「百年後芸術祭~環境と欲望~内房総アートフェス」の「LIVE ART 」“通底縁劇・通底音劇”に、櫻井和寿、スガ シカオ、宮本浩次、小林武史らが出演!

2024/05/08
by 遠藤 友香

01.jpg?1715144133698Photo by 岩澤高雄

執筆者:遠藤友香


市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の内房総5市で開催中の、千葉県誕生150周年記念事業「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」は、 音楽を主とする「LIVE ART」にて、“通底縁劇・通底音劇” と題した小林武史プロデュースによるスペシャルライブを実施。

“通底縁劇・通底音劇”の通底という言葉は、アンドレ・ブルトンの『通底器』からヒントを得たもので、「つながるはずのないものがつながる、つながっている」ということをイメージしています。この通底という言葉には、歴史的な要因による戦争、自然災害による物理的な分断など、表面的には様々な分断が絶えないように見える現実に対して、本来、私たちは根底でつながりあえる(わかりあえる)のではないか? という想いが込められています。また、地理的な要因として、東京と内房総エリアはアクアラインで海の底で通底している、ということもあります。この通底を根底とした“通底縁劇・通底音劇” を表現する形として、小林武史プロデュースによるそれぞれ異なるスペシャルライブを開催しています。

今回は、4月20日(土)、21日(日)に木更津市のクルックフィールズで開催された、櫻井和寿、スガ シカオらによる「super folklore(スーパーフォークロア)」と、5月4日(土)、5日(日)に君津市民文化ホールで行われた宮本浩次らによる「dawn song(ドーンソング)」についてご紹介します!

1.櫻井和寿、スガ シカオらによる「super folklore(スーパーフォークロア)」

「super folklore(スーパーフォークロア)」では、櫻井和寿 / スガ シカオ / Butterfly Studio(guest vocal : Hana Hope / dancer : ⾼村⽉ / KUMI) / ⼩林武史(Key)/ FUYU(Dr)/ 須藤優(Ba) / 名越由貴夫(Gt) / 沖 祥⼦(Vl)のパフォーマンスと音楽、Butterfly Studioによる1000台のドローンを用いた、全く新しいLIVEパフォーマンスが披露されました。

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スガ シカオ氏 Photo by 岩澤高雄

オープニングでは前面の巨大スクリーンを使用して、“通底縁劇・通底音劇” の世界観を表現。会場が盛り上がったところでスガ シカオが登場し、「あなたへの手紙」の歌唱前に百年後芸術祭「LIVE ART」のテーマ“通底縁劇・通底音劇” について触れ、「自分の持つ力や勇気を自分のためではなく、 誰かのために使うと逆に自分が救われると感じています。今回のイベントのテーマと同じように、音楽を通じて誰かとつながっていけたら良いと思います」と語りました。

また、能登半島地震の後、現地に赴き、チャリティーライブを行ったといいます。通常、ライブは1日に1公演、多くても2公演だそうですが、能登では何と1日に4公演も行ったそう。「自分の為だけだったら頑張れないけど、人の為なら労力も苦にならない」と述べました。そして「Progress」や「夜空ノムコウ」など全7曲を披露し、会場を魅了しました。

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(左から)櫻井和寿氏、Hana Hope氏 Photo by 岩澤高雄


その後、Butterfly Studioのダイナミックなパフォーマンス、Hana Hopeの透き通る歌声で、会場を感動に包み込みました。そこに櫻井和寿が登場し、「to U」をHana Hopeとともに歌唱。

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櫻井和寿氏 Photo by 岩澤高雄

全15曲を披露し、「かぞえうた 」歌唱前は、⼩林武史が「“通底縁劇・通底音劇” のテーマに合わせてリクエストした歌です」と、選曲への想いについて語りました。それに対し、櫻井和寿は自身の東日本大震災の際の経験について触れ、「僕は震災の際、被災地に駆けつけることができませんでした 。そんな自分の情けなさ、弱さ、かっこ悪さがどうしようもなく悔しくて、どうにか自分を許す手立てがないかと思っていました。被災された方に想いが届くように、この曲を書きました。この歌がどんなに小さなことでも、誰かの悲しみに何らかの形で寄り添えれば」と、今回のテーマ“通底縁劇・通底音劇” に交えたエピソードを話しました。

