟国193、⾮加盟国7を含む200の国家を表す旗で構成されます。これらの旗は、透明なアクリルボックスに配置されており、ボックスはプラスチックチューブで繋がれ、その中を無数の蟻が砂粒を運びながら通路を作り、ボックス間を⾏き来しています。このプロセスにより、国境や国旗といった国家アイデンティティの象徴が徐々に解体されていきます。蟻の動きはこれらの象徴の脆弱性をアイロニックに露わにし、その静的な形をタイトルが⽰す通り、巨⼤で活動的な「ant farm」へと変容させるのです。
ぜひ、 柳による来場者を引き込む没⼊型の壮⼤なインスタレーション作品を体感しに、ミラノにある現代アートセンター「ピレリ・ハンガービコッカ」を訪れてみてはいかがでしょうか。
アーティスト:柳 幸典
1986年より蟻を使った作品、フンコロガシのように土の玉を転がす作品など、美術のシステムの外で〈移動〉を切り口に発表を開始。1988年より渡米、米国イエール大学大学院アート&アーキテクチャーでビト・アコンチやフランク・ゲーリーらに学ぶ。フランク・ゲーリーのクラスで芸術家と建築家がコラボレーションをする授業を経験した際、日本では芸術家と建築家がセクショナリズムに陥っていることを痛感し、美術館の箱と中身は一体に構想されるべきであるとの思想から、犬島プロジェクト「犬島精錬所美術館」(1995-2008年)の着想に始まり、韓国の安佐島プロジェクト(2018-)を具現化する。1993年ヴェネチア・ビエンナーレのアペルト部門受賞。現在、瀬戸内海の過疎の離島の廃校をリノベーションして「ART BASE 百島」を立ち上げ、そこを拠点に創作活動とともにアートによる空き家の再生や地域資源の発掘などの地域づくりをYANAGI + ART BASEというチームで行なっている。近年の主な展覧会は、シドニー・ビエンナーレ(2018年、オーストラリア)、「PSYCHIC WOUNDS: ON ART & TRAUMA」The Warehouse(2020年、ダラス)、個展「Wandering Position 1988-2021」 ANOMALY(2021年、東京)、個展「YUKINORI YANAGI」Blum & Poe Los Angeles(2021年、ロサンゼルス)、ディルイーヤ・ビエンナーレ (2021年、サウジアラビア)など。
■「柳幸典展:ICARUS」
会期:2025年3⽉27⽇(⽊)~ 7⽉27⽇(⾦)
会場/主催:Pireli HangarBicocca(ピレリ・ハンガービコッカ)
Fondazione Pirelli HangarBicocca Milan:美術展
開館時間:10:30~20:30
休館⽇:⽉ー⽔
料⾦:無料
キュレーター:Vicente Todolí(ビセンテ・トドリ)、Fiammetta Griccioli(フィアンメッタ・グリッチョーリ)
カタログ:Marsilio Editori(マルシリオ・エディトリ)
公園および施設イメージ
執筆者:遠藤友香
東急不動産株式会社、東急株式会社、株式会社石勝エクステリア、および株式会社東急コミュニティーの4社からなる「代々木公園STAGES」は、東京都が実施する都市公園法に基づく公募設置管理制度(Park-PFI)を活用し、推進している「代々木公園Park-PFI計画」において、公募対象公園施設の名称を「代々木公園 BE STAGE(ビーステージ)」に決定しました。
公募設置管理制度(Park-PFI)とは、都市公園において飲食店・売店などの公園利用者の利便性の向上に資する公園施設(公募対象公園施設)の設置と、設置した施設から得られる収益を活用して、その周辺の園路・広場などの公園施設(特定公園施設)の整備などを一体的に⾏う⺠間事業者を公募により選定する、都市公園法において定められている制度です。
本事業の特定公園施設の一部エリアは2025年2月20日(木)から供用開始しており、本施設および施設内の店舗は2025年3月15日(土)以降順次開業していきます。
■ 誰もが新しい挑戦をはじめることができる場所が誕生
代々木公園 BE STAGEは、「はじめる人になろう」を標語に掲げ、この公園を訪れる人が新しい一歩を踏み出したくなる場所になってほしいという思いがロゴに込められています。
原宿と渋谷の間に位置し、自然と都市がつながる神南エリアにおいて、原宿と渋谷が持つ、自己表現を楽しみ文化にまで昇華させるDNAを継承しながら、公共性のある公園かつ利便性の高い立地だからこそ可能な、誰もが気負わずに新しい挑戦をはじめることができる場所を目指しています。
スケートボードやダンスなど様々なアーバンスポーツをはじめ、ランニングやヨガ、食、音楽、アート、自然を、自分の好む方法で楽しみ、都心での生活を豊かにできる新しい習慣をはじめられる仕掛けを提供します。
クリエイターが集まり新しい文化がはじまる原宿と、スタートアップが集積し新しいビジネスがはじまる渋谷、その間の神南エリアに、新しく何かをはじめる人、新しい挑戦をする人が主人公になれる場(STAGE)をつくることで、広域渋谷圏を新しい挑戦をはじめやすい場所としていくとのこと。
■ コンセプトを体現する環境・店舗・取り組み
本事業および本施設では、多様な人が集まり、お互いの感性を刺激しあう公共性の高い都市型交流公園に、野外劇場のような広がりのある環境、店舗、取り組みを揃えます。
公園における環境面では、四季を感じることができる植栽を多数設置し、また多種多様なベンチで人々が思い思いに過ごせる都心のオアシスを目指しています。
イベントステージイメージ
自由で多彩な自己表現と発信ができる場として、公園の中心部分にはイベントステージを設置。ステージの周囲はもちろん、JR山手線や代々木競技場の石垣の上など色々な視点から見ることのできるステージを中心に、アート、スポーツなど皆様で楽しむイベントを通じて多くの交流を生み出します。
