執筆者:遠藤友香
東京都は2040年の都立公園のあるべき姿として、豊かな緑を育み、次世代につなぎ、国内外の人を惹きつけ、一人ひとりのウェルビーイングに貢献できる公園を目指しています。その一環として、公園を利用するすべての方に、公園の新しい価値を提案・共有したいという想いから、都立公園の一部では、四季を通じた花と光の演出を行ってきました。
例えば、葛西臨海公園は、平成元年に緑と水と人のふれあいをテーマに五つのゾーンを配して誕生した歴史ある公園です。葛西臨海水族園や隣接する葛西海浜公園と共に、広大な敷地を活かして、独自の自然環境を利用した取り組みを実施しています。
遠きにわたり、海と深いつながりを持ってきた地域の歴史を踏まえながら、多様な生き物の生息・生育環境に配慮した環境整備を進めるとともに、海辺のレクリエーション空間としての魅力を向上させてきました。「生命」の源である海とつながり、人と自然の調和を五感で感じる葛西臨海公園は、自然環境を体感しながら、地球の未来に想いを馳せる貴重な場として、これからも役割を果たし続けていくとのこと。
この度、葛西臨海公園では「海と自然と、いのちとつながる。― Connect with Everything ―」を、2025年8月17 日(日)まで開催中です。都心からほど近くにありながら、空と海が大きく広がる葛西臨海公園は、四季を通じた花と光の演出によって公園の新たな楽しみ方をお届けする「花と光のムーブメント」を令和4年度より実施しています。今年も約 3,800 ㎡の敷地に、3種類・約4万本のひまわりが咲き誇るひまわり畑がお目見え。夜には、ひまわり畑を舞台に、光の演出とアートを組み合わせたインスタレーションも体感可能です。
1.イベントコンセプト
2.花と光の演出
観覧車のそばには、今年も約3,800 ㎡のひまわり畑(約40,000 本)が登場。ひまわりの品種は、「ソニア」「バレンタイン」「はるかのひまわり(復興ひまわり)」の3種です。
昼間は、夏の太陽に向かって背筋をピンと伸ばして咲くひまわりに囲まれた別世界のような写真や、観覧車を背景に、色鮮やかな黄色いひまわりの写真撮影はできます。夜のひまわりは光やアート作品と共に、昼間とは違ったここだけ、今だけの姿を見せてくれます。
3.アート紹介
本イベントでは、アーティストの宮島達男氏を起用。「生命・永遠・関係性」をテーマに、夜のひまわり畑をデジタルカウンターを用いたアートで彩ります。出現したデジタルカウンターは、時間の流れ、生命のリズムや輪廻転生、そして自然との深いつながりを表現。広大な自然を感じられる葛西臨海公園で、アートを通して夏の特別な夜をお楽しみください。
ひまわり畑の中には、「自然とアート」「時間と生命」「人と環境」をテーマに、ひまわり畑に29本のデジタルカウンターを設置。デジタルカウンターは、9から1までカウントダウンし、それぞれのデジタルカウンターが、かけがえのない一人一人の「命」を表現しています。
4.その他
「海と自然と、いのちとつながる」というイベントコンセプトを、ご自宅でも再体験いただきたいという思いから、この度、宮島達男氏デザインによるシードペーパー(古紙を原料にした紙に花の種を漉き込んだペーパーのこと)をご用意。期間中の各日、アンケートやSNS投稿にご協力いただいた方に、先着順でプレゼントします。
ひまわりと光・アートによってもたらされる、命の鼓動や人と自然との繋がりを、ぜひ葛西臨海公園で体感してみてはいかがでしょうか。
アーティストプロフィール
Photo: Lisson Gallery Milano
宮島 達男(TATSUO MIYAJIMA)
現代美術家。
1957年生まれ。1988年 ヴェネツィア・ビエンナーレ新人部門に招待され、デジタル数字を用いた作品で国際的に注目を集める。以来、国内外で数多くの展覧会を開催し、世界30カ国250か所以上で作品を発表している。1990年ACCの招きでニューヨーク滞在。1993年 カルティエ現代美術財団の招聘でパリ滞在。
プロデューサープロフィール
杉山 央(OU SUGIYAMA)
新領域株式会社CEO/アートとテクノロジーの交差点に立ち“新しい体験=新領域”を創出するプロデューサー。
2018年「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」室長として世界最大規模の没入型ミュージアムの立ち上げを牽引。2023年虎ノ門ヒルズ「TOKYO NODE」開業の責任者として、Rhizomatiksや蜷川実花との共創による革新的な体験型展覧会を連続して プロデュースした。2024年新領域株式会社を設立。2025年大阪・関西万博シグネチャーパビリオン「いのちのあかし」計画統括ディレクター、2027年横浜国際園芸博覧会 テーマ事業館・展示ディレクターを務め、アートとテクノロジーを横断しながら新たな体験と空間の創造に取り組んでいる。
「海と自然と、いのちとつながる。― Connect with Everything ―」 特設サイト
会期:2025年8月 1日(金)〜17日(日)
(各日18時00分〜20時30分は光・アートによるインスタレーションを実施)
会場:葛西臨海公園(ひまわり畑)
展示:宮島達男氏による「Peace to the Sunflowers」
料金:入場無料
■関連情報
・葛西臨海水族園
イベント期間中、8月10日(日)から14日(木)は、開園時間を延長します。
・場所:葛西臨海水族園 https://www.tokyo-zoo.net/zoo/...
・時間:9時30分~20時00分(入園および入園券の販売は19時00分まで)
・クリスタルビュー
イベント期間は、9時から19時まで開館します。(通常は17時閉館)
・ キッチンカー
イベント期間は、キッチンカーが出店し、軽飲食の販売を行います。
詳細は特設サイトをご参照ください。
・場所/時間:中央園路 水族園入口付近/9時00分~20時00分
ひまわり畑付近 /9時00分~16時30分
※キッチンカーは、荒天時には休業する場合があります。
※当日の出店業者は変更になる場合があります。
■ 葛西臨海公園へのアクセス
◇公共交通機関を利用される場合1分
・「東京」駅から約20分(JR京葉線利用)・「西船橋」駅から約20分(JR武蔵野線利用)
バス:都バス「葛西臨海公園駅前」停留所、京成バス「葛西臨海公園駅」停留所下車、徒歩1分