提供:2025年日本国際博覧会協会
本年2022年6月2日(木)に開催された大阪府議会で、公明党の八重樫善幸議員が大阪府政策企画部川端隆史部長と大阪府山口信彦副知事に対して、大阪におけるアートを活用した成長戦略について質問を行いました。
これに対して川端部長は、「行政として、アートを大阪の成長にどのように活用していくことができるか、関係部局とも連携し、検討していきたい」と回答しました。
さらに八重樫議員は、「アートは、欧米を中心とする富裕層から、投資対象としても極めて高い関心がもたれていると聞く。ここ大阪に、世界的なアート市場をつくることができれば、世界からの注目を集めるハイエンド都市として、新たな価値を獲得、大阪への投資の呼び水ともなるのではないか。万博を機に、世界中から人やモノ、投資を呼び込み、『国際金融都市』をめざす大阪にとって、アートはまさに、成長戦略として取り組むべきものと考えるが、改めて、今年1月にグランフロント等で開幕した『Study:大阪関西国際芸術祭』をご覧になったという山口副知事の見解を問う」と述べました。
これに対して山口副知事は、「この2月、『Study:大阪関西国際芸術祭』を拝見。絵画や彫刻、工芸品など、様々なアート作品に魅了されると同時に、多くの人たちが、その場で展示されている作品を購入する姿を見させて頂いて、アートを『文化振興』の対象として捉えるだけでなく、ビジネスとして国内外の人々を惹きつける力や、投資を呼び込む力があることを認識。改めて、アートには文化という面で、都市格を上げる重要なツールであるとともに、ビジネスとして発展することで、都市の『成長』にもつながる可能性があるのではないかと強く感じたところ」と答弁。
さらに、万博を契機とするアートを活用した成長戦略の推進について、「2025年には大阪・関西万博が開催。大阪が持つ文化や芸術、とりわけ多彩なアートを世界に向けて発信するまたとないチャンスだと考えている。万博のインパクトを活かしながら、アートを大阪の成長に結び付けていくためには、まずは行政としてどのような取組みを進めていくことができるか、明らかにする必要がある。この4月に設置した成長戦略局を中心に関係部局とタッグを組んで、また、アートビジネスに関わる民間の協力も得て、大阪が持つポテンシャルや課題を分析するなど、取組みの方向性をしっかり検討していく」と、より具体的で踏み込んだ発言をしました。
その後、大阪維新の会の大橋一功議員が大阪府府民文化部江島芳孝部長に対して、万博を契機とした文化芸術の振興について質問を行ないました。
これに対して江島部長は、「今後、国とも連携を図りながら、『大阪・関西万博』を見据え、さらなる大阪の文化芸術の魅力発信にしっかりと取り組んでいく」と回答しました。
さらに、大橋一功議員は、「「芸術」を「大阪の成長戦略」と位置づけるとともに、「大阪・関西万博」に向け、国の予算も獲得し、大阪市をはじめ府内の市町村とも連携を図りながら、文化芸術の振興、発信に一層取り組んでいただきたい。」と念を押しました。
アートローグでは、「国際芸術都市大阪」の樹立を視野に、2025年大阪・関西万博を契機として、ソーシャルインパクトをテーマとした、世界最大級のアートフェスティバル「大阪関西国際芸術祭(仮)」の開催を目指し、2022年からそれらの実現可能性をスタディするためのプレイベント「Study:大阪関西国際芸術祭」を実施しています。
今回の一般質問においては、大阪府山口信彦副知事をはじめ、大阪府において万博を契機にアートを成長戦略として位置付ける方針が表明されました。今後、これらの方針が具体的にどのような政策として進められていくのか、引き続き注目していきたいと思います。
大阪府議会 議会中継 http://www.gikai-chukei.jp/
山梨県北杜市とHOKUTO ART PROGRAM実行委員会が主催となり、公益財団法人 清春芸術村、中村キース・へリング美術館、公益財団法人 平山郁夫シルクロード美術館、女神の森 セントラルガーデン、そして身曾岐神社において、「HOKUTO ART PROGRAM ed.1」が、2021年12月12日(日)まで開催中です。芸術と観光という二つの要素を多面化し、「時間をかけてここに来ていただくことの価値」を磨き続けることを目的としています。
前回の「HOKUTO ART PROGRAM ed.0」の「アート」、「建築」、「ライブ」、「食とお酒」、 「星空」という、これらの要素を一つに溶け合わせるコンセプトは変わらず、更なる観光資源の真価としての成長を目指すとのこと。
本展では、自然を活かした持続可能性、テクノロジー、サイエンス、バイオ、伝統的な日本の美を中心として、アートとは何かという問いをテーマに、アート、建築、映画、音楽、伝統文化、パフォーミングアーツなど、多様なジャンルのアーティスト・クリエイターが参加します。
中でも注目したいのが、清春芸術村の自然豊かな広大な敷地内で開催される作品群の展示。西には南アルプス、北には八ヶ岳が迫り、富士山も遠望できる清春芸術村は、1977年に創設者である吉井長三が、小林秀雄や谷口吉郎、白洲正子、東山魁夷夫妻らと桜の季節にこの地を訪れ、その美しさに魅せられたことから始まりました。
多数の名建築が集まっていることでも知られ、建築家の谷口吉生の設計で、武者小路実篤、志賀直哉など白樺派の作家たちが建設しようとしてその夢を果たせなかった〈幻の美術館〉を、武者小路、志賀の両氏を敬愛し、個人的にも親交のあった吉井が実現した「清春白樺美術館」や、安藤忠雄による設計で建てられた、人工照明ではなく、季節や時間とともに変化する自然光のみの「光の美術館」、また、建築史家の藤森照信による一本足の「茶室 徹」など、建築に携わっている方や建築好きにはたまらないスポットとなっています。
そんな清春芸術村の庭園には、重松象平、島田陽、谷尻誠(SUPPOSE DESIGN OFFICE)、永山祐子、長谷川豪、藤村龍至のモビリティをテーマとした、デザインの中にも実用性を兼ね備えた作品が点在しています。
例えば、谷尻の作品は「サウナ」で、「モバイル」という言葉を「可逆性」と「簡易性」という2つのキーワードから再解釈し、自然の中で循環する建築です。建築の構成には大地を構成させる「石」を使用しています。通常構造物を作る際に使われることが少ない蛇篭を用いて、サウナを制作。ワイヤーで石が吊ってあるなど、浮遊感を演出しています。こちらは実際にサウナとして機能し、中には薪ストーブやサウナストーンを設置。また、外には水風呂も用意されています。何でも、谷尻氏自身がサウナ好きのため、生まれた作品だといいます。
長谷川は、アウトドア用のテントは自然豊かな場所に設営するものであるにも関わらず、内部は閉鎖的で自然との関わりが薄いため、大地と近いテントならではの人間と自然の関係について考えたそうです。テントの中央部分には、草花が透明の筒に入れられており、人間と植物の共生を感じることができます。そこにあった自然と一晩だけ一緒に過ごすことができる、大地を切り取るテントです。
藤村は、伊東豊雄が1985年に発表した「東京遊牧少女の包」に立ち戻り、大都市のインテリアから超都市の里山に飛び出し、内向きに個に閉じる「包」から多様性を包むそれへと進化させる、現代の遊牧民のためのテントを考えたそうです。内側から膨らむように自立するフレームの外側を、立体裁断によって洋服のようにそのかたちを定められたテント生地が少しルーズに包むことで、半分閉ざし半分開いたクロープンな空間をつくり、寝るためではなく、過ごすためのテントを作りました。
また、光の美術館には、田所淳、長谷川愛、藤元翔平、HUMAN AWESOME ERRORの作品が展示されています。例えば、田所の作品は、4つの映像から構成されています。
その色彩と形態によるハーモニーは、協和的なものから不協和なものへと揺らぎながら、絶えず変化し続けます。それぞれの映像が、互いにその調和的な構造へ介入して、混沌の中からまた秩序が生まれてきます。田所は、前橋工科大学で教鞭をとっており、作品からアカデミックとアートの融合を感じることができます。
その他、谷口が設計したルオー礼拝堂では、世界的映画監督である河瀨直美による新作の撮り下ろし映像を初公開。沖縄・奄美大島のイメージで制作され、時間の流れの中でも、記憶は残っていくことを表現しています。
茶室 徹では、茶道宗徧流不審庵11世家元山田宗徧が、実際に茶室 徹でお茶を点てている映像作品《手なりの美しさ 先にお茶始めていてください》を観ることができたり、清春白樺美術館では、特別企画展として、写真家デヴィッド・ダグラス・ダンカンが、晩年のピカソと妻ジャクリーヌの生活をとらえた写真展 『人生で最もすばらしい癒し、それが愛なのだ』が開催されるなど、盛りだくさんの内容で、見応え十分。
清春芸術村の理事長で、本展の総合ディレクターである吉井仁実は「日本全国には様々な芸術祭があるが、本芸術祭は新たな取り組みとして、バイオ、サイエンス、テクノロジー、建築、映画など、様々な要素を盛り込んだ。これからの日本のスタディモデルとなるように作ったので、ぜひ楽しんでいただきたい」と語っています。
吉井仁実氏
感性を磨くため、自然豊かな山梨県北杜市を舞台にしたアートの祭典に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
開催概要
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■HOKUTO ART PROGRAM ed.1
会 場:清春芸術村 山梨県北杜市長坂町中丸2072
会 期:2021年10月30日(土)〜12月12日(日)
※清春芸術村 月曜日休館
10:00~ 17:00(入館は16:30までとなります)
