世界屈指のミックスカルチャー都市、東京を舞台に展開。日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO」が2025年10月31日に開幕!

2025/10/22
by 遠藤 友香

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執筆者:遠藤友香(Yuka Endo)


世界屈指のミックスカルチャー都市、東京を舞台に、デザイン、アート、インテリア、ファッション、テクノロジーなど、多彩なプレゼンテーションを都内各所で繰り広げる回遊型イベント「DESIGNART TOKYO(デザイナートトーキョー)」。昨年のべ22万人の来場者が訪れた日本最大級のデザイン&アートフェスティバルが、今秋も2025年10月31日(金)〜11月9日(日)の間、都内7エリアにて開催されます。

9年目を迎える今年のテーマは「Brave 〜本能美の追求〜」。自身の経験や信念を貫き通し、革新的でひたむきさを感じる作品が秋の東京の街を彩ります。以下、テーマステートメントをご紹介します。

「Brave 〜本能美の追求〜」ステートメント

「時代の転換期、無難なデザインやアートは本当のクリエイションと呼べるのだろうか。今こそ、直感を信じ、かつてない感動を生み出す“勇敢さ”が必要だ。「機能美」から「本能美」へ。時間を越えて愛され続ける、本質的価値へ。「本能美」と人の喜びが結びついたとき、想像以上の未来がやってくる」


次に、本イベントのハイライトを、一部ピックアップします。


オフィシャルエキシビション「DESIGNART GALLERY」

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30を超える注目展示による体験型展示やトークセッションなど、多角的に世界の最新クリエイションを堪能できる大規模集合展。

国内外から多くの人が集まる文化発信都市「渋谷」の中心に位置し大きな存在感を放つ「MEDIA DEPARTMENT TOKYO」に、日本をはじめ、フランス、オランダ、スウェーデンなど世界各国から斬新なクリエイションが集結します。

■1F

参加ブランド・クリエイター(順不同・敬称略):THE LIONS、 LIXIL 、ZEN

THE LIONS

2023年に分譲マンションブランド「ライオンズマンション」のリブランドを行い、同年本イベントでも発表を行った、株式会社大京による「THE LIONS」は、リブランドして2年が経過した今年、“人生の価値を高める全く新しい家づくりに挑戦する”という考えのもと、人の関係性をつくる新プロジェクトを、建築家・永山祐子氏とともに開発しました。本プロジェクトについて、DESIGNART TOKYO 2025にて初お披露目いたします。


LIXIL/無為に斑 - 空間構成要素の再構築 -

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豊かで快適な住まいを実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的な建材製品を開発、提供するLIXILは、床・壁・天井といった、空間において重要ではあるものの未開拓な領域において、新たな可能性を探索するインスタレーション展示「無為に斑 - 空間構成要素の再構築 -」を出展します。

住まいのスタンダードや価値観がめまぐるしく多様化する今、人々が求めるのはこれまでの延長にある合理的な形ではなく、より本質的な価値ではないでしょうか。本展示は、そうした多様な時代におけるLIXILからの問いかけであり新たな方向性を示す試みです。空間の均一性や画一性を超え「斑」という概念を導入することで、これまでの空間の概念を解体し、再構築することを目指しました。

また、本展示で使用されている素材はLIXILが実際に製品化している環境配慮素材であり、それらは環境負荷の低減という機能を超え、感性的な美しさをも創造する重要な役割を担っています。「無為」と「斑」が織りなす新たな概念を実際に体感し、固定観念を見つめ直す思索のひとときを提供します。


ZEN Solo Exhibition/Urban Equivalence — 都市等価論

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世界的パルクールアスリートとして活躍しながら、アーティストとしても注目を集めるZEN(ゼン)の最新作「Urban Equivalence — 都市等価論」の作品を展示します。 本展では、バンコク、パリに続く新シリーズとして、アメリカ・ロサンゼルスで制作された写真作品を日本初公開。今年のキービジュアルを含む18点を一挙に展示・販売します。

■2F

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WOHLHUTTE(堀部善之・堀部順子)+ 板坂 諭 「Still Growing」

