
執筆者:遠藤友香(Yuka Endo)
グローバルファッションブランド「CHARLES & KEITH JAPAN(チャールズ&キース ジャパン)」は、シンガポールを拠点に活躍する現代アーティスト、Robert Zhao Renhui(ロバート・ザオ・レンフイ)⽒との共同アートプロジェクト「deer of tokyo(ディア・オブ・トーキョー)」を、本日2025年10⽉30⽇(⽊)〜11⽉10⽇(⽉)まで、CHARLES & KEITH 渋⾕店にて開催します。
⾃然と都市のあいだを歩く、“静かな来訪者”たち
本企画は、2025年初頭に⾹港で発表された初回プロジェクトに続く第2弾。前作では、⾃然と都市が共存する⾹港の⽣態系に着想を得たインスタレーションを展開しました。
今回の東京では、ロバート⽒が⻑年探求してきた「⽇本の⿅」に焦点をあて、ファッションストアの空間を“⾃然史博物館”のように変貌させます。
作品のテーマとなるのは、東京周辺の⼭地に⽣息する在来種・ニホンカモシカと、伊⾖⼤島に定着する外来種・ホエジカ(通称:キョン)という、2種の“⿅のような⽣きもの”たち。⽬には⾒えない⽣体の痕跡や、都市に潜むもうひとつの⾃然の存在を、映像と⾃然素材の展⽰を通じて静かに語りかけます。
店舗の⼀⾓に出現する“⽣態のアーカイブ”
渋⾕店の⼀⾓には、時間の流れをゆるやかに感じられるよう設計された空間が登場します。ロバート⽒がフィールドワークで採取した種⼦、押し葉、⽻、樹⽪、ガラス⽚などの“儚い断⽚”がガラスのケースに収められ、映像作品とともに展⽰。
まるで⼀時的な研究室や標本室のように、都市と⾃然の関係を⾒つめ直す場をつくり出します。
学⽣との協働による空間デザイン
今回のインスタレーションでは、インテリア・家具・建築を専⾨とする東京のICSカレッジオブアーツの学⽣たちと協働し、会場の什器や椅⼦を制作。ブランドのデッドストック素材を使⽤した観覧⽤チェアや、⾃然素材の展⽰台など、機能性と詩的な感性が交わるミニマルな空間が実現しました。
本プロジェクトについて、ロバート⽒は次のように語っています。
「東京では、在来と外来という異なる2種の⿅が同じ都市圏に存在しています。彼らの姿は、“居場所” “移動” “共⽣”といったテーマを映し出すものです。渋⾕の中⼼でその痕跡を展⽰することで、時間をゆるめ、都市の中に息づくもうひとつの世界を感じてほしいと思いました」。
【アーティストプロフィール】

Robert Zhao Renhui(ロバート・ザオ・レンフイ)
写真や映像、インスタレーションなど多様なメディアを横断しながら、⼈と⾃然の関係を探る作品を発表。2024年には、第60回ヴェネツィア・ビエンナーレのシンガポール館代表。世界各国で個展を開催するなど、国際的に⾼い評価を得ている。⾃⾝が設⽴した「The Institute of Critical Zoologists(批判的動物学研究所)」を通じ、⼈間中⼼の視点を問い直す活動を続けている。
■CHARLES & KEITH(チャールズ&キース)
CHARLES & KEITHは、すべての⼥性に⾃信を与え、エンパワーメントするグローバルブランドを構築するというビジョンのもと、1996年に設⽴されました。
シンガポールの⼀軒の靴屋から始まり、現在は世界34カ国以上の店舗やオンラインで、ダイナミックなショッピング体験を展開しています。常に消費者を第⼀に考え、実現可能で魅⼒的なブランド体験を提供することを⽬標に、フットウェア、バッグ、アイウェア、アクセサリーなど、⾃分⾃⾝を表現できるようなコレクションを⽣み出しています。
■「deer of tokyo」展
期間:2025年10⽉30⽇(⽊)〜11⽉10⽇(⽉)
会場:CHARLES & KEITH 渋⾕店(東京都渋⾕区宇⽥川町17-3)
営業時間:12:00〜21:00
⼊場:無料