料 金:一般(特別料金)2,000円 大・高校生1,000円 小・中学生無料障がい者手帳をお持ちの一般の方1000円
障がい者手帳をお持ちの学生の方入場無料
付き添いの方500円
<出展アーティスト>
●清春芸術村・庭園 — 重松象平/島田陽/谷尻誠 (SUPPOSE DESIGN OFFICE)/永山祐子/長谷川豪/藤村龍至
●安藤忠雄 光の美術館 — 田所淳/長谷川愛/藤元翔平/HUMAN AWESOME ERROR
●谷口吉生 ルオー礼拝堂 — 河瀨直美
●谷口吉生 清春白樺美術館 — パブロ・ピカソ/ デヴィッド・ダグラス・ダンカン
●白樺図書館 — 長場雄
●藤森照信 茶室徹 — 茶道宗徧流不審庵11世家元山田宗徧
1933年に「大礼記念京都美術館」として開館した「京都市京セラ美術館」。第二次世界大戦後には、「京都市美術館」として活動してきました。開館以来、85年余りの長きにわたって親しまれてきた本館は、今や現存する日本で最も古い公立美術館建築として知られています。2020年春、建築家・青木淳氏と西澤徹夫氏の設計でリニューアルオープンし、この度京都市京セラ美術館の開館1周年を記念して、「モダン建築の京都」展が2021年12月26日まで開催中です。
明治時代、東京への遷都を機に衰退した京都は、その後の復興を経て、教育や先端技術、文化、観光などにおける先駆的な都市として発展し、それらを象徴するように数々の名建築が生まれました。そして幸運なことに、震災や戦災の被害がほとんどなく、明治以降に建てられた洋風建築や近代和風建築、モダニズム建築など、いわゆる「モダン建築」の多くが現存しています。京都は「生きた建築博物館」と言っても過言ではありません。
本展は、京都を代表するモダン建築の一つ、京都市京セラ美術館を会場に、建築を通して京都を知る大規模建築展です。明治元年から1970年代初頭までに竣工した100の建築の中から厳選した36プロジェクトを、「古都の再生と近代」「様式の精華」「和と洋を紡ぐ」「ミッショナリー・アーキテクトの夢」「都市文化とモダン」「住まいとモダン・コミュニティ」「モダニズム建築の京都」といった7つのセクションに分けて、400以上の貴重な資料とともに紹介しています。展覧会初出展の重要文化財などの図面、写真、スケッチ、模型、家具、映像、言葉といった多様な資料が展示されており、建築に携わっている方や建築好きの方はもちろん、建築初心者の方も十分楽しめる内容になっています。
今回は、7つのテーマの中でもおすすめの3セクションをピックアップ! 早速、みていきましょう。
平安京の時代から千年、皇室をはじめ公家や諸侯らのお膝元として栄えてきた京都。明治に入ってからは、東京遷都によって一気に衰退し、官民が一致して復興に取り組みます。中でも推進力となったのは教育と殖産興業です。初めに紹介するのは、西洋の文化や技術を取り入れ、京都の再生を成し遂げた象徴的なプロジェクトです。
ここでは、第四回内国勧業博覧会と平安神宮、琵琶湖疏水と旧御所水道ポンプ室、京都市明倫尋常小学校(現・京都芸術センター)、島津製作所河原町旧本社(現・フォーチュンガーデン京都)が展示プロジェクトとなっています。
「モダニズム建築の京都」展示風景
「日本に建つべき建築とは」という問いは、日本が西洋建築を学び始めた明治初期から投げかけられていました。日本からアジア、ヨーロッパを捉え直し、時には中国や中東などの要素も混ぜ合わせることで、和と洋の隔たりを埋めようと試みました。こうした日本と多様な文化が折衷した建築は、京都にこそ相応しいのかもしれません。
このセクションでは、真宗信徒生命保険株式会社本館(現・本願寺伝道院)、京都大倉別邸(現・大雲院)祗園閣、京都市庁舎本館、聴竹居(旧藤井厚二自邸)、大礼記念京都美術館(現・京都市京セラ美術館)が展示プロジェクトです。
「モダニズム建築の京都」展示風景
意匠、設備、施工などの側面から合理的な建築を追求し、様式建築からの脱却を目指した戦前。国際的な潮流を受容し、それを進化/深化させた戦後。新しい時代の到来を予感させる名作から、モダニズムの美学を継承しつつ、環境や伝統文化を取り込み、風土に馴染む空間の創造に成功した傑作まで、未来へ遺したい建築が京都には存在します。
ここでは、京都中央電話局西陣分局舎(現・西陣産業創造會舘)、京都帝国大学(現・京都大学)楽友会館、旧本野精吾邸、鶴巻邸(現・栗原邸)、京都帝国大学(現・京都大学)花山天文台、同志社アーモスト館ゲストハウス、京都大学総合体育館、国立京都国際会館のプロジェクトが展示されています。
「モダニズム建築の京都」展示風景
本展では、建築を建築史、建築家の視点からだけではなく、その建物を取り巻く関係人脈、時代背景などからも考察して展示されています。美術館内での「展示鑑賞による知見」と、オフィシャルブック「モダン建築の京都100」や、人気声優によるまち歩き音声ガイドアプリ「モダン建築クロニクルKYOTO」もあわせて体験することで、「生きた建築博物館」としての京都の魅力を改めて実感することができるでしょう。また、HISによる特別ツアー「モダン建築の京都」や、大雲院 祇園閣や旧三井家下鴨別邸などの特別公開、レストラン&カフェとのコラボ企画、関連イベント「京都建築映像祭2021」の他にも様々な連携企画があり、盛りだくさんの内容で皆さんをお待ちしています。
ぜひ、会場に足を運んで、建築の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
開催概要
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■京都市京セラ美術館開館1周年記念展 モダン建築の京都
会 期:2021年9月25日(土)〜12月26日(日)
会 場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
時 間:10:00〜18:00
*最終入場は17:30
休 館:月曜日
料 金:一般1,900円(1700円)、大学専門学生1,400円(1200円)、高校生900円(700円)、小中学生400円(200円)
*( )内は前売・20名以上の団体料金(前売は本館公式オンラインチケットe-tixのみで販売)
URL: kyotocity-kyocera.museum
皆さんは、「能」と聞いてどんな印象を抱くでしょうか? 「難しそう」「敷居が高い」などのイメージがあり、実際に能を鑑賞したことがある方は、もしかしたらそれほど多くないかもしれません。そんな能を少しでも多くの方々に体験してもらうべく、室町時代より続く能楽の名⾨・宝⽣流と、写真家・瀬尾浩司氏とのコラボレーション企画「夜能『清経』×BEYOND PHOTO BY HIROSHI SEO」が、2021年11月26日(金)に宝⽣能楽堂にて開催されます。
本公演と写真展は、11月26日(金)の回の前に、9月24日(金)と10月29日(金)の2日間にも行われ、10月29日(金)の回を取材させていただきました。平家物語「清経」の悲恋の修羅の物語と、瀬尾氏の写真作品「BEYOND」が、物語の鍵となる「⽔」をテーマに繋がる特別共同企画展です。
「夜能」は、朗読と能楽による新しい形の能楽公演です。⼈気声優の語りと共に能「清経」が上演され、能楽を鑑賞したことのない方にも分かりやすく楽しめる内容となっています。「清経」の能は、能楽の大成者・世阿弥の傑作として受け継がれている作品です。ここで、あらすじに触れておきましょう。
平清経の家来・淡津三郎は、都に残った清経の妻に清経の⼊⽔のことを報告し、船に残されていた形⾒の⿊髪を⼿渡します。妻は形⾒を前に、悲しみが増すからと、遺髪を宇佐八幡宮に返納してしまいます。夢になりとも姿が⾒たいと嘆き悲しむと、清経の霊が在りし姿で現れます。再会を喜ぶものの、妻は再会の約束を果たさなかった夫を責め、夫は遺髪を返納してしまった妻の薄情を恨み、互いを恨んでは涙します。清経は⾃死して⾏く⾃分からせめて贈った形⾒への想いを述べ、⼊⽔までのいきさつを仕⽅話に語り、修羅道に落ちた苦しみを⾒せて去って⾏きます。恋の修羅と⾔われる異⾊の修羅能です。
本企画展のご案内をいただいた際、ある種の必然性を感じました。なぜなら、私の祖父は13代目春藤流能楽師で、その昔祖先は戦国武将・伊達政宗に能を披露していたから。私がまだ幼い頃に祖父が亡くなったので、能に関する話を直接聞けなかったことが大変悔やまれます。結局、誰も跡をつがなかったので、春藤流は消滅してしまい、幻の流派と呼ばれています。武士は能を教養として鑑賞していたと聞いたことがあり、宝生流第二十代宗家・宝生和英氏にうかがったところ「戦国時代は、戦地に行く前に心を落ち着かせたり、力を見せつける役割があった」のだとか。「江戸時代に入ってから教養の要素が強くなり、また方言の修正のために舞台を使った」と言います。
本企画展は瀬尾氏が能や茶道、華道など様々なジャンルの家元を撮影する「OIEMOTO」というプロジェクトを行った際に、宝生氏と出会ったのが始まり。その後、今年4月に開催された瀬尾氏の写真展「BEYOND-PHOTO BY HIROSHI SEO」に宝生氏が出向き、瀬尾氏の作品を観て、コラボの話を持ち掛けたことで実現したそうです。
(左から)写真家・瀬尾浩司氏、宝生流第二十代宗家・宝生和英氏
瀬尾氏は、日本を代表する写真家・植田正治氏に師事し、独立後は福山雅治氏などのアーティストのCDジャケットやファッション広告、雑誌など、第一線で活躍。
2020年3月に緊急事態宣言が発令され、人と会えなくなった。普段行っている広告の現場ではポートレートやモデルの撮影が止まってしまった。
