名古屋大学 河江肖剰教授が監修。古代エジプトを体感できる「MYSTERY OF TUTANKHAMEN/ミステリー・オブ・ツタンカーメン~体感型古代エジプト展~ 」が開催中

2025/06/20
by 遠藤 友香

執筆者:遠藤友香


美術館や博物館を超えるイマーシブ空間で、古代エジプトの世界を体感できる展覧会「MYSTERY OF TUTANKHAMEN/ミステリー・オブ・ツタンカーメン〜体感型古代エジプト展〜」が、2025年12月25日(木曜)までの期間限定で「横浜みなとみらいPLOT48」」の「ツタンカーメン・ミュージアム」にて開催中です。

考古学者のハワード・カーターが、1922年にツタンカーメンの王墓を発見してから100年余が経過しています。古代エジプト文明は今も様々な研究や発掘がなされ、新しい発見も相次いでいます。

本展覧会は、エジプト考古学者で名古屋大学 河江肖剰教授監修のもと、世界で最も有名な王の一人であるツタンカーメンの謎に迫る体感型展示会です。多神教から一神教への宗教改革を強引に行なったアクエンアテンとその一族は、長い間歴史から抹消されてきました。そのためその息子であるツタンカーメン王は、今なお多くの謎に包まれていることで知られています。

展示内容としては、世界に3セットしか存在しない130点余りのスーパーレプリカや、完全再現されたツタンカーメン王墓、イマーシブなプロジェクション、実物の黄金のマスクや玉座から3DスキャンしたCGなど、アナログとデジタルを駆使して没入感溢れる非日常体験をお届けしています。


■体感型古代エジプト展ミステリー・オブ・ツタンカーメンの見所

100余年前にツタンカーメンの王墓から発見された黄金のマスクや黄金の棺は、今や門外不出の宝物となっています。本物を見るためには、飛行機に乗ってエジプトへ行くしかありません。

そこで本展では、日本にいながらにしてエジプトへ、ルクソールへ、古代へ、そして黄金の遺物の目の前にワープできる仕掛けをたくさんご用意。

1.本物のツタンカーメンの遺物からデータをキャプチャー

「WORLD SCAN PROJECT」が、実際に「カイロ・エジプト博物館」に足を運び、ツタンカーメンの数々の遺物をフォトグラメトリ用に撮影し、3D化しました。会場入り口では、その黄金のマスクを探検家になった気分で楽しめるホログラムを設置しています。

2.完全再現された玄室

ルクソールで発見されたKV62(「王家の谷の62号墓」の意味)。ツタンカーメンの王墓の玄室を、日本映画美術の職人技によってリアルに再現しました。

本展監修の河江教授に「おおぉ、これはもう本物のようです!」と言わしめた、「角川武蔵野ミュージアム」で展示したものを、そのまま横浜に移築しています。

ルクソールに行かなければ感じられないその佇まい、サイズ感、壁画や副葬品、カビの生え具合までリアルに再現しています。

3.限りなく本物に近づけて製作された「スーパーレプリカ」

展示場には130点を超える実物大のレプリカが展示されています。しかも、博物館のようにガラス越しに眺めるのではなく、顔を近づけてその詳細まで見ることができます。

4.音楽と映像

ツタンカーメン・ワールドをさらに体感型にするために、数々のコンテンツが用意されています。監修河江教授の解説動画シアター、ツタンカーメンの生涯を感じられるイマーシブ・プロジェクション映像、展示会オリジナルで書き下ろされたテーマ音楽など、様々なアプローチから没入感あふれる非日常体験をお届けします。


ツタンカーメンの生きた短い生涯に思いを馳せながら、遥か3000年前のエジプトへの旅をお楽しみください。

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河江 肖剰/Yukinori Kawae 

エジプト考古学/名古屋大学 デジタル人文社会科学研究推進センター教授

1972年、兵庫県生まれ。1992年から2008年までカイロ在住。カイロ・アメリカン大学エジプト学科卒業。2012年、名古屋大学で歴史学博士号を取得。サッカラの階段ピラミッド、ギザの三大ピラミッドとスフィンクス、アブシールのピラミッド群の3D計測調査を実施。ギザの「ピラミッド・タウン」やシンキの小型ピラミッドの発掘など、様々な考古学調査に20年以上にわたって従事。2016年には、ナショナル ジオグラフィック協会のエマージング・エクスプローラーに選出される。YouTubeチャンネル『河江肖剰の古代エジプト』は登録者数30万人以上(2025年3月現在)。


■「MYSTERY OF TUTANKHAMEN/ミステリー・オブ・ツタンカーメン~体感型古代エジプト展~」

開催期間:2025年12月25日(木)まで

会場:ツタンカーメン・ミュージアム(横浜みなとみらいPLOT48)

住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい4-3-1

主催:合同会社ツタンカーメンプロジェクト

企画:角川武蔵野ミュージアム(公益財団法人角川文化振興財団)

監修:河江肖剰(名古屋大学 デジタル人文社会科学研究推進センター教授)

音楽:川井憲次(AUBE)

美術:上條安里(サンクアール)

照明:高松伸行(コモード)

スキャン・CGアート:市川泰雅(WORLD SCAN PROJECT)

映像監督:田内健弥

協力:メトロアドエージェンシー、WORLD SCAN PROJECT、CF-1、マゼラン・リゾーツ&トラスト ほか

後援:神奈川県、横浜市、横浜港運協会、横浜港振興協会、UR都市機構、FMヨコハマほか

チケット価格:大人(大学生以上)2600円、中高生2000円、小学生1500円(全て税込)、未就学児無料

開館時間:11時~18時 ※最終入館は閉館の30分前 火曜休館

※休館日、開館時間は変更となる場合があります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

※展示内容が変更、または中止になる場合があります。予めご了承ください。

※最終入場時間は閉館時間の30分前です。