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小林武史氏 Photo by 岩澤高雄

「365日」で、櫻井和寿はサックスを演奏し、会場を魅了。演奏後のトークで小林武史からの「突然のサックスでしたね(笑)」というコメントに対し、櫻井和寿は「人前でサックスを演奏するのは今回が初めてなんです」という掛け合いに会場が歓喜しました。

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Photo by 岩澤高雄


そして、ラストスパート「HANABI」の歌唱では、1000台のドローンの演出でも会場がさらに盛り上がりを見せ、アートと音楽が融合した、まさに「LIVE ART」の演出で圧巻のパフォーマンスを披露しました。

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また、クルックフィールズ内では、地域の食の魅力が集う「EN NICHI BA(エンニチバ)」も開催。37店舗の屋台が出店し、多様な千葉の食材を味わう多くの来場者で賑わいました。

2.宮本浩次らによる「dawn song(ドーンソング)」

「dawn song(ドーンソング)」では、宮本浩次 / 落花⽣ズ(ヤマグチヒロコ、加藤哉⼦) / dance︓浅沼圭 / ⼩林武史(Key)/ ⽟⽥豊夢(Dr)/ 須藤優(Ba)/ 名越由貴夫(Gt)/ ミニマルエンジン(四家卯⼤(Vc)、⽵内理恵(Sax))のパフォーマンスと⾳楽が融合した、LIVEパフォーマンスが行われました。

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落花⽣ズ Photo by 岩澤高雄

オープニングでは、“通底縁劇・通底⾳劇”とは何かを問いかけるセリフに合わせ、ダンサーの浅沼圭が布を纏いコンテンポラリーダンスを披露し、世界観を表現。続いて、舞台両端から落花⽣ズが加わり、透き通った伸びやかな歌声で会場を魅了しました。

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宮本浩次氏 Photo by 岩澤高雄


⼩林武史のキーボードが鳴り響き、スポットライトから宮本浩次が登場。「エヴリバディ︕︕」の掛け声とともに、観客から⼤きな拍⼿。⾃⾝のカバーアルバム「ROMANCE」の収録楽曲「⾚いスイートピー」「⽊綿のハンカチーフ」「あなた」等数々の名曲を⼒強く歌唱し、会場の熱気を⾼めました。

華やかなライトで煌びやかな演出の「東京ブギウギ」、「恋のフーガ」では観客もノリノリで、⼿を叩き⼀体感が⽣まれます。さらに、曲間で「君津ベイベー︕」と叫ぶと、盛り上がりが⼀気にヒートアップ。「ロマンス」では、ステージを縦横無尽に動き回りながら、ステージ上でも宮本らしい激しいパフォーマンスを披露。その後は⾊気たっぷりに「飾りじゃないのよ 涙は」「異邦⼈」を歌い、お客さん⼀⼈ひとりに想いを届けました。

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宮本浩次は「君津に来ることができて幸せです。こんなに盛り上がって最⾼の⼀⽇です」とコメントし、⼒の限り全⾝全霊で歌を届ける姿に、涙を流すお客さんもいました。クライマックスでは、エレファントカシマシの代表曲「悲しみの果て」を披露し、宮本⾃⾝もボルテージが上がり会場の観客は総⽴ちに。続けてカバー曲「Woman “W の悲劇”より」やオリジナル楽曲「夜明けのうた」を歌い上げ、アンコールには「冬の花」を熱唱。ステージからの拍⼿喝采に包まれながら、⼩林武史と熱い握⼿を交わし、⾼揚感のまま全24曲約2時間にわたるステージを締めくくりました。


「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」は、今後も様々なイベントやパフォーマンス、アート作品展⽰などを通じて、100年後について考え、100年後の未来を創っていくための共創の場を⽣み出していくといいます。ぜひ、今後の活動にもご期待ください。