そんな中、世の中では飲食店がデリバリーを始めるなど、皆新しいことにチャレンジしていて、写真家も変わらなくてはいけないと思った。
自分も今までの発想を変えて、人を撮れないならと風景写真を撮ろうと決意。カメラを持って、被写体を探しているうちに、とある水面に出会い、『BEYOND』が生まれた。
また、この機会に現代の能楽の基礎を築いたとされる世阿弥の道を辿るべく、世阿弥の流刑の地であり能楽堂が多く存在する佐渡島へも赴き、本展のために追加で撮影を行った。
コロナ禍で、これまでの写真の常識である印画紙へのプリントはいったん忘れて、やってないことをやってみようと思った。そこで、今回のアクリルやビニールに写真をプリントした作品が完成した
と瀬尾氏は語っています。
「BEYOND」は多くの知覚を私たちに与えてくれます。シュールレアリストや、印象派、ミロやダリ、セザンヌやクレー、ピカソなど、多くの巨匠たちも見つめていたこの水面の風景は、私達に知覚芸術の宇宙を再確認させてくれます。この無限的反復を、視覚における生と死と捉えた瀬尾氏は、「その中にこそ幽玄なるものが存在する」と語ります。幽玄とは、芸術領域における日本文化の基礎となる理念の一つ。趣が奥深くはかりしれないさまであり、能楽や禅・連歌・茶道・文芸・絵画・建築など、様々な芸術文化に影響を与え続けている言葉です。瀬尾氏が「BEYOND」で提示した、絵画ともグラフィティとも見えるイメージは、写真という瞬間をカットアウトする行為によって、死の先にある生や、生の先にある死を再確認させ、私たちに生と死を超えた無限的反復の瞬間を見せてくれます。本展のために、日本の能舞台の3分の1が集まる能の地・佐渡島にて撮影された新作の風景と、宝生流第二十代宗家・宝生和英氏による「清経」の写真を加え、展示しています。
宝生氏は今回の取り組みに対して次のように述べています。
瀬尾さんの「BEYOND」は、能楽に通じる部分がある。水面の写真は、蛍や星空、宇宙にも見えるし、一体何なのかゆとりのある作品。作品そのものに明確な答えやメッセージ性を持たないアンビエント・カルチャーの観点から見ても、能楽との結びつきを感じた。エントランスで「BEYOND」を観ることで、より夜能で表現する水の中を感じ取ることができる。能は約700年の歴史があり、伝統芸能を受け継いでいくために、イノベーションを忘れたことはない。観る側の立場を考えたり、楽しみ方を現代に落とし込んでいくのが大切だと思う。歌舞伎は、エンタメのように興奮するものだが、能は精神鎮静といったチルアウトの側面がある。能も「BEYOND」も、観る人によって感じ方が違うといった共通点がある
秋の夜、能と写真展が⼀つになった異⾊のコラボで、古代と現代のアートが重なる新しい世界に触れてみませんか。
開催概要
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■夜能「清経」×BEYOND PHOTO BY HIROSHI SEO
日 時:2021年11⽉26⽇(⾦)17:00開場~21:30閉場(18:30開演~21:00終演)
会 場:宝⽣能楽堂
料 金:〈指定席〉プレミアA 11,000円 プレミアB 8,800円
〈指定席〉指定席A 6,600円 指定席B 5,500円
〈⾃由席〉3,300円
URL:http://www.hosho.or.jp/3161/ (公益社団法人宝生会)
URL:https://nohlife.myshopify.com/pages/%E5%A4%9C%E8%83%BD (公演サイト)
*能の公演に関するお問い合わせ:
宝⽣会事務局(⽕曜日~⽇曜日:10:00~17:00)
Tel. 03-3811-4843
*写真展・取材に関するお問い合わせ:
POP UP GALLERY BEYOND
E-mail:info@vision-tokyo.net/担当 吉⽥
変化や災難がのっぴきならないかたちで全人類を呑み込む今、多くの人はそのことを「グレートリセット」という言葉で例える。その状況をある人は畏れ、ある人はチャンスとして踊り続け、また、たくさんの人々は呑み込まれないように日々を生きている。
変化や災難、COVIDパンデミック、シンギュラリティとAIの社会実装、一帯一路に代表される新たな経済圏の勃興と経済情勢の劇的変化と「分断」、地球環境とエネルギー、 民間の力での宇宙開発、AIの社会実装、そして人新生、わたしたちはこれまでとは違った世の中へといやが上にでも放り込む「グレートリセット」。それは「陰謀論」的な言説だけではなく、まさにそんな災禍に吞み込まれて中止となった2021年の世界経済フォーラム年次総会「ダボス会議」のテーマとして掲げられ、グローバルイシューにまで高まった強烈なキーワードとなっている。
はたして、わたしたちはこの「リセット」を前になすがままでいるのだろうか?
芸術家や作り手の中には、その後の地図を自らの手で、さまざまな人々とともにつくりだして、創造の旗をたてる才能たちがいる。
そんな、つくり手達による手づくり(しかし最先端)の未来へのクリエイティブな取組から、私達一人一人の道しるべとなる羅針盤を探す展覧会としてつくったのが『グレートリセット・スモールリブート』展である。
この小さいが、確実にわたしたちの未来にあかりを灯す創造を、本展から「スモールリブート」(身の丈からの再起動)と提唱し、展示を通じて実感できる場をつくることで、観た方にとってのこれからの糧になればというコンセプトがここにはある。
この展覧会ではテーマに基づいて、キュレーターである岡田が4つの「まなざし」をもとに作家を選び、展示を構成している。そのことで、「グレートリセット」の時代に生きるわたしたちの糧となる「アート思考」を涵養できるようにすることを狙っている。
ここでの「アート思考」とは、多くあるようなアートや作家のあり様を利用して価値を得るための研修的ツールではなく、作家そのものが起こす「スモールリブート」に触れることでそれぞれの方々がより、自らのこれからを築いていける多様な選択肢を得られる思考の涵養をいう。
アートから生まれる創造的な構想力が、物質とデータの両方がリアルになる時代の未来のわたしたちを指し示してくれる。宇宙にまで広がる私たちの生存世界の中で得る精神的やすらぎとは、AIと人間どちらにも心地よいランドスケープとは?
わたしたちの気持ちが安らかになる未来を考えるまなざしだ。
チームラボの「ミュージアム」には、平均3時間以上、人々が滞在するという。
来館者はそのなかで自らを開放し、アートの中の時間に浸る。
もうすぐ多くの私たちは、辞令として、宇宙に行かないといけない時代がやってくる。その時代では、地球から火星までは2年かかるという。月や火星には花鳥風月がなく、殺伐とした環境が広がっている。極限であっても、ペンギンなどの動物が「天然のアメニティ」を与えてくれる、南極どころではない世界。そこで私たちは、必ず10年近い日々を過ごさないといけないのだ。
そこで正気になるために耐えられる「アート」こそが、チームラボではないかと岡田はいう。それに対し、チームラボ代表の猪子寿之は、いつもそれを言うとかいかぶりすぎだと返すという。
そんなある日、今回の展覧会の出展について話していた際、猪子から「岡ちゃん(岡田)、2018年になんか没になってしまって、わかってくれないんだなあ…と思った原稿があるけど、それ、この話かもしれない」と、あるマニュフェストの原稿を渡された。
このパンデミック前に没になった原稿を読んで、なるほど、チームラボにはこういうことを期待しないで、気分良くなりたい人が多いのかと、と悟らされる内容だった。しかし、これこそが、チームラボからの「スモールリブート」へのマニュフェストなのだと感じたのであった。そして「マニュフェスト」は、作品ともに同展の会場にひとつの「スモールリブート」のトリガーとして掲げられた。
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チームラボとの将来への対話
~この問答は2018年に行なわれたものである。
(問い)2030年以降の世界はどのようになっていると思いますか?
(チームラボ)人々は、全てにおいて、意味のあることを求め出すだろう。
例えば「アイスランドの氷の大地の割れ目に流れ込む滝のように、自分の存在を超越した自然の営みが創る景色」、「300年かけて築き上げたハニ族の棚田」のように、自分の存在よりもはるかに長い時間の人々の営みが積み重なって形作られた場所、もしくは「アーティスト達が何らかの意味を見出し、人生をかけて形にしようとした作品群」そのような「意味のあるもの」へ、人々はより強く興味を持つようになるだろう。
一方、世界中で、国民国家を基盤としたローカルな人々と、グローバルに生きる、もしくはさらされる人々の間には、完全な分断が起こるだろう。
日本においてはローカルな人々が圧倒的メジャーであるために、クリエイティブで自由に生きようとする多く若者は、それとは「違う場」を基盤としていくだろう。
そしてローカルな人々の価値基準は、より純化される。
つまり、科学的な事実、世界の多様な試み、歴史上での人類の多様な生き方は、全て無視され、風土病のような頑な価値基準に純化される。そして、その価値基準からズレている人や、ミスを犯してしまった人を、魔女狩りのように徹底的に裁いていくだろう。
人々が住む都市や街には、滝も棚田もなく、AIにより、ますます暇になっているだろう。
ローカルな人々は、魔女狩りくらいしか意味を見出せず、持て余す時間を魔女狩りに使う。
少しでも他者への想像力があり、科学的な事実や、世界の多様性や、歴史を知るものは、完全な不感症になるか、森の中に住むしかない。
もしくは、アートの中に籠るだろう。
(問い)2030年以降の一般的な一日の過ごし方について説明してください?