アーバンスポーツパークイメージ
屋外のアーバンスポーツパークは、⾏う人も見る人も安心してスケートボードなどのアーバンスポーツを楽しめる場所となります。本施設の屋内ゾーンともシームレスにつなぐことも可能な仕様になっています。
本施設内には、子どもからシニア世代までが、学び、スポーツ、食を通じて、交流しながら楽しむ機能を持った店舗など全8店舗が入り、訪れる方が新しい挑戦をはじめられる環境ときっかけを提供します。
1階「Tiki’s Tokyo」イメージ
1階にはハワイ・ワイキキで20年続く人気のレストラン「Tiki's Grill & Bar(ティキズグリルアンドバー)」が日本に初上陸。約160席の大型ダイニングとして、ハワイを代表する飲食メニューに加え、日本オリジナルメニューを多数揃えます。また、ドッグフレンドリーなレストランとして店内にて犬と一緒に食事を楽しめるドッグメニューや幅広いドッグサービスを提供します。
隣接する「NORTH SHORE CAFE(ノースショアカフェ)」では、公園にテイクアウトできるマラサダ(小麦粉やイースト菌などを混ぜた生地を発酵させて油で揚げ、粉砂糖やシナモンをまぶしたスイーツ)、アイスクリームやドリンクを提供します。屋上には、バーベキュー広場(2025年6月開業予定)を設置し、公園の緑量と開放感のもとアーバンバーベキューを楽しむことができます。
2階「ニューバランス Run Hub 代々木公園」イメージ
株式会社ニューバランスジャパンは、2階にRun Hubとなる店舗をオープン。ランニングカテゴリーのプロダクトの展開のほか、定期的にイベントを開催、そしてカフェを併設しランナーたちのコミュニケーションの場を作ります。
同フロアには、渋谷区の産官学⺠連携組織である一般社団法人渋谷未来デザインが、ダンスやストリートスポーツを通じた多様な交流と創造の場となるスタジオを展開し、公園や街におけるスポーツの可能性を拡張します。
3階「YOYOGI-PARK “まなぶ”」 イメージ
3階では、「究極のエンタテインメント SPORTSで人々を笑顔にする」をミッションに掲げるセガサミーグループの株式会社MPandC(エムピーアンドシー)が、「まなぶ」をテーマに一流の指導者による体操・空手・チアなどのスクールや、グローバル教育を展開する株式会社Lifelong Kindergartenと共同で英語での探求・体験学習などを提供します。
3階「YOYOGI-PARK “たのしむ”」 イメージ
さらに「たのしむ」をテーマに、ランニングステーション・ボディメンテナンス・人気フィットネスインストラクターによるカフェや子ども向けエクササイズレッスンなどのサービスを提供し、身体的・精神的な健康促進をサポートします。
本事業では、公園が持つ環境を生かし、店舗をはじめ多様なパートナーと連携し協業しながら、スケートボードや、ブレイキンなどのダンスの初心者向けイベント、音楽ライブ、ヨガなど、様々な取り組みを実施していくそうです。
代々木公園の生態系や表参道の欅といった地域財産との連携を通じ、エリアの生物多様性に貢献しながら、地域の皆様に長く愛される場所に育てていくという代々木公園 BE STAGEに、ぜひ注目してみてください。
■ 「代々木公園 BE STAGE(ビー ステージ)」 ※公園の名称ではなく公募対象公園施設の名称
所在地:東京都渋谷区神南一丁目1番1
構造・階数:鉄骨造(一部RC造)地下1階・地上3階建
延床面積:約2,430㎡
建物用途:店舗、スポーツ施設、体験学習施設
設計会社:株式会社東急設計コンサルタント
施工会社:東急建設株式会社
スケジュール:2024年1月15日 新築工事着手
2025年2月20日 特定公園施設の一部供用開始
2025年3月15日以降 公募対象公園施設順次開業
執筆者:遠藤友香
東京クリエイティブサロン実行委員会は、国内最大級のクリエイティブの祭典「Tokyo Creative Salon 2025」を2025年3月13日(木)に開幕しました。3月23日(日)まで、東京を代表する10のエリア(丸の内、日本橋、銀座、有楽町、赤坂、渋谷、原宿、羽田、六本木、新宿)にて展開しています。
Tokyo Creative Salon 2025とは、毎年3月、桜の咲く東京を舞台に開催する年に一度のクリエイティブの祭典です。ファッション・デザイン・クラフト・サステナブルなど多彩なジャンルが集い、日本のクリエイティブの魅力を東京から世界へと発信しています。
Tokyo Creative Salonのミッションは、日本の創造力をより良い世界へとつなげることです。「伝統をつないできた技」や「新技術(デジタル・サステナビリティ)」、日常に新しい視点を加えたアイデアを世界に届け、東京・日本の都市としての価値向上を目指しています。
日本人におけるクリエイティビティへの自信は、他国と比べて極端に低いと言われています。しかし、Tokyo Creative Salonは、その現状を打破し、東京を世界のトップクリエイティブシティへと導くことを目指し、クリエイティブの可能性を追求し続けています。
2025年は、日本が誇る知恵や技術、そして美意識を「再発見し、再定義」することを目的に掲げ、「QUEST|さがそう〜創造性・美意識の探求〜」をテーマに様々な活動を展開。世界から注目される地域づくりや見過ごされてきた知恵や技術、創造性に光を当て、多くのクリエイター、企業、地域が共に未来を創る場を提供します。
東京クリエイティブサロン実行委員会 廣内武会長
