執筆者:遠藤友香
1921年に、イタリア・フィレンツェで創設した「GUCCI(グッチ)」。世界のラグジュアリーファッションを牽引するブランドとして、世界中にファンを抱えています。
2025年、GUCCIは創造性を通じたコミュニティとの共創をテーマに、日本国内でアートプロジェクトを多面的に展開。そのメインとなったのが、東京・銀座「グッチ銀座 ギャラリー」にて開催された、日本を代表するアーティスト 横尾忠則氏の展覧会「横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅」です。展示作品約30点のうち新たに制作された6点は、自画像や家族をテーマとした作品群となっています。
美術評論家・南雄介氏がキュレーションを担当した本展のテーマは「未完」。それは「芸術の創造性は完成された瞬間よりも、むしろ未完成であることにこそ宿る」といった、横尾氏が一貫して掲げてきた美学に基づいています。
この展覧会自体は大成功を収め、「未完」の精神は3年に一度開催される国際的な現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」の開催地のひとつ、豊島にも引き継がれました。2025年5月22日には、横尾氏との最新コラボレーションとして、新たなアートウォールが公開されます。
新たなアートウォールは、日々刻々と変化する豊島の風景と呼応しつつ、常に新しい表現の可能性に挑戦しながら変貌を重ねるといった、横尾氏とGUCCIに共通するスピリッツを提示するもの。
さらに、この「未完」をテーマにしたインスタレーションは、「グッチ大阪」、「心斎橋大丸 グッチショップ」、「心斎橋大丸グッチ サテライトショップ」でも展開中です。こうした取り組みを通じて、ファッションとアートの開かれた対話の場を提供していく方針とのこと。GUCCIは今年2025年、ファッションブランドとして初めて「瀬戸内国際芸術祭」の公式パートナーを務めています。
また、GUCCIは「瀬戸内国際芸術祭 2025」において、「UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)」と写真家・ホンマタカシ氏のコラボレーションによる作品展「SONGS - ものが語る難民の声」に協賛しています。本企画では、ホンマタカシ氏のレンズを通じて、世界では1億2千万人を超えるといわれる難民の一人ひとりの物語に光をあてて可視化しています。UNHCRとの長年の協働を背景に、GUCCIは芸術を通じたポジティブな社会変革のきっかけづくりに貢献しています。
ぜひ会場に足を運んで、横尾忠則氏の展覧会で展開されている「未完」の世界感を体感してみてはいかがでしょうか。
横尾忠則
現代美術家。1936年兵庫県生まれ。72年にニューヨーク近代美術館で個展。その後もパリ・ベネチア・サンパウロの世界3大ビエンナーレに招待出品。アムステルダムのステデリック美術館、ハンブルグ工芸美術館、パリのカルティエ財団現代美術館、東京都現代美術館、東京国立博物館など世界各国の美術館で多数の個展を開催。2012年神戸に横尾忠則現代美術館が開館。2013年香川県 豊島に豊島横尾館が開館。2000年ニューヨークアートディレクターズクラブ殿堂入り。2015年高松宮殿下記念世界文化賞受賞。2023年文化功労者、日本芸術院会員。作品はメトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館、大英博物館、ポンピドゥ・センター・メス、ウフィツィ美術館など世界各国の主要美術館に収蔵されている。2026年春にイギリスのThames & Hudsonより500ページの作品集が世界発売される。
■「瀬戸内国際芸術祭2025」
春会期:2025年4月23日(金)– 5月25日(日)
夏会期:2025年8月1日(金) – 8月31日(日)
秋会期:2025年10月3日(金)–11月9日(日)
■ 「横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅」
開催場所:グッチ銀座 ギャラリー(東京都中央区銀座4-4-10 グッチ銀座7階)
日程:2025年4月23日(水) – 8月24日(日)予定(会期中無休)
営業時間:11:00 – 20:00(最終入場:19:30)
入場:無料(予約優先制)
来場予約:https://line.me/R/app/16018422...
※開催内容・時間は予告なしに変更となる可能性があります。
※屋上スペースの展示は、天候・時間によってはご覧いただけない場合があります。