(チームラボ)自らアートを創り、その中に籠るだろう。
(問い)シンギュラリティの世界において、どのようにすれば私たちは確実にこの技術の進化をより良い生き方のために活用できるでしょうか?
(チームラボ)もしかしたら、このシンギュラリティの「知性」とは、何かしら答えがある「問題に対する知性」かもしれない。
「知性」には、永遠と答えのない問題に対する「知性」というものがある。
(問い)2030年以降の未来の可能性を最大化するために、今の日本において何ができると考えますか?
(チームラボ)少しでも他者への想像力がある人、将来「違う場」を必要とする人に対して、アートを創り、皆にそこに籠ることを勧めよう。
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既にチームラボは、わたしたちが宇宙に行かされる前に、殺伐とした「グレートリセット」の滓のような時代の中で、同じく中世がそうであった中、人々が正気を得るため、教会や寺院、モスクにアートや装飾に包まれた清浄な空間を求めたような場を、世界中の都市につくり続けているようにみえる。
そのことを確認したく、「マニュフェスト」とともに、高精細の映像生成で究極に境界がなくなった四季と花鳥風月が広がるデジタル絵画、そして、世界中の隔離された家々で描いた花を投げあうことができる作品を展示している。
左よりチームラボの作品『フラワーズ ボミング ホーム』(インタラクティブ デジタル インスタレーション)、『生命は生命の力で生きているII』(映像・8K)
AIが自動運転する時代、それでも人間はそれを管理するという「運転」をドライバーはしなければならなくなる。これからは、人間とAI、両方にとって良好な環境のデザインが必要になるだろう。
建築デザイナーの韓亜由美は、道路空間にドライバーの運転意識を誘導することで、より快適にドライブでき、運転の安全性を高めるデザインを切りひらいた第一人者。AIだけを考えたデザインだと、新東名やアクアラインを代表に、韓が手掛けてきたドライバーのためのデザインは必要のないものになりかねない。人間のための道路デザインとは、AIの時代、無駄なものになるのだろうか?
今回、このような連続性からドライバーの意識に訴求する彼女が編み出した「シークエンスデザイン」の源流となる、速度感覚を試す没入型ビデオアート作品を四半世紀ぶりに滞在制作として復刻、改めてAI時代におけるドライバーや乗客にとっての移動環境のデザインを問い直す「スモールリブート」を行なった。この作品は、ドイツにあるメディアアートの古典ともういうべきセンターであるZKMの初期につくられ、展示されたもの。メディアアートからの思考が、土木の世界に新たなデザインをもたらしていたのだ。
韓亜由美『Sensorial Dynamics 知覚風景の力学2021』(没入映像)展示風景
ほか出展作家:岡田裕子
岡田裕子『エンゲージド・ボディ』(インスタレーション)
この「グレートリセット」の時代、わたしたちはどのように希望を見出すのか?
さまざまな「今」を受け止めることで、これからを「いろいろな向き」に魅せてくれる作家がいる。あたかも地から未来を憑依した、作家たちの作品から、わたしたちの日常の「スモールリブート」を起こしていく。
Twitter にしか存在していない『クマども』。
かわいいクマが殺伐とした日常を過ごすショートアニメーションは、毎週、その新作をTwitter上で公開する。そのアーカイブが作品集となり、何度もリツイートされ、ミームとして漂う。作家のアメは、そのクマどもの造形を同じくつくり、できたものを販売すると則売り切れとなる。インターネットで完結するこの『クマども』のセカイは、麻雀やストロング系ドリンク、寝そべりスマホに包まれ、殺伐とした日々のよすががある。COVIDパンデミックで宿り木となる飲食店がなくなり、新しい世代の路上飲みがアンロックされたようなよすがの「スモールリブート」の表象がそこにある。
アメ『クマども』(インスタレーション・映像・立体・絵画)展示風景
ほか出展作家:キュンチョメ
キュンチョメ『壁を変えた話』(映像)展示風景
アーティストによる創作が、これからのライフスタイルやエンタメを創るプロダクトやそのイノベーションのためのヒントになっている。ここでは、このような日本から「未来をつくった創造」の数々を展示、あなたの「アート思考」にヒントを与えてくれる。
『nubot』はやすぎたスモールリブート。
10年前の東日本大震災の直後、多くの人がさまざまな場所に「避難」した。その中のひとつのアーティストが、東京との間で仕事を続けるためにつくったロボット、それがnubot。ハンドメイドのぬいぐるみの顔の部分にスマートフォンを装着、ダイヤルトーンで身振り手振り動かすことができるリアルなアバターは、遠隔会議だけでなく、離れた家族との会話、会えない近しい人とのコミュニケーションを大いに盛り上げたという。このコミュニケーション力に着目し、nubotを引き受けた林智彦さんは大手広告代理店を辞めnuuoを創業、2013年まだ日本では知られていなかった米国テキサスで開催されるスタートアップの巨大カンファレンス SXSW に乗り込み、日本人で初のインタラクティブビジネスの優秀スタートアップに選ばれ、シリコンバレーで創業した。クラウドファンディングも創世記のこの時代、全てがはやすぎ、結果として nubot は時代の狭間に埋没してしまった。スマートフォンが肉体の一部のような存在となり、その上、パンデミックの今こそ、多くの人が意味を感じられたこのロボットに改めての「スモールリブート」を込めて展示している。
nuuo『nubot』(ロボット)展示風景
ほか出展作家: EXCALIBUR、galcid、Jason Scuderi (lasergun factory)、Minoru Fujimoto、marimosphere、Whatever Inc.
「未来をつくった創造」NFT作品展示風景
今とは違う文明の姿も、もしかしたら、あったかもしれない。
そういう存在をあるひとは「オーパーツ」などといって、不思議がり、あくなく好奇心をかきたててきた。このような、もしかしたら、別の文明があったなら、もしくは、別の文明になってしまったら?という謎かけをしてくれるアーティストの作品を展示した。私たちのとっての視覚芸術の歴史が、日本の伝統文化が、作品を通じて揺るがされるようです。
最も若い数寄屋職人でもある建築家の佐野文彦は、その若い感性で世界中からひっぱりだこ。そんな佐野は、京都から巨石が巨木を港区の高層ビルだけでなく、ドバイや中国にまで持っていき、伝統に裏打ちされた和の空間をつくりだしている。世界のどんな場所にでも塊を持っていく、その運ぶ際の仕組み、一見不安定そうだが、安定し、存在感を放つ石や巨木に「もの」の力を感じるという。
巨額の資本がデータとして飛び交い、富豪であってもその巨万が質量のない数字の羅列である「グレートリセット」のゲームプレーヤーたち、しかし、その欲望は重い質量を持つ自然物であることは変わらない。「文化を尊ぶ」人間の本質を表象する、伝統からのもうひとつの見立てに感じられる。
佐野文彦『物質 均衡』(伝統アプローチのインスタレーション)展示風景
ほか出展作家:後藤映則
後藤映則『Rediscovery of anima』(映像装置インスタレーション)展示風景
圧倒的な「グレートリセット」にあって、わたしたちにはたくさんの「スモールリブート」の方法がある。そして、この展覧会も作家にとっての「スモールリブート」となりはめているようだ。時代精神の表象と、そして創造の場から、これら数多の「スモールリブート」のバタフライエフェクトがどうなるのか、期待してやまない。
開催概要
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■『グレートリセット・スモールリブート ~その後をつくる創造力』展
会 期:2021年10月29日(金)~11月14日(日)
会 場:BankART Station
時 間:11:00~19:00
*10月29日(金)のみ13:00から
*金曜日は20:00まで
*いずれも入場は閉館30分前まで
休 館:会期中無休
料金:900円(中学生以下無料)
URL: http://reboot2021.creativecluster.jp/
筆者・本展キュレーター:岡田 智博
一般社団法人クリエイティブクラスター代表理事
テクノロジーアートが一般的に定着する前から、その萌芽に着目、2005年以降、先端的表現を世間と共有する企画展を独自企画で開催してきた。こんな時代だからしなければと、主催としては10年ぶりの開催。
南は石垣島から北は北海道、海外は台湾や東欧セルビア等各地で、新しい表現の社会実装に平素は取り組んでいる。また、2021年より東京藝術大学で教養教育の充実化をコーディネーターとして担当している。
クリエイティブクラスター= http://creativecluster.jp/
1984年8月に、滋賀県内唯一の公立美術館として開館した「滋賀県立近代美術館」。改修工事のため、2017年4月からの約4年間の休館を経て、2021年6月、名称を新たに「滋賀県立美術館」としてリニューアルオープンしました。
滋賀県立美術館館長でありディレクターの保坂健二朗氏が掲げる「リビングルームのような美術館」というコンセプト通り、公園の中にあるため親子連れが多く、小さなお子さんがいるご家庭に嬉しいキッズスペースを完備しています。ウェルカムゾーンと名付けられたエントランスロビーには休憩スペースがあり、飲食可能で持ち込みもOKなので、気負いなく美術館に足を運べます。また、株式会社 木の家専門店 谷口工務店の寄附によって、2022年3月27日(日)まで、毎週日曜日の常設展示観覧が無料になるとのこと。ぜひ、この機会に訪れてみたいものです。
そんな滋賀県立美術館のリニューアルオープンを記念して、2021年11月14日(日)まで「ボイスオーバー 回って遊ぶ声」展が開催中です。これは、本館が所蔵する作品約1800件から選りすぐりの作品を中心とする167件を、ジャンルや年代の別なく紹介するもの。出品作家として、イケムラレイコ、アンディ・ウォーホル、小倉遊亀、河原温、草間彌生、志村ふくみ、白髪一雄、アンリ・マティス、冨田渓仙、マーク・ロスコなど、見応え十分。回廊によっていくつもの展示室が繋がれているこの美術館全体を使って開催する、回遊式の展覧会です。
本展では「作品をよく観ることは、作品の「声」を聞くことと似ている」としています。その声に耳を澄ますと、思いもよらない作品同士の繋がりが聞こえてくるかもしれません。例えば、日付が淡々と描かれた絵画と、とげのある生き物のような陶の作品。室町時代の近江の風景と、オセアニアの楽園。このように、これまで本館で同じ部屋で展示されることがほとんどなかった、日本画、郷土美術、現代美術、アール・ブリュットといった4分野のコレクションを「声」を聞くことで結んでいます。さらに、本展には3組のゲストアーティスト、田村友一郎、中尾美園、建築家ユニットのドットアーキテクツも参加。彼らは、声の聞き方はそれぞれであることを軽やかに示しています。
本展覧会のタイトル「ボイスオーバー」とは、映画などの画面に現れない話者の声を、あるいは元の音声言語に翻訳したもう一つの音声を重ねるナレーションの手法を指す言葉です。こうした声の重ね方は、作品を長く保存し展示する過程で、少しずつ新しい意味を見つけて加えていく、美術館の役割そのものともリンクします。「美術館とは、作品とそれを観る私たちの声が交わり、調和するのではなく、むしろ鳴り響く場所だ」という考えが本展の根底にあります。
次に、展覧会の中身をみていきましょう!