東京クリエイティブサロン実行委員会の廣内武会長は、Tokyo Creative Salon 2025の開催に際し、「6年前、Tokyo Creative Salon は東京をクリエイティブシティにしていくことを目標にスタートしました。
日本には伝統・文化など世界に誇れる素晴らしい魅力があり、東京からそれらを発信していきたいと思っています。そのためにはいろんな人々が一緒になって、一つひとつ解決していく必要があります。また、こういうイベントは楽しくなければ意味がないので、楽しんでいただきながらみなさんと共に広めていきたいと思っています」と述べています。
東京クリエイティブサロン実行委員会 齋藤精一統括クリエイティブディレクター
東京クリエイティブサロン実行委員会 齋藤精一統括クリエイティブディレクターは、「今年からfestival creativeを目的にし、お祭りのように様々なクリエイティブに参加していただこうと思っています。
今年のテーマは「QUEST|さがそう〜創造性・美意識の探求〜」。このテーマを設定した背景として、文化・政治・経済・地方創生・人や団体に軸に、クリエイティブを通じて過去がどうだったのかを探求していただきたい。そのため各エリアへの入念なリサーチを行い、コンテンツを作っていったので、参加者が展示を通してなぜこのコンテンツがあるのかなどを対話しながら楽しんでいただければ嬉しいでです。1年で終わるのではなく、探求したものを解体する・再構築するなど、できるだけ発展していけるよう今後も続けていきます」と長期的な意気込みも語りました。
10エリアで計120以上のコンテンツが展開されるTokyo Creative Salon 2025に、ぜひご注目ください。
■Tokyo Creative Salon 2025
開催期間:2025年3月13日(木)~23日(日)
開催エリア:丸の内、日本橋、銀座、有楽町、赤坂、六本木、渋谷、原宿、新宿、羽田
メイン会場:東急プラザ原宿「ハラカド」
主催:東京クリエイティブサロン実行委員会
公式HP:https://tokyo-creativesalon.com/
公式Instagram:ttps://www.instagram.com/tokyocreativesalon/
執筆者:遠藤友香
スイスネックス・ジャパンが、スイスの名門アートスクール「ローザンヌ州立美術学校(ECAL)」と協力し、伝統×テクノロジーが生み出す新たな展覧会「Folklore Fusion」を2025年4月3日(木) まで、在大阪スイス領事館にて開催中です。(紹介動画はコチラから)
在大阪スイス領事館は、日本で初めての科学技術とイノベーションに特化した領事館です。スイスネックスのグローバルネットワークの一員として、教育、研究、イノベーション分野で、スイス、日本、そして世界をつなぐ役割を果たしています。スイスの大学、研究機関、スタートアップ企業の国際展開を支援し、知識やアイデア、才能の交流を促進しています。
ECALは、世界トップクラスのアート&デザインスクールとして知られ、革新的な教育を提供しています。最先端技術を取り入れた実践的なカリキュラムを通じて、学生は視覚コミュニケーション、インタラクションデザイン、アートディレクションなど、多様な分野でスキルを磨きます。特に「メディア&インタラクションデザイン学士課程」では、デジタルメディアとAIを活用したデザインの新たな可能性を探求し、創造的な未来を切り拓いています。
この度のFolklore Fusionでは、東京でのフィールドリサーチをもとに、ECALのメディア&インタラクションデザイン専攻の学生たちが、スイスと日本の要素を融合させたキャラクター「Swijus(スウィジュス)」を制作。彼らは、両国の文化を組み合わせることで、現代的な解釈を加えた新たな物語を生み出しました。
展示では、プリント作品、拡張現実(AR)、インタラクティブ・プラットフォーム、書籍、トレーディングカードゲームのコレクションを通じて、フォークロアに対する新たな視点と異文化間対話の可能性を探ります。
1.ビジュアルプリント展示
・ 13体の「スイジュ」を描いたA3サイズのプリント展示
・大型パネルや「のれん」に近接画像をプリントし、没入感のある空間を演出
2.拡張現実(AR)体験
・ スマートフォンをかざすと、展示された「スウィジュス」がデジタル空間で動き出すAR体験
3.インタラクティブウェブサイト
・展示空間のスクリーンを通じて、キャラクターの詳細や制作背景を閲覧可能
・ 書籍やトレーディングカードの購入リンクも設置
4.書籍&トレーディングカード(オンライン購入可)
・プロジェクトの成果をまとめた書籍と、全56種類のトレーディングカード
・デジタルとアナログが融合した新たな表現手法を提示
本展は一般公開されており、来場者はAR技術を活用した没入体験を楽しむことができます。伝統と最新テクノロジーが融合する唯一無二のアート体験を、ぜひ会場でご体感ください。
■Folklore Fusion
会期:2025年3月11日(火)〜4月3日(木)
会場:在大阪スイス領事館
大阪府大阪市北区堂島1-1-5 梅田新道ビル 1F
主催:在大阪スイス領事館、ローザンヌ州立美術学校(ECAL)
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「CRAFT SAKE WEEK 2024 at ROPPONGI HILLS」の様子
執筆者:遠藤友香
中田英寿氏が代表を務める株式会社JAPAN CRAFT SAKE COMPANYは、日本食文化の祭典「CRAFT SAKE WEEK 2025 at ROPPONGI HILLS」を、2025年4月18日(金)から4月29日(火・祝)までの12日間、六本木ヒルズアリーナにて開催します。