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SUPER RAT「HOUYOU」 


参加ブランド・クリエイター(順不同・敬称略):Original Kolor Design、siwaza 、Hononga Collective、三菱電機 統合デザイン研究所、Asobi 、ZKI design 、 WOHLHUTTE + 板坂 諭、130 OneThirty / 加藤 大直、.Garbon|.Gab、Ujin Lin by CONTRAST、 SUPER RAT、渡辺佑介 / WD、Asahi-seiki × M&T、Sarah Tracton、ユーバイエヌアーキテクツ / ひわだや、 SHINYA YAMAMOTO、Paper Parade

企業Xクリエイターによる実験的な取り組みから注目の若手まで、注目の作品をご覧いただけます。

企業とデザイナーの取組みとして、 Original Kolor Design(秋山かおり・江口海里・福定良佑・吉田真也)は、人類の生活に欠かせないプラスチックの新しい未来の在り方をオーケー化成とともに模索しデザインする取組み「+STORIES」を開催し、 WOHLHUTTE(堀部善之・堀部順子)+ 板坂 諭は、宮崎県の製材所 株式会社グロースリング協力のもと、樹齢100年以上の木を使った家具を展示。獣害や土砂災害等の問題に警笛を鳴らし、森と人の関係を問い直します。 

『.Garbon』は、あらゆる廃棄物を「炭化」し、素材に変える技術です。新たな資源循環の可能性を、IIISUとの作品を通じて表現します。

旭精機工業は、金属加工技術を用いた一般消費者向けの商品をM&T(池田美祐 / 倉島拓人)と開発。2026年の発売に先駆けて初披露します。

また、クリエイティブスペースCONTRASTと、台北とロンドンを拠点に活動するユジン・リンは「東京ニンフ (若虫) 」を開催。手仕事とデジタル技術を融合させた作品です。

三菱電機 統合デザイン研究所は、三菱電機統合デザイン研究所は、金型や切削加工を必要としない三菱電機の金属3Dプリンタでの出力を前提とし、「金属3Dプリンタにしかできない形や、素材の特性を意識すると、どんなデザインが生まれるのか」をテーマに考察した作品を発表します。

渡辺佑介 / WD は、 AIの知性とデザイナーの感性を融合し新たなアプローチを探る実験的プロジェクトUNTITLED IMAGE CLUBによって多様なオブジェクトイメージを生成、再解釈を経て、現実世界の立体へと昇華させた作品を展示します。

■3F 
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Luis Marie「Touching Ground」

参加ブランド・クリエイター(順不同・敬称略):乃村工藝社 noon by material record x &SPACE PROJECT 、平和合金 × we+、Institut Français(Mathilde Brétillot, Gala Espel, Claire Renard and Jean-Sébastien Blanc)、Swedish Style × Blå Station & ACTUS、 Luis marie、 CUZEN MATCHA 、1+1+1 、aprg、Roee Ben Yehuda、IDE × HIS、Aya Kawabata

国際色豊かなプロジェクトや、今回日本初展示のクリエイターなど、今見るべき作品が揃います。

スウェーデンの文化、ファッション、デザイン、音楽、食、そしてビジネスを主要な業界関係者に紹介し、日本におけるスウェーデンのデザイン確固たるものにした「スウェディッシュ・スタイル」。その25周年を記念する一環として、スウェーデンの革新的な家具ブランド「 Blå Station(ブロー・ステーション)」と、日本のライフスタイルをリードする「ACTUS」が新たなパートナーシップを祝してDESIGNART TOKYOにて日本初公開のプロダクトを中心に展示します。DESIGNART TOKYOでは、本会場以外にもコンランショップ麻布台ヒルズや、表参道のTime & Style Atmosphereでの展示、そして三軒茶屋ハウスでのイベント等、「スウェディッシュ・スタイル」と連携し、コラボレーションしています。

アンスティチュ・フランセの支援により実現した展示 「French Design Focus at Designart Tokyo」では、現代フランスデザインの創造性と多様性に焦点を当てます。革新的な素材から持続可能な実践、大胆な美学に至るまで、展示プロジェクトはフランスデザイン界の活力と国際的潮流との対話を映し出します。本展は日本の人々に新たな視点を発見する機会と、デザインの核心における異文化交流への参加を促します。

空間デザインは、2015年設立した、香港の注目COLLECTIVE。香港を拠点に、建築・インテリアデザイン・エキシビションデザインを専門に国際的に活躍する建築設計事務所です。


作品との出会いや感動をつなぐ注⽬の展示スポット

AXIS BUILDING
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Bang & Olufsen Beolab 90 Alchemy Edition

