ライカギャラリー東京での「MONACO Azur」の様子
執筆者:遠藤友香
写真家 瀧本幹也氏によるモナコの写真展「MONACO Azur」がライカギャラリー東京で、「MONACO Gracieux」がライカギャラリー京都にて、2025年3月9日(日)まで同時開催中です。
ライカギャラリー東京での「MONACO Azur」の様子
ライカギャラリー東京での「MONACO Azur」の様子
この写真展は、CM映像や広告写真をはじめ、映画作品の撮影を手掛け、国内外で作品発表や出版など多彩な活動を続ける瀧本氏がモナコに渡り、これまでのモナコの写真とは全く異なる、独自の視点で撮り下ろした写真を展示。モナコ政府観光会議局がこの写真展開催を後援し、日本の皆さまがこの写真展を通し、地球環境と伝統を守りながら、革新性を追求するモナコの新たな面に触れていただくことを期待しているといいます。
ライカギャラリー京都での「MONACO Gracieux」の様子
ライカギャラリー京都での「MONACO Gracieux」の様子
モナコは小さな面積の国ながら、優雅さと美しさを放っています。瀧本氏の写真は、過去から未来へと物語を紡ぎ、この美しい地球を守ることの大切さを静かに伝えています。モナコでの写真撮影について、瀧本氏は以下のように述べています。
ライカギャラリー京都での「MONACO Gracieux」の様子
「モナコは、自然の美と歴史、革新的な都市デザインが見事に調和した類まれな国です。実際に街を歩くと、その多面的な魅力に気づきます。歴史的建造物や先進的なデザインの街並みはモノクロデジタルで撮影し、紺碧の海や自然の美しさはカラーのフィルムで捉えました。このコントラストが、モナコの魅力をより一層引き立てています」。
最後に、キュレーターの太田菜穂子氏のステートメントをご紹介します。
モナコ その優雅、紺碧
小さいが故に、輝きを放つものがある。密やかゆえに、その優雅な仕草に心が奪われることがある。
人類が長い時間をかけて築き上げてきた社会をより良い方向へと導いてきた高貴な精神は今、限界知らずの人間の欲望の前に、消え去ろうとしている。
人間の魂のありようを表現するアートでさえ、最新テクノロジーが可能にした節操のない選択肢を前に、培ってきた美学や自制心を手放そうとしている。
ただ、そのような価値観の転換期において、選び抜かれた32枚の写真で綴られた、一つの国を永遠に語り継ぐ物語がここに生まれた。掌に収まる小型カメラだけが可能にする控えめな振る舞いが捉えたその時空間。
ここには、過去、現在、そしてこれからも流れるだろう“この国に約束された未来の時間”が写っている。
コート・ダジュールに面した世界で2番目に小さな国、モナコ。
瀧本幹也は祈りを込めて静かにシャッターを切った。
彼が描き出したその風景の連なりには、観る者にどのように世界と向き合い、どのようにこの美しい惑星を守るのかを無言で諭しているかのように感じるのは私だけだろうか?
■写真展 概要
<東京>
タイトル: 「MONACO Azur アジュール」
会期:2024年12月6日(金)―2025年3月9日(日)
11:00~19:00 月曜定休
会場:ライカギャラリー東京 (ライカ銀座店 2F)
ライカギャラリー東京 | ライカカメラジャパン - Leica Camera JP
東京都中央区銀座 6-4-1 2F
Tel. 03-6215-7070
展示作品数:17点
<京都>
タイトル:「MONACO Gracieux グラシュー」
会期:2024年12月7日(土) -2025年3月9日(日)
11:00~19:00 月曜定休
会場: ライカギャラリー京都 (ライカ京都店 2F)
ライカギャラリー京都 | ライカカメラジャパン - Leica Camera JP
京都府京都市東山区祇園町南側 570-120 2F
Tel. 075-532-0320
展示作品数:15点