オーガナイザーを務める中田氏が日本全国を巡り、日本酒、農業、工芸を中心に数多くの生産者と出会い、日本が誇る文化や技術に触れる中で、特に日本酒の奥深さと可能性を強く感じたことから、「日本文化の素晴らしさを多くに人に伝えたい」と2016年にスタートした本祭典。東京・六本木を皮切りに、九州では博多、東北では仙台でも開催し、これまで延べ100万人以上の人々が来場しました。
中田氏をはじめ、専門チームにより選び抜かれた、その時の最高峰の酒蔵が全国から集まり日替わりで出店するため、毎日新しい発見があり、自分の好みにあった日本酒をみつける楽しさがあります。
また、会場では酒蔵メンバー自らが日本酒を振る舞うことで、来場者は日本酒の楽しみ方や食事との組み合わせ方、それぞれの酒蔵のこだわりや特徴などを知ることができ、日本酒の魅力をより一層感じる機会を創出します。
会場デザインには日本の文化や四季などのエッセンスを取り入れ、これまでには櫓(やぐら)、桜、竹、縄、枡など、毎回異なるテーマを設け、国内外で活躍する人気建築家がインスタレーションを担当。「CRAFT SAKE WEEK」だけのために設計された幻想的な空間演出を通して、会場全体で日本文化を発信しています。
原田真宏氏
原田麻魚氏
今回は、会場デザインを原田真宏氏と原田麻魚氏が率いる建築事務所「MOUNT FUJI ARCHITECS STUDIO(マウントフジアーキテクツスタジオ)」が担当することが決定しました。
マウントフジアーキテクツスタジオは、日本の建築業界において最も権威のある賞の一つである「建築大賞」や「建築学会賞」、さらに、日本国内の優秀な建築作品を表彰する「BCS賞」など、国内主要建築賞を総なめにした「道の駅ましこ」をはじめ、注目すべき木を使った建築を数多く手掛けています。その土地の素材にこだわり、その場所特有の風景の一部となることを目指す建築は、多くの人の共感を得るとともに、国内外で数多くの賞を受賞するなど、高い評価を得ています。
本祭典では、「棟上ゲ」をテーマに、開催期間中に会場に巨大な棟上げの空間が出現します。「棟上げ」とは、建て方の最後の部材である棟木をとりつけること。地元の神社や神主などを招き、神事をとり行う日本独自の伝統を、会場で現代的に再現。建物の骨組みが無事に立ち上がったことを感謝し、祝祭となるその日には「日本酒」が用意されることから、今回のテーマを「棟上ゲ」に決定したとのこと。全国の酒蔵が一堂に集結する本イベントにて、「棟上ゲ」の空間性を再解釈し、最新のシミュレーション技術で解析されたテンセグリティ構造によって、宙に浮かぶようにして配列された超現実的な本組みの様子は、日本酒や木造技術の伝統を新しく喜びに満ちた未来へと継承していく象徴となってくれることでしょう。
また、会場には世界的な星付きレストランをはじめ、通常では予約困難なレストランが数多く出店。国内外で高い評価を受ける一流シェフによるこだわりの料理は、日本酒との相性はもちろん、お酒を飲まない方にもお楽しみいただける本イベントならではの特別メニューとなっています。お酒や料理を提供する器にもこだわり、日本の技術や美意識を感じることができます。
さらに昨今、日本酒イベントとしてだけでなく、より日本の文化を楽しんでいただけるように、日本茶の展開もスタート。近年、日本酒とともに海外への輸出量が増え、世界から注目を集める日本茶にもフォーカスし、2023年の開催時は、全国各地のお茶農家から厳選された全10種類のカテゴリーをラインナップ。アルコールを飲まない方でも食事とのペアリングを楽しめ、また、絶えず進化している現代の日本茶文化の奥深さを知ることができるよう、様々な種類や産地の日本茶を用意しています。
「CRAFT SAKE WEEK」は、日本酒イベントからさらに進化し、様々なコンテンツを通して世界に誇る日本の食文化の価値と可能性を発信していきます。「CRAFT SAKE WEEK 2025 at ROPPONGI HILLS」は、公式HPにてスターターセット、および会場で使用可能な飲食用のコインの事前販売を開始しています。今後、出店レストラン、出展ブース、参加DJなど、順次発表する予定です。 ぜひ、会場に足を運んで、日本食文化と会場デザインを堪能してみてはいかがでしょうか。
■CRAFT SAKE WEEK 2025 at ROPPONGI HILLS
日時:2025年4月18日(金)~29日(火・祝)/平日 15:00〜22:00 (LO21:30)
土日祝 12:00〜21:00 (LO20:30)
※平日の営業時間が昨年より変更しました
場所:六本木ヒルズアリーナ(東京都港区六本木6丁目9-1)
参加蔵数:各日10蔵 計120蔵 (予定)
レストラン数:15店(予定)
料 金:スターターセット ¥4,200(オリジナル酒器グラス+飲食用コイン12枚)
追加コイン 10枚/¥1,600 25枚/¥3,900 40枚/¥6,000 100枚/¥15,000
※2回目以降の来場の際は、スターターキットのグラスを持参すると、追加コイン購入のみ
で楽しむことができます。
事前販売:「CRAFT SAKE WEEK」公式HPにて販売中
主催:株式会社JAPAN CRAFT SAKE COMPANY
特別協力:六本木ヒルズ
協賛:株式会社ロッテ
後援:J-WAVE 81.3FM
ウェブサイト : https://craftsakeweek.com/
公式アプリ : Sakenomy https://www.sakenomy.jp/
執筆者:遠藤友香
ふと目に入った、何気ない日常の「モノ」にレンズを向けるー。カメラを手にしたことのある人であれば、誰しもが経験したことがある行為ではないでしょうか。カメラからスマートフォンへ、撮影するという行為はさらに一般的になり、SNSの普及により「モノ」を撮影した多くの写真が世界中に溢れています。