参加ブランド・クリエイター(順不同・敬称略):siro、GRANDIR+小阪雄造、田中悠史、市川善幾、萩谷綾香、佐藤洋美、Ambientec、Bang & Olufsen、VERCE 

AXIS BUILDINGは、デザイン誌「AXIS」やAXISギャラリーなど、さまざまなデザインを発信する“場”として広く知られています。長年にわたって社会に向けてデザインの意義を問い続けているこの場所で、注目の展示が行われます。

Bang & Olufsen「Beolab 90 Alchemy Edition」(3F Bang & Olufsen 六本木)

1925年デンマークのStruerでPeter BangとSvend Olufsenによって創立され、革新的なオーディオ・ビジュアル製品と音響技術の開発を続けているBang & Olufsenは、今年100周年を迎えます。本展では、世界で限定 50 ペアのBeolab 90 Alchemy Edition をお披露目します。Atelier Bespoke チームによる特別仕様で、24Kのフロント・トップ・サイドカバー、ブロンズメッシュのスピーカーカバー、ウォールナットのパネルを採用し、唯一無二の存在感を発揮しています。

GRANDIR+小阪雄造、田中悠史、市川善幾、萩谷綾香、佐藤洋美(B1F B111)

「時構の間|SEN-AN」は、茶室の精神を現代に再解釈した空間実験です。本質を様式でなく「時間・空間・関係性」を見直す装置と捉え、非伝統的素材LGSを用い「構え」と「映し」により感性を触発します。思想と技術が交差し、人と自然の関係性を未来へ継ぐ“生き方としてのサステナビリティ”を提唱。伝統を模倣でなく問いと翻訳の連続とし、現代茶室としてのインスタレーションを実現しました。

JR銭瓶橋高架下 A・B

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gekitetz Inc.「void reconstruct (ykgw);」


参加ブランド・クリエイター(順不同・敬称略):金森由晃(UNDER 30)、TORQ DESIGN(UNDER 30)、Tossanaigh、gekitetz Inc.、PHAT

東京駅~神田駅を繋ぐJR東日本の高架下。1910(明治43)年から100年以上の歴史のある高架下には、昔から変わらない東京の景色が残っています。そんな趣のある東京らしい空間に、個性あふれる展示が集結します。

gekitetz Inc. は「void reconstruct (ykgw); / ヴォイド リコンストラクト(ヨコガワ);」と題し、広島県横川エリアでフィールドワークにより採取した環境音を可視化したインスタレーションを行います。ローカルなサウンドから街の輪郭を再構築し、人とまちの関係性や情緒的な風景を探ります。

TORQ DESIGN(末瀬篤人、川島凜、伊藤陽介)は、Pyro PLA Project(パイロ ピーエルエー プロジェ
クト)を発表します。3Dプリンターによる出力物の表面を直火で熱し、積層の軌跡を溶かし混ぜ合わせることで、新たなテクスチャを生み出す取り組みです。陶芸家が粘土と向き合い成形していくように、データ上で細部まで調整して造形したのち「焼く」という手作業による仕上げの工程を踏むことで樹脂素材を工芸の世界に近づけます。


美しいデザインのコラボレーション


Cosentino x James Kaoru Bury PIECE OF REST

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スペインの建材メーカーCosentinoと、デザイナーJames Kaoru Buryの協働により、廃材に新たな可能性を見出す試みです。失われゆく素材が、デザインの手によって異なる様式へと昇華する過程をご覧いただけます。

古来より、人々に親しまれてきた焼き物や石材は、時を越え、技術の革新とともに、いまや私たちの日常により身近な存在となりました。スペインの建材メーカーCosentinoは、大判タイル、クォーツストーン、独自技術で加工された天然石などを扱い、常に新たな技術を切り拓いてきました。その素材は世界中の建築で広く用いられていますが、その一方で、多くの廃材が行き場を失い、見過ごされてきました。本展は、デザイナーJames Kaoru Bury と Cosentino の協働により、これらの廃材に新たな可能性を見出す試みです。失われゆく素材が、デザインの手によって異なる様式へと昇華する過程を、どうぞご覧ください。