本展は、「第1章 美術館の産声―小倉遊亀と滋賀県立近代美術館」、「第2章 いくつもの風景」、「第3章 日々つくる」、「第4章 自分だけの世界」、「第5章 交差する線」、「第6章 見えるものの先に」といった6つのテーマと、ゲストアーティストの田村友一郎、中尾美園、ドットアーキテクツの作品群から構成されます。今回は、中でもおすすめのセクションを5つご紹介します。
1979年、滋賀県に新しい美術館を建てようという計画が県教育委員会で話し合われました。同年2月に滋賀県文化賞を受賞した大津出身の画家・小倉遊亀は、自身が手元に残していた作品を新しい美術館のために寄贈したいと申し出ます。そして1980年、22件の作品が滋賀県に無事寄贈され、これが滋賀県立近代美術館の出発点となりました。新しい美術館に向けて遊亀は、「私の分身である作品が、ふるさとの美術館に飾ってもらえるのは幸せです。煌びやかでなくてもいい。訪れて楽しい美術館になることを祈っています」と語りました。本展は、美術館の産声とも言えるこの22件の作品から始まります。
また、遊亀の自画像《画人像》と、「第2章 いくつもの風景」の展示室の対面に、遊亀の師匠である安田靫彦の作品《飛鳥の春の額田王》が飾ってあり、学芸員のちょっとした遊び心が感じられます。その点にもぜひ注目してみてください。
「最も個人的なことが、最も創造的である」―ある映画監督が残したとされる言葉です。この言葉はもちろん造形美術の世界にも当てはまるでしょう。理想の家族のあり方を赤鉛筆で書き続けた小幡正雄。ニューヨークの街や、様々な印刷物から拾い集めたイメージの断片を、小さな箱の中に閉じ込めて宇宙を作りだしたジョセフ・コーネル。加納光於の抽象的なイメージ群は、現れては消えていく彼の幻影を捉えています。絡みつく不思議な生き物をもろともせず、「わたし」の内なる声を聞き、対話を続けるイケムラレイコや、湧き出る物語世界を気の遠くなるような線で刻んだ坂上チユキ。作品たちは、わたしたちの中にある密やかで大切な世界を、様々なかたちで肯定してくれるようです。
作品は目に見える以上の何かを伝えます。対象を執拗なまでに観察し、皮膚の奥の深部までをも炙りださんとする速水御舟の眼は、私たちを驚嘆させるほどの迫力に満ちています。登山を好んだ山元春挙は、雄大な山々、轟々と流れる滝の姿を、北方ロマン主義にも通じる崇高さとともに捉えます。見えない世界を描くという試みは、ユダヤ人としてのアイデンティティや信仰心を、強い求心性のある抽象絵画に託したマーク・ロスコと、色価や屈折率の異なる黒色をくみ合わせ、十字架を浮かびあがらせるアド・ラインハートの作品にも顕著です。比叡山延暦寺で修行した白髪一雄の作品には、密教の教えが横たわります。その観点から、本展では白髪の《不動尊》と、同寺が管理する重要文化財《不動明王二童子立像》(玉蓮院蔵)を、同じ空間で展示。時空を超えた両者の対話を、ぜひ感じ取ってください。
■田村友一郎/アンディ・ウォーホル
緻密かつ大胆なサーチを軸に、重層的な景色を立ち上げていく田村友一郎(1977年生まれ)は、今回20世紀を代表する作家、アンディ・ウォーホルの代表作《マリリン》と《電気椅子》に着目しました。ウォーホルが「僕がやってきた芸術は、全部死だったって気づいたんだよ」と語るように、この二つ作品はそれぞれ、女優マリリン・モンローと電気椅子による処刑制度を契機に制作されたものです。田村は両作品のイメージそのもの、つまりマリリンと電気椅子自体から様々な因果関係を見出しました。その一つ、アメリカ合衆国とカナダの国境をまたぐ「ナイアガラの滝」を起点として、《マリリン》と《電気椅子》が時間軸を超えて交錯します。
休憩スペース「ソファのある部屋」には、人を癒やす「電気椅子」であるマッサージチェアが置いてあります。実際に使用できるので、ぜひ座ってみて、マッサージチェアを起動させてみてください。
■中尾美園/小倉遊亀
「うつす」行為を通じ、消えゆくものの価値に光を当てる中尾美園(1980年生まれ)。中尾が今回向き合うのは、本館設立のきっかけとなった画家・小倉遊亀です。本館に関する作品や作家、関係資料を丁寧に調査していった中尾は、ホテル火災によって消失した《裸婦》(1954年、1964年焼失)という作品の存在を知ります。本作は本館の所蔵品ではありませんが、戦後に遊亀が取り組んだ日本画による大胆な女性表現の展開を考察するうえで、欠かすことのできない作品です。作家であり、同時に保存修復を学んだバックグラウンドを持つ中尾は、絵筆で《裸婦》に向き合うことで、失われた作品の声を拾い上げていきます。調査の際に発見された、遊亀の《「裸婦」大下絵》も合わせて展示されています。
「本展が、皆さんと作品の「声」とが重なる、豊かな雑踏となりますように」と、本展を担当した学芸員の渡辺亜由美氏は述べています。また、保坂健二朗館長は「美術館が全館を使ってコレクションに基づいた展覧会を開催するとき、複数のキュレーターからなるチームを組むのが普通かもしれません。しかし、今回は一人のキュレーターが担当しています。それは、ライブでのコール&レスポンスがそうであるように、呼びかけの声をはっきりさせたほうが、皆様からの声も(たとえ小さな声であれ)出しやすくなるのではないかと期待したからです。ぜひ、叱咤激励含めて、様々な声を、つぶやきを、いろんな空間に向けて響かせてください」と語っています。
ぜひ、会場に足を運んで、それぞれの作品が発する声を感じ取って、自身の内側から湧き上がる声とともに、作品の世界観を楽しんでみてはいかがでしょうか。
■滋賀県立美術館
時 間:9:30~17:00
*入館は16:30まで
休 館:月曜日
*祝日の場合は開館し、翌日が休館
料 金:一般/1200円(団体1000円)
高校・大学生/800円(団体600円)
小学生・中学生600円(団体450円)
*身体障害者手帳等をお持ちの方は無料
URL:https://www.shigamuseum.jp/
2022 グランプリ受賞展 展示風景 ユ・ソラ《私たちの住んでいる家》, 推薦人:原 真一(東京藝術大学 美術学部 彫刻科 教授), photo Kohei Matsumura
「くらしを楽しく、美しく。」を理念に、キッチンをはじめとした住宅設備機器・建築資材を開発・販売するサンワカンパニーは、現代アートの分野で活躍する新進気鋭のアーティストをサポートしています。
「sanwacompany Art Award / Art in The House 2023」では、より良いLIFEスタイル「アートのあるくらし」を提案する作品展示プランを公募します。
今回は平面作品のプランを募集します。絵画や写真に限らず壁面内で展開されるインスタレーション等のプランも歓迎します。受賞作品は外苑前駅すぐのサンワカンパニー東京ショールーム内に展示されます。
より良いLIFEスタイルを想起出来るような作品展示プランをお待ちしています。
選考にはアート、ビジネスなど、様々な分野で活躍する方々を審査員にお招きしています。グランプリ受賞者には賞金の授与やサンワカンパニー東京ショールームでの作品展示のほか、アートメディア「ARTLOGUE」での紹介記事掲載の副賞が与えられます。
スケジュール
2022年12月11日 作品プラン募集締切
2022年12月中旬 審査会、グランプリ及び入選者決定(予定)
2022年12月23日までに 結果通知
2022年12月25日頃 面談と具体的な展示プランの打ち合わせ
--作品制作期間--
2023年1月20日~ ショールームでの展示
2023年3月26日 作品撤去
※新型コロナウイルスの状況等で、やむを得ず変更する場合があります。
概要
sanwacompany Art Award
Art in The House 2023
主催:株式会社サンワカンパニー
運営協力:株式会社アートローグ
展示場所:サンワカンパニー東京ショールーム(東京都港区南青山2-27-25ヒューリック南青山ビル7F)
展示作品:1プラン(平面による構成)
※ファイナリストの作品は東京ショールーム内に展示
展示期間:2023年1月20日~3月26日(予定)
応募締切:2022年12月11日(日)23:59迄必着 ※持ち込み・郵送不可
審査委員:
高橋隆史(株式会社ブレインパッド代表取締役社長)
德山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター)
服部今日子(フィリップスオークショニアズ 日本代表・ディレクター)
山根太郎(株式会社サンワカンパニー 代表取締役社長)
鈴木大輔(株式会社アートローグ 代表取締役CEO)
受賞者:
1,グランプリ1名
・賞金100万円(企画・制作費、素材費、設営・撤去費、旅費を含む)
・応募プランに基づく作品をショールーム内で展示していただきます。
・アーティストトークやワークショップを行っていただく場合があります
・展示作品に関連した小作品(リサイズあるいは再構成した作品)を制作、寄贈いただきます
2,サンワカンパニー社長特別賞
・賞金15万円
・過去作品をショールーム内に展示していただきます。
3,ファイナリスト入選数名
・賞金5万円
・過去作品をショールーム内に作品展示していただきます。
4,共通
・希望者は展示作品のQRコードによる販売が可能
・「ARTLOGUE」での受賞者紹介記事掲載
募集要項
募集対象:
「sanwacompany Art Award / Art in The House 2023」では、サンワカンパニー東京ショールームに展示する作品プランを募集します。