滋賀県立美術館開館にて、2025年3月23日(日)まで開催中の写真展「BUTSUDORI ブツドリ:モノをめぐる写真表現」。ブツドリとは、もともとは商業広告などに使う商品(モノ)を撮影することを表現する言葉です。
本展は「モノ」を撮影することで生まれた写真作品を、この「ブツドリ」という言葉で見直し、日本における豊かな表現の一断面を探る試み。展覧会は6章で構成され、広告写真が生まれるよりずっと前の時代から始まり、構成主義やシュルレアリスムの時代を経て、戦時のプロパガンダ写真やバブル経済期の洗練された広告写真、そして現代のブツドリまで200点以上の写真作品を鑑賞することができます。中でもおすすめの作品をピックアップしてご紹介します。
1.たんなるモノ
本章では、幕末の写真家・島霞谷(しまかこく)が撮影した《鮎》と《頭蓋骨標本》、モノを撮影することを実験的に思索した大辻清司の「大辻清司実験室」に掲載された作品、日常を独自の表現として昇華した川内倫子の《M/E》を展示しています。
モノを写すとは、一体どういったことなのでしょうか。これは「写真が何を写し取るのか」といった問いにも通じるものです。写真工学的には、写真とは反射した光を写し取るもの。しかし、モノが写された写真を見たとき、それがモノに反射した光だと認識する人は少ないでしょう。多くの人は、写真を見て「モノ」そのものを認識するはずです。
モノを写すことに真摯に向き合った写真家のひとりに大辻清司(1923‐2001)がいます。大辻は、戦後間もない頃から商業写真家として活動を開始。彼の生み出す作品はシュルレアリスムの影響が色濃く、造形的で前衛的な作風が特徴となっています。写真を通じて新しい視覚的な表現を模索し続けました。
こちらは、1年間に亘って雑誌『アサヒカメラ』に全12回連載された「大辻清司実験室」の「〈たんなるモノ〉(1975年1月号)」と「いとしい〈モノ〉たち」(1975年2月号)に掲載された作品です。「いとしい〈モノ〉たち」に掲載された作品に写されているのは、大辻のアトリエにある彼にとって愛着のあるモノたち。大辻はこれを「偏見偏物写真」と呼び、それぞれのタイトルには思い出が綴られています。これらのモノたちが大辻にとって大切な存在であっても、論理的に観る側にとっては「たんなるモノ」として映ることでしょう。
しかし、ここで重要なのは、実際にはこれらの写真が観る側にとっても「たんなるモノ」が写された写真には見えないということです。写真を通して表現されたモノ自体の形状や質感、配置、光の扱い方は、観る者の記憶や感情を喚起し、モノを個人的な意味の枠を超えた普遍的な表象へと昇華させます。また、写真に添えられたタイトルも大きな役割を果たしています。タイトルを通じて、私たちはそれを単なる物質としてではなく、背後に物語性を宿した存在として認識することでしょう。
2.記録と美
文化財写真の歴史は、明治時代の初期から始まります。明治維新後に起こった仏教排斥運動、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)によって、社寺の荒廃や貴重な文化財の損壊が進みました。1872年、このことを重く受け止めた明治政府によって、当時最新の技術であった写真を用いて、危機に瀕した文化財の調査を行うことが決定されました。この文化財調査は「壬申検査」と呼ばれ、写真家・横山松三郎(1838‐1884)が随行し、正倉院宝物や仏像などの写真が撮影されました。
文化財写真は、単に文化財を記録するだけでなく、その背後にある歴史や価値を伝える重要な役割を担っています。ただ形や色を写し取るのではなく、写真を通じて文化財の歴史的意義や美意識、文化的な価値を表現する意図が込められています。文化財写真は単なる記録媒体ではなく、鑑賞者に文化財が持つ「意味」を喚起させるための「媒介」として機能しているのです。
本章では、重要文化財に指定されている壬申検査のガラス原板、作家性を帯び始めた頃の古美術写真、そして仏像写真におけるそれぞれの眼差しをみていきます。また、これらの文化財写真とともに、古書をオブジェとして撮影した潮田登久子の《Bibliotheca》を展示しています。
3.スティル・ライフ
明治から大正にかけての日本では、写真に芸術性を求めるアマチュア写真家らを中心に、絵画的な写真が志向されました。いわゆるピクトリアリズムと呼ばれる写真動向において、1920年代より、一部の芸術写真家らは、静物写真に注目しはじめます。これらの1920年代、30年代の静物写真とともに、本章では母の遺品を撮影した石内都の《mother's》、物体を撮影することで他者からの見え方を模索する安村崇の《態態》を展示しています。
石内は、1979年に写真集『APARTMENT』および写真展「アパート」にて、第4回木村伊兵衛写真賞を受賞。2014年には、アジア人女性で初めてハッセルブラッド国際写真賞、2024年には「ウーマン・イン・モーション」フォトグラフィー・アワードを受賞するなど、国内外で高く評価されています。
こちらの石内の《mother's》は、遺品という「死」の象徴を扱いながらも、一人の人間の確固たる「生」が写し取られています。石内にとって、母の遺品を撮影することは、亡くなった母との遺品を介した対話でした。《mother's》が展示され、個人的な記憶や感情を超え、一つの作品として自立していく中で「たくさんの見知らぬ女たちの生き様を、母の遺品を通して私は写真に託したのではないか」と、石内は考えるようになったそう。この言葉が示す通り、《mother's》は個人の物語にとどまらず、多くの女性たちの物語を今の私たちに伝えているのです。
4.半静物? 超現実? オブジェ?