NIESSING × RYUJI NAKAMURA ジュエリーとホース

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1873年創業のモダンジュエラー、ニーシング(NIESSING) の、NIESSING GINAの店舗にて、建築家の中村竜治の作品と空間コラボレーションを行います。それは一見ただの散水ホースですが、内部に樹脂を流し込み硬化させたものです。ホースの弾力と重力の釣り合いが偶然に生み出す何気ない曲線を、カメラが一瞬を切り取るように固定化しています。そこには、偶然と必然、一瞬と永遠、一点物と量産品、重力と反重力、機能と装飾、創造と模範、日常と芸術といった、一見相反する概念が同時に現れます。こうした曲線をNIESSINGのジュエリーが展示される空間にそっと紛れ込ませることで、バウハウスの思想から大きな影響を受けたNIESSINGのデザインをあらためて見つめ直し、その理解を深めるきっかけを作れればと考えています。


インテリアブランドによる新作や特別展

The STAGE by NII 4組のデザイナーによるファーストコレクションを発表

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今年6月、株式会社イトーキが「Ingenious design-創意創発するデザイン」をコンセプトに、オフィスを魅力的で活気ある舞台へと昇華させるファニチャーブランド「NII (ニー)」を国内にてローンチし、大きな注目を集めました。本展示は、「THE STAGE by NII」と題して、今秋オープンするITOKI DESIGN HOUSE AOYAMAを会場に、4組のデザイナーによるファーストコレクションを展示します。


Chiiil with Karimoku

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Chiiil with Karimokuは日立製作所、日立グローバルライフソリューションズとカリモク家具との出会いにより生まれた、心地よいライフスタイルの提供をめざすプロジェクトです。日立の小型冷蔵庫「Chiiil」を題材にカリモク家具の木製家具との融合によりうまれる暖かみのある質感を通して、暮らしの中での心地よさをお届けします。本展示会では今年7月に発売した「Chiiil MINIBAR」のほか、昨年公開したコンセプトモデルをもとに、新アイデアも加えた内容を展示します。

アート/テクノロジー

DUMB TYPE WINDOWS
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<WINDOWS>は、2023年にアーティゾン美術館でヴェネチア・ビエンナーレ帰国展を開催したアートコレクティブの先駆的存在である「Dumb Type(ダムタイプ)」の作品です。世界で公開される「ライブカメラ」の映像をリアルタイムで収集し、それらを一枚の窓に見立てて組み合わせた、ビル内にいながら外の世界と通じる感覚を得ることができます。日常とは異なる視野や視点の変化が、ビジネスパーソンの意識変革・行動変容を促します。なお、Dumb Typeによる本パブリックアートは初の試みとなります。

アンディ・ウォーホル
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 「SERIAL PORTRAITS – SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」/エスパス ルイ・ヴィトン東京

エスパス ルイ・ヴィトン東京は、ポップ・アートの旗手 アンディ・ウォーホルの展覧会「Andy Warhol - Serial Portraits」を開催します。本展では、ポートレートをテーマに、ウォーホルの名作から知られざる作品まで、厳選してご紹介いたします。


今年も東京エリアに多彩な展示が集結

OKURAYAMA STUDIO
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伊達冠石は、大蔵山でのみ産出される希少な石材です。その石が本来持つ造形美は、多くのクリエイターたちを魅了してきました。本展では、「大蔵山スタジオ」代表・山田能資が自ら大蔵山を歩いて選び抜き、磨き上げて制作した彫刻的な花器を、弊社ショールーム「THE GALLERY TOKYO」にて展示・販売いたします。石そのものが秘める、内面的な力強さと美しさを、ぜひ会場にてご体感ください。

“FONTE” -Atelier matic 外山翔- 展

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自然と人工の対比を探るAtelier maticが、日本橋兜町・HAKUSUISHA B1 GALLERYにて、遊び心あるアクリル作品や、柔らかな光をまとう大きなランプシェードなど、近年の展示とは少し違ったアプローチで展示を行います。空間デザインやディスプレイデザインも生業とするAtelier maticならではの空間演出もぜひご期待ください。

以上、デザイン、アート、インテリア、ファッション、テクノロジーなど、多彩なプレゼンテーションを東京都内各所で繰り広げる回遊型イベント「DESIGNART TOKYO(デザイナートトーキョー)」についてご紹介しました。気になる方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。


DESIGNART TOKYO(デザイナートトーキョー)

https://www.designart.jp/desig...