会場となるサンワカンパニー東京ショールームは、家づくりの楽しさをより一層高めるスタイリッシュな空間です。
募集内容:
・サンワカンパニー東京ショールーム内に仮設する壁面に展示する作品プラン。
・壁面内で展開される平面作品(素材や技法は問いません)。
・未発表作に限る(ただし旧作も含めた新しい展示プランは可)。
・不快な匂い、過度の音・光を放つ作品などは禁止。
展示空間:
・サンワカンパニー東京ショールーム内に仮設する壁面
(壁面サイズ幅6,300×高さ2,400mm白経師貼り仕上げ、直線状に設置、耐荷重60kg)
・壁面近くのショールーム展示品や家具は移動できません。
・壁面以外を吊り元にすることはできません。
・映像作品の場合はモニター可(プロジェクターは不可)。再生機等は応募者が準備すること。
「sanwacompany Art Award / Art in The House 2023」に関するお問い合わせ先:
infoアットartlogue.org (アットを@に変えてください。)
サンワカンパニー東京ショールーム
仮設壁設置のイメージ
応募資格:
現代アートの分野で活動するアーティストであり、日本国内に在住の方
※国籍・経歴・性別・年齢など不問
※日本語でのコミュニケーションに支障のない方
※学生も可
応募プラン数:
1人(1組)1作品 ※日本語で提出すること
推薦状:
募集に際して推薦人の推薦状が必要です。※日本語で提出すること
推薦人の条件:以下のいずれかを満たすこと
・学芸員、キュレーター、文化芸術関連施設従事者
・アートマネージャー、アートコーディネーター、アートプロデューサー
・ギャラリスト
・批評家、アートジャーナリスト、アートライター
・大学教員(文化芸術関連)
・アーティスト(美術館相当での個展経験者)
・コレクター(年間50万円以上の作品購入実績)
・その他アート業界で顕著な実績を持つ方
審査基準:
・サンワカンパニーのショールームに来られたお客様が、「アートのあるくらし」によってより良いLIFEスタイルになるとイメージできること。
・サンワカンパニーのデザインコンセプト「ミニマリズム」を体現するシンプルで洗練された商品のある空間にも調和できる作品(作品がシンプルである必要はありません)。
・実現可能性があること。
応募について
応募締切:2022年12月11日(日)23:59迄必着
※持ち込み・郵送不可
以下の応募フォームに必要事項を記入の上、送信ください。応募の際に推薦状を含む提出書類が必要です。提出書類はGoogledrive、ギガファイル便などのサービスをご利用いただき、発行URLを応募フォームにご記入ください。郵送や持ち込みでのご応募は受付いたしかねますのでご了承ください。
応募フォーム:https://forms.gle/oZDGc2syFW93bWjTA
提出書類
・所定の推薦状(所定の書式)
・プロフィール(任意の書式):A4サイズ片面1枚
・ポートフォリオ(任意の書式):A4サイズ片面3枚以内(過去の作品や展示風景の様子がわかる写真や画像のあるもの)
・作品展示プラン(所定の書式):A4サイズ片面2枚以内
-作品タイトル、コンセプト
-展示方法、素材、サイズ、制作スケジュールなど具体的なプラン
-完成イメージがなるべく明確に伝わるよう、ドローイングや写真、グラフィック画像などでわかりやすく表現してください
推薦状・作品展示プラン(所定の書式)はこちらよりダウンロードをお願いします。
※上記の提出書類以外の資料は不要です。
※提出書類の返却はいたしかねます。
※作品制作および展示方法等について、主催者と協議の上、調整させていただく場合があります。
選考結果
2022年12月中旬にグランプリ受賞者、ファイナリスト含む各賞入選者にその旨ご連絡します。その後面接を経てグランプリ受賞者を最終決定します。サンワカンパニー及びARTLOGUEのFacebook、Twitter、メルマガなどでも、各種受賞者を発表します。
審査結果・審査基準に関するお問い合わせにはお応えいたしかねますので、ご了承ください。
過去のグランプリ
2022グランプリ:ユ・ソラ 《私たちの住んでいる家》
推薦人:原 真一(東京藝術大学美術学部彫刻科教授)
2021グランプリ:手嶋勇気(テジマユウキ) 《Convertible painting》
推薦人:今井みはる氏(アートギャラリーミヤウチ学芸員)
2020グランプリ:角 文平(カド・ブンペイ)《壁庭(かべにわ)》
推薦人:庄司秀行氏(アートフロントギャラリーギャラリーマネージャー)
2019グランプリ:顧 剣亨(コケンリョウ)《Inbetweening》
推薦人:椿 昇氏(京都造形芸術大学美術工芸学科教授・学科長)
左:NIIZAWA 純米大吟醸 2022 日比野克彦 右:NIIZAWA KIZASHI 純米大吟醸 2022 大宮エリー
株式会社アートローグと株式会社 新澤醸造店が共に企画する、7%まで精米した世界最高級の日本酒 「NIIZAWA」と「NIIZAWA KIZASHI」の2022年版の発売が10月18日(火)から開始しました。今年のラベルアーティストは日比野克彦氏と大宮エリー氏です。
NIIIZAWA2022, NIIZAWAKIZASHI2022のご購入について
ともに数量限定販売となっております。オフィシャルサイトにある「取り扱い店」へ直接お問い合わせいただきご購入ください。
販売:NIIZAWASAKESTORE
NIIZAWA2022について
GRANDPRIZE 日比野克彦
ラベル作品:2016BRAZIL 2016年
NIIZAWA 純米大吟醸 2022 日比野克彦
「NIIZAWA純米大吟醸2022日比野克彦」66,000円(税別)
内容量:720ml(化粧箱入り)
使用米:宮城県産特別契約栽培米「蔵の華」100%
精米歩合:7%(350時間)
アルコール度数:16度
酵母:自社酵母
酒質:日本酒度/±0酸度/1.5アミノ酸/0.9
『世界一の精米”をお届けする』という指針からスタートした7%精米シリーズの最高峰に位置するお酒です。高度精米は、麹の製造が極端に難しくなり、麹由来の旨味を引き出しにくくなる傾向がありますが、NIIZAWAは、その麹由来の旨味を豊富に引き出すことに成功した、技術溢れる1本となっています。米の甘みをダイレクトに感じることができ、余韻が長く、じっくりとお楽しみいただけます。冷蔵庫で保管することにより、綺麗に熟成していきます。お食事は選びません。大きなグラス・淵の薄いグラス(ブルゴーニュグラス等)でお飲みいただければ、一層美味しくいただけます。
作家プロフィール
1958年岐阜県生まれ。1982年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。
1984年東京藝術大学大学院修了。1982年日本グラフィック展大賞受賞。
1986年シドニービエンナーレ参加。1995年ベネチアビエンナーレ日本館作家。
1999年毎日デザイン賞受賞。2015年芸術選奨芸術振興部門文部科学大臣賞受賞。
2003〜「明後日新聞社文化事業部/明後日朝顔プロジェクト」。
2010〜「瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト」。
2014年より、人との差異を個性と捉えるアートの価値観を多様性社会実現の基盤とするアートプロジェクト「TURN」を監修。
現在、東京藝術大学長、岐阜県美術館長、熊本市現代美術館長、日本サッカー協会社会貢献委員会委員長。
NIIZAWAKIZASHI2022について
KIZASHIPRIZE 大宮エリー
ラベル作品:フォーチュンフラワーズ 2017年
NIIZAWAKIZASHI純米大吟醸2022大宮エリー
「NIIZAWAKIZASHI純米大吟醸2022大宮エリー」44,000円(税別)
内容量:720ml(化粧箱)
使用米:宮城県産特別契約栽培米「蔵の華」100%
精米歩合:7%(350時間)
アルコール度数:16度
酵母:自社酵母
酒質:日本酒度/±0酸度/1.4アミノ酸/1.0
『”世界一の精米”をお届けする』という指針からスタートした7%精米シリーズの最高峰に位置するお酒です。高度精米は、麹の製造が極端に難しくなり、麹由来の旨味を引き出しにくくなる傾向がありますがNIIZAWAKIZASHIは、その麹由来の旨味を豊富に引き出すことに成功した、技術溢れる1本となっています。糖度は「NIIZAWA」よりやや低めに設定しており、繊細な甘みと若さ感じる酒質です。冷蔵庫で保管することにより、綺麗に熟成していきます。お食事は選びません。大きなグラス・淵の薄いグラス(ブルゴーニュグラス等)でお飲みいただければ、一層美味しくいただけます。
作家プロフィール
1975年大阪生まれ、東京大学薬学部卒業。
作家業、舞台の作演出、ドラマ・映画監督、映像制作、ラジオのパーソナリティと様々なジャンルの活動を行う。
2012年からは観客にイメージや言葉を伝え、来場者が参加して作品が完成するという体験型の展覧会を始める。「思いを伝えるということ展」(PARCOMUSEUMほか、2012–13年)、「生きているということ展」(PARCOMUSEUM、2013年)、「星空からのメッセージ展」(三菱地所アルティアムほか、2013–14年)と個展を開催し、大きな話題を呼ぶ。