1930年前後から、カメラやレンズによる機械性を生かし、写真でしかできないような表現を目指した写真が盛んになります。これらのいわゆる新興写真は、ドイツの新即物主義(ノイエザッハリヒカイト)やシュルレアリスムに影響を受け、前衛写真へと引き継がれていきます。
先で触れた通り、前衛写真に大きな影響を与えたシュルレアリスムは、フランスの詩人アンドレ・ブルトンが1924年に刊行した『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』に端を発した芸術運動です。文学から始まったその運動は、絵画、そして写真にも影響を与えました。それは、単なる空想の中に非現実の領域を表そうとしたものではなく、現実の中に存在する「Surreel(強度の現実)」を捉えたものであり、現実と繋がった世界を提示しようとした運動でした。現実との連続性という意味で、写真はシュルレアリスムという思想にとって適したメディアであったと言えるでしょう。
本章では、モダンフォトグラフィの潮流の中で、前衛的な写真表現をおこなった中山岩太や安井仲治などの作家の作品を展示。これにあわせて、オノデラユキの《古着のポートレート》、野菜や魚などの食材や、花や昆虫を素材として特異なオブジェを制作する今道子の作品も展示し、前衛写真との表現上の共通性を概観します。
5.モノ・グラフィズム
1920年代頃から、写真と同様に広告の世界でもモダニズムの動向が見られるようになりました。欧米の新しい美術やデザインの影響を受け、日本でも近代的なデザインが模索される中で、写真を用いたデザインが注目を集めるようになります。
1926年に金丸重嶺(1900‐1977)が鈴木八郎(1937‐2005)と共に、日本初の広告写真撮影を行う商業写真スタジオ「金鈴社」を設立するなど、着実に商業写真への意識が写真家の中に芽生え始めます。その後、1920年代後半から30年代にかけて、振興写真の時代が到来すると、写真を用いたグラフィック表現は一層加速することになります。
本章では、モノをめぐるグラフィックデザインとして、日本における初期の広告写真から、ポスターなどの広告にみられるグラフィック表現を紹介します。また、ホンマタカシが猪熊弦一郎のアンティークコレクションを撮影した『物物』のプロジェクトを展示。写真家による多種多様な「物撮り」のイメージをお楽しみください。
6.かたちなるもの
最後の章では、かたちなるものを捉えようとしているとも言える、新興写真や前衛写真に影響を受け、「造型写真」という言葉で独自の表現を目指した坂田稔、動植物を即物的に捉えた写真集『博物志』を発表した恩地孝四郎、日本の伝統的なデザインから、さまざまな「かたち」にフォーカスした岩宮武二、日本の写真における抽象表現の先駆的な存在である山沢栄子、そしてカラフルなスポンジを組み合わせ造型化した鈴木崇といった5人を取り上げています。
そもそも「かたち」とは何でしょうか。『美学辞典』を参照してみると、以下のように書いてあります。
「日本語の「かたち」は静態的な意味合いが強いが、漢字の「形」には「形成する」や「現れる」という動詞的、動的な意味があり、西洋語の場合も同様で、英語のformがそのまま動詞として用いられることに注意しなければならない。この動詞的用法は、形の前提をなす「統合」の働きに対応している。その概念に従えば、形は形成活動に先立ってその外に存在する抽象的な容器や枠組のようなものではなく、むしろ形成活動の結晶であり、形のなかにはこの形成の過程のダイナミズムが籠められている」。
鈴木崇の作品《BAU》シリーズでモチーフとなっているのはスポンジです。その形は、様々な使用用途に適応させようとした結果、多種多様になっています。また硬さや密度で色を違えてあるのも特徴で、ひとつの既製品の中に複数の色が層として含まれることもあります。
鈴木は、そんなスポンジを複数組み合わせ、新たなかたちが生まれたと感じたらそれを写します。そこには明らかに「形成の過程のダイナミズム」が感じ取れます。と同時に、その形成の際、相当な程度で色が寄与していることにも気づきます。「かたち」とは何か、改めて考えさせられます。
以上、私たちにとって身近な「ブツドリ」について認識を深められる写真展「BUTSUDORI ブツドリ:モノをめぐる写真表現」についてご紹介しました。
滋賀県立美術館は、展示室でもしーんと静かにする必要はなく、おしゃべりしながら過ごすことが可能です。また、目が見えない、見えづらいなどの理由でサポートや展示解説を希望される場合や、その他来館にあたっての不安をあらかじめ伝えられた際には、事前の情報提供や当日のサポートの希望に可能な範囲で対応してくれるなど、鑑賞者に大変優しい美術館です。
ぜひ、会場に足を運んで、写真の奥深さを感じ取ってみてはいかがでしょうか。
■滋賀県立美術館 開館40周年記念 「BUTSUDORI ブツドリ:モノをめぐる写真表現」
会期:2025年1月18日(土)~3月23日(日)
※会期中に一部展示替えがあります
休館日:毎週月曜日(ただし休日の場合には開館し、翌日火曜日休館)
開場時間:9:30~17:00(入場は16:30まで)
会場:滋賀県立美術館 展示室3 滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1
観覧料:一般1,200円(1,000円)
高校生・大学生800円(600円)
小学生・中学生600円(450円)
※( )内は20名以上の団体料金
※企画展のチケットで展示室1・2で同時開催している常設展も無料で観覧可
※未就学児は無料
※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳をお持ちの方は無料
主 催:滋賀県立美術館、京都新聞
特別協力:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館
助 成:公益財団法人DNP文化振興財団
企 画:芦髙郁子(滋賀県立美術館 学芸員)
執筆者:遠藤友香
ベルギーを代表するアーティストの一人であるジャン=ミッシェル・フォロン(1934-2005)。アメリカの『ザ・ニューヨーカー』『タイム』など、有名雑誌の表紙に挿絵が掲載されたことをきっかけに、多彩な才能を発揮して世界中に多くのファンを抱えています。
柔らかな色彩で描き出される詩情豊かな世界。しかし、美しい景色に惹かれてよく見てみると、環境破壊や人権など、現実に残る問題を目の当たりにすることになります。フォロンは、優しく、そして厳しく、この世界と向き合うためのメッセージを残しているのです。
フォロンにとって、日本では30年ぶりとなる展覧会「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン展」が名古屋市美術館にて、2025年3月23日(日)まで開催中です。本展では、ドローイング・水彩画・ポスター・彫刻・写真・オブジェ・アニメーションといった、約230点の作品を一挙に紹介しています。
名古屋市美術館学芸員 久保田舞美氏
本展の担当学芸員である久保田舞美氏は、以下のように述べています。
「グラフィック・デザインや版画、水彩画、文学作品の挿絵や舞台芸術など、マルチな才能を発揮して活躍したジャン=ミッシェル・フォロン。
本展は、「あっち・こっち・どっち?」「なにが聴こえる?」「なにを話そう?」という問いかけとともに、空想旅行をするような気分でフォロンの作品をめぐります。柔らかな色彩と軽やかなタッチで表現されたフォロンの作品は、見る人を想像の旅へ連れ出してくれます。
彼は自分の作品について自由に想像し、自由に解釈することを求めていました。彼のまなざしと想像力を介して表現された世界を通して、私たちは、フォロンと対話し、世界と対話し、自分自身と対話することができるでしょう」。
今回は、中でもおすすめの作品をピックアップしてご紹介します。
1.プロローグ 旅のはじまり
1934年、ブリュッセルに生まれたフォロンは、幼い頃からいつも絵を描いていたといいます。10代の終わりに偶然目にしたルネ・マグリットの壁画は、彼に絵画の可能性を強く印象付けました。「絵はなんでもできるんだ。謎を生み出すことだって」。
この経験はやがて、作家が最後に使用した名刺に「AGENCE DE VOYAGES IMAGINARES(空想旅行エージェンシー)」と記したように、「空想旅行案内人」として見る人の想像力を揺り起こし、世界を再発見させるような絵画を創り出すフォロンの出発点になったといえるでしょう。
「Less is more(少ない方がより豊かである)」と述べたドイツの現代建築家、ミース・ファン・デル・ローエ(1886‐1969)の言葉に、学生であったフォロンは胸を打たれました。そして、黒と白のたった2色で豊かな世界を生み出すことを目指し始めました。
白い紙の上を絵が自由に動くさまは、フォロン曰く「ブラックユーモア」ならぬ「ホワイトユーモア」の空気感を漂わせています。そしてこのユーモアと現実への眼差しは、後の色彩を含んだあらゆる作品にも表れています。
彼が画家を目指して故郷を飛び出した20代の頃に書き溜めていたドローイングは、日常のありきたりな事物や情景ですが、フォロンの観察眼や自由な発想によって、謎めいてユーモラスなイメージへと変容しています。
2.第3章 なにを話そう?
新聞や雑誌、広告、ポスター、テレビ、ラジオ、インターネットなど、あらゆるメディアに囲まれた日常を送る私たち。フォロンの作品にもそうしたモチーフはよく登場しますが、絵の中の人々はそれらと必ずしもよい関係を結べているわけではなさそうです。
しかし、フォロンはメディアを否定しているわけではありません。フォロン制作した何百万人もの購読者を持つ雑誌の表紙や、企業や公共団体などの600点以上ものポスターは、多くの人々の目に触れ、様々なメッセージを伝えるたいせつなメディアでした。
ジョルジョ・モランディ(1890‐1964)やパウル・クレー(1879‐1940)のような、見る人が自由に絵の中に入り込んでいける「開かれた絵」を目指したフォロンにとって、不特定多数の人々へダイレクトに訴えることができるポスターは、出会うべくして出会ったメディアと言えるでしょう。
そう考えると、1988年にアムネスティ・インターナショナルから『世界人権宣言』の挿絵がフォロンに託されたのも頷けます。
3.エピローグ つぎはどこへ行こう?