絵画制作に関しては、2012年東京都国立博物館の法隆寺宝物館にてモンブラン国際文化賞受賞の福武總一郎氏へのお祝いとして、急遽ライブペインティングを依頼されたことから始まる。人生で初めて人前で描いた絵は「お祝いの調べ”直島”」(現在、福武氏蔵)。そんな驚くべき制作のスタートにおいて、デビュー作品は大好評を得た。
2015年「emotionaljourney」(代官山ヒルサイドテラス、東京)、「paintingdreams」(渋谷ヒカリエ8/CUBE、東京)、2016年には美術館での初の個展「シンシアリー・ユアーズー親愛なるあなたの大宮エリーより」(十和田市現代美術館、青森)を開催し、同時に街の商店街にも作品を展開。十和田市の水力発電所の壁画も手がける。
2017年個展「Thisisforestspeaking~もしもしこちら森です」(金津創作の森、福井)。
2018年には「六甲ミーツ・アート芸術散歩2018」に参加し、「とある未亡人の館」を制作、展示。その作品は2019年代官山ヒルサイドテラスヒルサイドフォーラムでの「BeautifulDays~美しき日々」にて、新たに制作された大きなインスタレーション作品「ある日のピクニック」と共に発表された。
2019年2月には、美術出版社から絵と文章で構成された「虹のくじら」を出版、3月には海外のギャラリーでの初個展「AWonderfulForest」(TICOLATTAMURA、香港)を開催。制作活動の初期から大きな飛躍を遂げた。また、この年は、奄美のこども図書館の壁画制作や、建築家の妹島和世氏による犬島の家プロジェクトでの壁画制作など、パブリックアートも多く行う。
2022年にはロンドンにて「Loungingaround」(ギャラリーブラキア)を開催。瀬戸内国際芸術祭にも出展作家として参加し、犬島に立体作品「フラワーフェアリーダンサーズ」「光と内省のフラワーベンチ」を発表。
NIIZAWAPrizebyARTLOGUEとは
今回発売する日本酒は、株式会社新澤醸造店が世界一の精米歩合7%にまで米を削り、醸造から出荷までを徹底管理して仕込み上げた”究極の食中酒”「NIIZAWA」と「NIIZAWAKIZASHI」です。これらの日本酒のラベルデザインには、デザインアワードである「NIIZAWAPrizebyARTLOGUE」から選ばれたアーティストの作品を採用しています。本アワードの選定委員長は南條史生森美術館特別顧問が務め、世界トップレベルのアーティストに大賞を、そして新進気鋭のアーティストには兆し賞を贈呈し、その年の二種類の日本酒のラベルデザインに採用しています。
NIIZAWAPrizebyARTLOGUEの背景
この日本酒とアートのコラボレーションの始まりは、2014年の新澤醸造店の代表取締役兼杜氏新澤巖夫氏と、アートローグの代表である鈴木大輔氏との出会いに遡ります。食事の場で豊かなコミュニケーションを促進し人と人の繋がりを育むお酒と、思慮深い想像力と未来へ新たな道を切り開く創造力を養うアート。この粋を極めた両者が組み日本文化を世界に発信していこうと意気投合したことで2018年からスタートしたプロジェクトです。現在、「NIIZAWAPrizebyARTLOGUE」のプロジェクト下に、最高の蔵元と芸術家が出会うことで、優れた現代アーティストの顕彰による文化芸術の振興と、日本酒という日本の伝統的な文化遺産の価値を世界に発信するユニークな取り組みとして注目を集めています。
ラベルデザインに施された上質なアートに思いを馳せながら、世界最高峰の日本酒の奥深い香りと味わいをお楽しみください。
※「NIIZAWA」と「NIIZAWAKIZASHI」の売上の一部は、文化芸術の振興に寄与する活動に使わせて頂いています。
概要
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販売価格:
「NIIZAWA純米大吟醸2022日比野克彦」66,000円(税別)
「NIIZAWAKIZASHI純米大吟醸2022大宮エリー」44,000円(税別)
発売開始 :2022年10月18日(火)
販売サイト:http://www.niizawa-sake.jp/
主催 :株式会社アートローグ、株式会社 新澤醸造店
問合せ先
株式会社アートローグ
担当:湖山(こやま)
TEL:06-6467-8656(FAX:02-4665-9667)
MAIL:info@artlogue.org
2022年10月7日(金)、国際芸術祭「あいち2022」(会期:2022年7月30日~10月10日)の会場でもある愛知芸術文化センターの12階アートスペースEFにて、同芸術祭の組織委員会会長を務める大林剛郎氏をゲストに招き、EXPO PLL Talks「アート & インパクト:イノベーターと共に考えるアフター万博の世界」vol.2を開催します。
「EXPO PLL Talks」は、大阪・関西万博が掲げる「People’s Living Lab(PLL、未来社会の実験場)」のコンセプトのもと、会期前から、多様な実践者や有識者が、それぞれの立場からテーマに関する取り組みを国内外へ発信し、万博を共に創り上げていく場として開催するオンライントークイベント。
「TEAM EXPO 2025」プログラム/共創チャレンジで大阪・関西万博が開催される2025年にソーシャルインパクトをテーマした世界最大規模の「大阪関西国際芸術祭」の開催と「国際芸術都市大阪」の樹立を目指す(株)アートローグは、「EXPO PLL Talks」にて、アートやクリエイティブのみならず様々なジャンルでご活躍の方々をゲストにお迎えし、ゲストの活動を通して、2025年の万博以降に目指したい社会や、アートの持つ可能性について思考を重ねます。
なおEXPO PLL Talks「アート & インパクト:イノベーターと共に考えるアフター万博の世界」は「Study:大阪関西国際芸術祭」の一環として実施します。
こちらからお申し込みください。
https://forms.gle/6Fo7rA7RFtVV...
【開催概要】
◯日 時:2022年10月7日(金)10:20~11:30(終了予定)※10:10開場
◯会 場:愛知芸術文化センター12階アートスペースEF(名古屋市東区東桜1丁目13‐2)
◯料 金:無料(要事前予約)
※本イベントは後日オンラインで配信予定です。
◯司 会:鈴木大輔(株式会社アートローグ 代表取締役CEO、Study:大阪関西国際芸術祭 総合プロデューサー)
◯ゲスト:大林剛郎 氏(株式会社大林組代表取締役会長、公益財団法人大林財団理事長、国際芸術祭「あいち」組織委員会会長)
◯公式URL:https://www.osaka-kansai.art/
◯お問合せ:info@artlogue.org
◯主催:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会、株式会社アートローグ
◯助成等:令和4年度日本博イノベーション型プロジェクト 補助対象事業(独立行政法人日本芸術文化振興会/文化庁)、大阪市芸術活動振興事業助成金、TEAM EXPO 2025
※こちらの連続トークプログラムは、大阪・関西万博テーマ、「People’s Living Lab(PLL、未来社会の実験場)」のコンセプトのもと、会期前から、多様な実践者や有識者が、それぞれの立場からテーマに関する取り組みを国内外へ発信し、万博を共に創り上げていく場として開催するオンライントークイベントEXPO PLL Talksの一プログラムであり、「Study:大阪関西国際芸術祭」の一環として開催します。
※入場には必ずマスクをご着用ください。未着用の場合はご来場いただけませんので、あらかじめご了承ください。未就学児など、ご事情がある場合は、事前にスタッフまでお申し出ください。
※以下の症状をお感じの方はご来場をお控えください。
・風邪の症状がある(来場時の検温で37.5度以上の熱がある場合は入場をお断りいたします)
・倦怠感(強いだるさ)がある
・呼吸が困難である(息苦しい)
・過去 2週間以内に感染が引き続き拡大している国・地域への訪問歴がある
※本イベントでは新型コロナウイルス感染拡大防止のため、お申込時に、ご同伴者様含め、個人情報(氏名、連絡先等)をお伺いしております。 感染者発生が出た場合にはこれらの情報が保健所等の公的機関へ提供されることがあります。ご記入いただいた情報は、個人情報保護法等の関係法令を遵守して適切に管理し、感染の発生がない場合、ご来場から1ヶ月間保管した後、速やかに破棄いたします。感染経路追跡のためにのみ使用し、他の目的では使用いたしませんのでご協力をお願いいたします。
紀南アートウィーク実行委員会は、和歌山県紀南地方の地域資源である柑橘をテーマとした本年度のアートプロジェクト「みかんコレクティヴ」を実施しており、2022年10月6日(木)〜10月16日(日)の11日間にわたり和歌山県田辺市複数箇所にて「みかんマンダラ展」の作品展示及び関連イベントを開催中です。
展覧会の全体テーマは「みかんマンダラ」。これまで、あまり語られてこなかったみかんと、アート・神話・哲学・人類学・植物学・デザインなどの他分野との接合点を探り、和歌山を代表する博物学者、南方熊楠がこの熊野の地で見出したような宇宙的な広がりを持つ、新たな集合知=マンダラを、現代アーティストの方々と共に表現します。各展示会場には展示テーマを設け、キュレーションされた作品を展示。様々なアーティストによる新作だけでなく、アウラ現代藝術振興財団のコレクションからアジアを代表する作家の作品も招聘します。
ぜひこの機会をお見逃しなく!
◾️展示テーマ「実り/果実を巡る旅」
アーティスト:廣瀬智央
展示場所:秋津野ゆい倉庫
地域の農家の共同出資により作られた農業法人「株式会社秋津野ゆい」の倉庫を展示会場とし、蜜柑の生産や流通に関わる場所で、廣瀬智央による⻑期アートプロジェクトの提案と、みかんコレクティヴの展開を予感させる様々な展示をおこないます。
◾️「菌と共生/菌根ネットワーク」
アーティスト:BeTakerng Pattanopas、Piyarat Piyapongwiwat、TuanMami、Quynh Dong、狩野哲郎、廣瀬智央、AWAYA
展示場所:SOUZOU(旧岩橋邸)
南方熊楠が目を向けた菌や植物の生態、また自然と人の共生のあり方に目を向けた作品を、アウラ現代藝術振興財団のコレクションを中心に展示。
◾️「土と根/見えない根を探る」
アーティスト:bacilli、廣瀬智央、Khvay Samnang
展示場所:愛和荘
人間国宝の芹沢銈介など文化人に愛された旅館を新たな文化交流を誘発すべく、熊野の自然に想像力を喚起された廣瀬の作品と、土を多角的に捉える活動を行うアートユニット・バシライによるワークショップの実施と展示を行います。
◾️「みかん神話」
*10月9日(日)12:00〜14:00には空間内で特別ライブを実施(こちらのイベントは終了いたしました)。
VRアーティスト:VR蕎⻨屋タナベ
VRLive出演アーティスト:Ambientflow ku、やまみー、「カソウ」舞踏団、ジビエーズ(ドコカノうさぎ&沙影)、おきゅたんbot/宝来すみれ
展示場所:オンライン(VRchat上)*展覧会期中はtanabe en+にてVR体験可
みかんと神話、根の世界と果実の世界を反転、などをキーワードにVR空間上に体感型のアート作品を制作。2022年6月に川久ミュージアムで行われた展覧会にて公開したβ版を発展させた新たなVR空間の体験に加え、展覧会期中の10月9日(日)には空間内でのVR音楽ライブも実施予定。
開催概要
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◾️紀南アートウィーク2022 「みかんマンダラ展」
会 期:2022年10月6日(木)〜10月16日(日)11日間
会 場:和歌山県紀南地域 田辺市内各所 *複数個所
時 間:各展示会場による
料 金:入場無料
*一部のワークショップや体験などは有料となります。
主 催:紀南アートウィーク実行委員会
構 想:みかんコレクティヴ
キュレーション:プロダクション・ゾミア
URL :https://kinan-art.jp/info/9005/
◯関連イベント
◾️「みかんマンダラ展示 説明会」
日時:10月6日(木)19:00 〜
場所::tanabe en+
スピーカー:藪本 雄登(紀南アートウィーク実行委員⻑)
*こちらのイベントは終了いたしました。
◾️特別トークセッション「土根場所-カンボジアと紀南/熊野から-(仮)」
日時:10月7日(金)18:00〜
場所:愛和荘
スピーカー:Khvay Samnang(現代アーティスト)、石倉敏明(秋田公立美術大学美術学部准教授、芸術人類学者)
*こちらのイベントは終了いたしました。
◾️オープニングセレモニー「苗木の旅」(苗贈与式)&トークセッション
日時:10月8日(土)10:00〜
場所:秋津野ゆい倉庫前
スピーカー:廣瀬智央(アーティスト)、原拓生(紀州原農園園主)
*こちらのイベントは終了いたしました。
みかんコレクティヴ展のオープニングセレモニーとして、柑橘の苗の譲渡会を行います。みかんの苗木を参加者(=里親)と共に育て、将来的には「コモンズ農園(誰もが利用できるみんなの農園)」としての新しい農地のあり方を考えます。
◾️絵画ワークショップ「みなかたる」
日時:10月9日(日)10:00〜11:30
場所:SOUZOU(旧岩橋邸)
アーティスト:杵村直子
*こちらのイベントは終了いたしました。
南方熊楠が残した細密な標本画をお手本に、自然物のスケッチと(時には架空の)説明文や注釈を入れる絵画体験。柑橘の汁で濡らし炙った紙を使うことで、時の移ろいも超えたような独自の世界を描き出します。
◾️トークショー「みかん神話-紀南の神を知ろう-」
日時:10月9日(日)15:0〜17:00
場所:tanabe en+
スピーカー:山本哲士(文化科学高等研究院ジェネラル・ディレクター)、坂本このみ(熊野ログ管理人)、原拓生(紀州原農園園主)
*こちらのイベントは終了いたしました。
紀南の地は、神武東征等の古事記、日本書紀(以下、「記紀神話」)において、極めて重要な場所です。アマテラス、スサノオ等、魅力的な登場人物が登場するとともに、桃や椿等の植物も登場します。その中で、みかんの原種である「橘(たちばな)」も多く登場しますが、「橘」を起点に、紀南地域の土着の神について、深める場を設けたいと思います。レクチャー後、地域のゲストを交えたパネルディスカッションを行います。
◾️湯治ツアー&トーク「アートな人々との対談」
日時:10月14日(金)~ 15日(土)17:00〜18:30
場所:南紀白浜温泉宿旅館しらさぎ&オンライン
スピーカー:熊野幸代(旅館しらさぎ)*14・15日両日
石山登啓(高垣工務店)*14日のみ
尾崎寿貴(美容室Shinju)*15日のみ
地元の椿温泉の名物女将熊野幸代さんと美容室Shinjuの尾崎寿貴さん、高垣工務店社⻑の石山登啓さんとの対談です。生き方がアートそのもの!の3名のお話をきけば、心も身体も温まり、きっと自分の中の新しい何かを発見できると思います。詳細は、紀南アートウィークのPeatixよりご覧ください。
◾️ふたかわ超学校 × 紀南アートウィーク『太陽の塔』上映会+唐澤太輔氏 特別トーク
日時:10月14日(金)18:00~
*唐澤太輔氏の特別トーク及びパネルディスカッションは20:00~予定です。
場所:tanabe en+
日本に住んでいれば何らかの形で見たことがあるであろう『太陽の塔』。圧倒的な異物感と存在感はいまだに人々の興味を引いて離さない芸術作品。実は映画内で田辺の有名なあの偉人も岡本太郎と共通点の多い人物として登場します。その偉人とは?!
また、今回は特別ゲストとして映画にも出演していた秋田公立美術大学美術学部アーツ&ルーツ専攻ならびに大学院複合芸術研究科准教授をされている唐澤 太輔氏をお迎えして『太陽の塔』に関する特別トークも開催します。
*料金等詳細はこちらからご確認ください。
◾️bacilli × Caravansarai〜薫る土壌〜
日時:10月15日(土)17:00〜18:30
場所:愛和荘
土にまつわるストーリーや場所の記憶を「五感」を使って感じ、体験するイベント。土を扱うアートユニット「バシライ」と、田辺のフレンチレストラン「Caravansarai」が協同し、田辺市内の様々な地域の柑橘農家の農園の土と、併せて果実や根なども持ち寄り、その違いを楽しみます。
◾️親子ワークショップ「みかん教室」わかやまスコラボ
日時:10月16日(日)13:00〜17:00
場所:秋津野ガルテン
紀南に新たな学び舎の設立を目指し活動する「ワカヤマスコラボ」との合同企画。親子で共に学び、探究を深めるワークショップを実施します。地域に根ざしたみかん畑でフィールドワークを行ったあと、大人と子どもに分かれてそれぞれのチームでマインドマップを活用したワークショップを実施。お互いの研究結果を発表し合い、より深い学びを共有します。
◯展示&イベント会場情報
◾️秋津野ゆい倉庫
住 所:和歌山県田辺市上秋津4558-8
時 間:8:30〜16:30
◾️SOUZOU(旧岩橋邸)
住 所:和歌山県田辺市中屋敷町
時 間:10:00〜17:00
◾️愛和荘
住 所:和歌山県田辺市古尾2824
時 間:10:00〜17:00
◾️tanabe en+
住 所:和歌山県田辺市湊41-1
時 間:10:00〜19:00
◾️SHIOGORI CAMP
住 所:和歌山県田辺市扇ヶ浜扇ヶ浜海水浴場
◾️南紀白浜温泉宿旅館 しらさぎ
住 所:和歌山県⻄牟婁郡白浜町椿105622
◾️秋津野ガルテンみかん資料館秋津野みかん教室『からたち』
住 所:和歌山県田辺市上秋津4558-8
時 間:10:00〜16:00