フォロンは1968年にパリ郊外の小さな農村、ビュルシーに家族と移り住みます。見渡す限りの平原の先に地平線を一望できる家は、彼の終生のアトリエとなりました。1985年には、南仏のモナコにもアトリエを構えましたが、そこからは水平線を望むことができました。それらの景色は、彼にとって重要なインスピレーション源となりました。また、旅を好んだフォロンは、旅先での体験も大切な創作のエネルギーとしていました。
そして、フォロンにとって憧れの存在が「鳥」でした。「私はいつも空を自由に飛んで、風や空と話してみたいと思っているのです」といったフォロンの言葉は、宇宙という未知の世界やまだ見ぬ未来への眼差しでもあります。
2005年、フォロンは71歳でこの世を去りました。愛すべきこの世界、そして人間という存在を探求し続けた人生でした。
以上、「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン展」についてご紹介しました。「AGENCE DE VOYAGES IMAGINAIRES(空想旅行エージェンシー)」と名乗っていたフォロン。彼が作品にうつした謎やメッセージをぜひ見つけに、名古屋市美術館に足を運んでみてはいかがでしょうか。
■「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン展」
会場:名古屋市美術館
名古屋市中区栄二丁目17番25号(芸術と科学の杜・白川公園内)
Tel. 052-212-0001
会期:2025年1月11日(土)~3月23日(日)
開館時間:午前9時30分から午後5時、金曜日は午後8時まで(いずれも入場は閉館30分前まで)
休館日:毎週月曜日
観覧料:当日 一般 1,800円
団体(20人以上)一般 1,600円
当日 高大生 1,000円
団体(20人以上)高大生 800円
中学生以下 無料
・障害のある方、難病患者の方は、手帳(ミライロID可)または受給者証の提示により本人と付添者2名まで、当日料金の半額でご覧いただけます。
・中学生および高大生の方は、当日美術館の受付で証明となるもの(学生証など)をご提示ください。
・名古屋市交通局発行の「ドニチエコきっぷ」「一日乗車券」「24時間券」を当日利用して来館された方は当日料金から100円割引
・「名古屋市美術館常設展定期観覧券」の提示で当日料金から200円割引
・いずれも他の割引との併用はできません。
・会期中は「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」の観覧券で常設展もご覧いただけます。
執筆者:遠藤友香
ものづくりを通して「暮らしを豊かにする」ことを目指す、大阪のクリエイティブユニット「graf(グラフ)」。この度、グラフはルイ・ヴィトンが運営するアートスペース「エスパス ルイ・ヴィトン大阪」にて 、子どもを対象としたコミュニケーションプログラム「Wonder! Espace Louis Vuitton Osaka(ワンダ ー エスパス)」をスタートします。
Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton, Paris
Photo credits: © Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton
エスパス ルイ・ヴィトン大阪は、パリにある芸術機関「フォンダシオン ルイ・ ヴィトン」の「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環として、同館の現代アートを中心とした所蔵作品を紹介しています。2015年のエスパス ルイ・ヴィトン東京における同プログラム始動に続けて、2021年にルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋5Fにオープンしました。
グラフようちえんとは、グラフが行うものづくりの視点から、こどもたちのこころを育むラーニングプログラムで、ワンダーエスパスはグラフようちえんとエスパス ルイ・ヴィトン大阪のコラボレーションによる子ども向け参加型プログラムです。
自分で考えたり、表現したりする体験を通して、こどもたちのこのような豊かなこころを育む機会をつくることを目指し、プログラム開発を行っています。日常にある身近な表現手法を通して、アートの楽しみ方を広げ、新しい発見や驚き、ワクワク感を引き出すことを目的としています。
講師に迎えるアーティストやクリエイターとともに、展示中の作品を参加者自らの体験として取り込んでもらえるよう、魔法をかけたような特別な時間を過ごして欲しいという想いが込められているとのこと。
第1回目は、現在「エスパス ルイ・ヴィトン大阪」で行われているドイツ人アーティストのウラ・フォン・ブランデンブルクの個展「CHORSINGSPIEL(コアージングシュピール)」にあわせたワークショップを展開します。
©️Akikoisobe
ゲスト講師として、アオイヤマダと高村月からなるポエトリーダンスユニット「アオイツキ」を招き、「ことばと踊る」をテーマに進められます。作品内のキーワードを身体の動きに変換し、展示空間内で作品を楽しむワークショップとなっています。
作家の制作手法から広がる新たな物語の中で、自由に身体を表現する楽しさを感じてみてはいかがでしょうか。
©️Akikoisobe
アオイツキ(ゲスト講師)
アオイヤマダと高村月が踊り語ります。自身の記憶の断片に凹凸を与え、身体と言葉のパフォーマンスへと昇華させることを試みています。ライブパフォーマンスやワークショップなどを行っているポエトリーダンスパフォーマンスユニットです。
土地や記憶から派生した高村月の脚本を元に、アオイヤマダが楽曲制作を行い、踊り語りシリーズ『ヒッチハイカー季節~冬~』、『文字の旅』、『居超』、『追憶特急チョコレート』などの作品を生み出しています。最近では、北アルプス国際芸術祭や宇多田ヒカルのライブ『SCIENCE FICTION』でパフォーマンスなどを行いました。
■Wonder! Espace Louis Vuitton Osaka vol.1 「ことばと踊る」
日時:2025年4月5日(土)10:00-11:40(受付開始 9:45-)※7-12歳対象
4月6日(日)10:00-11:40(受付開始 9:45-)※4-6歳対象
会場:エスパスルイ・ヴィトン大阪(大阪市中央区心斎橋筋2-8-16 ルイ・ヴィトンメゾン大阪御堂筋 5F)
対象:1日目(4月5日 ): 7-12歳
2 日目(4月6日 ): 4-6歳
定員:各回20名
参加費:無料
共催:エスパスルイ・ヴィトン大阪、graf
※申し込みは、すでに締め切っています。予めご了承ください。