大阪の街全体が美術館に変貌!「Osaka Art & Design 2024」

2024/06/05
by 遠藤 友香
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執筆者:遠藤友香


2023年に始まり、今年で2年目を迎える、大阪の街を巡りアートやデザインに出会う周遊型エリアイベント「Osaka Art & Design 2024(以下「OAD」)」。会期は、2024年5月29日から6月25日までの4週間です。

初年度は50組の出展者、150組のアーティスト・デザイナーが参加し、8万人を超える来場者で賑わいました。今年も開催される本イベントでは、より多くの賛同を得て、主催への参画団体も増え、規模を大幅にスケールアップして実施します。

OADは「感性百景」をコンセプトに、大阪の街を巡りながら、 アートやデザインに出会う周遊型エリアイベント。大阪という土地を象徴する、ユーモアに富み、コミュニケーションを楽しむ、人間味あふれる感性。そこに、世界水準の洗練さを持ちながら親しみやすさのあるアートとデザインが掛け合わさり、様々な人々が楽しめる新たなムーブメントが始まるーそんな大阪ならではの“共鳴”を創出するべく生まれました。

日々の暮らしに躍動感と彩りを与えてくれる作品との出会い。創造力を掻き立ててくれるクリエイティブなパートナーとの出会い。多彩な感性が広がり、つながることで、美しい風景と出会うように人生が豊かになっていく。大阪が持つパワーと、限りなく広がるアイデアで、世界に誇るクリエイティブシティ大阪を目指しているといいます。

大阪の梅田からなんばまで南北に縦断する主要エリアから、約50箇所のギャラリーやショップを舞台に気鋭なクリエイターが多彩なアートやデザインをお披露目。美術館を巡るように、アート作品や家具、ファッションなどを観ながら、本当に気に入ったものを購入できるチャンスもあります。

来たる2025年の大阪・関西万博の開催を前に、かつてないほど大阪の街が活気に満ち溢れています。大阪ならではのアイデンティティを発揮し、関西圏を中心に全国からクリエイターが集結。年に一度、キタからミナミまで百貨店やアートギャラリー、インテリアショップなどが連帯し、大阪のカルチャーを世界に発信するイベントを開催していくとのこと。

今年のテーマは「Resonance 〜共鳴の拡張〜 」。大阪の生命力溢れる街で、個々の力が相互に作用し、思いがけない化学反応(シナジー)を引き起こすことを目指します。率直な信念、抑圧からの解放、そして、逸脱を恐れない連帯が、新たなエネルギーを創出することでしょう。

展開されるプログラムは、阪急うめだ本店では、「HANKYU ART FAIR 2024」を通じて、名和晃平、大庭大介、品川美香などの著名アーティストや新進気鋭の作家の作品を展示・販売し、「アートと暮らすことが、当たり前」になるプラットフォームの創造を目指しています。 

髙島屋 大阪店では、世界が注目する革新的な布作りを得意とする須藤玲子と話題のコンテンポラリーデザインスタジオ「we+」がコラボレーション。光をテーマにしたテキスタイルを通して、現代大阪の前進するエネルギーを展開します。 

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高遠まき《Hopeful monster》


例えば、南海なんば駅 2階 コンコースで展開される、高遠まきによる《Hopeful monster》は、神話や民族学的な観点から、人間と非人間、自然と技術、物理的な身体と非物理的な身体の間の境界を考察したパフォーマンスインスタレーション。かつて日本人は、違和感や畏れといった感情や不可解な現象に対し、「妖怪」というポップなキャラクターとして具現化しコミュニティーの中で共有することで、共感的関係を築いてきました。この作品では、妖怪というテーマを現代的にアップデートし、異なる生命体に変身する女性の神話を、クモやアリを思わせる造形で表現しています。

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望月虹太《“GREEN SEED” 最終章 ~大樹とともに、また踏み出す。~》


また、大阪梅田ツインタワーズ・ノース 1階 南北コンコースでは、望月虹太の《“GREEN SEED” 最終章 ~大樹とともに、また踏み出す。~》が展開中です。初夏の大都会に、多様な植物が群生し共存する世界が出現。多くの人が行き交う梅田の街。その中心部を貫くコンコースの天井を、期間限定で彩る巨大装飾《GREEN SEED》。みずみずしく、力強く生い茂る植物に、“人と自然との融合”や“未来への希望”など様々な想いを込めて作り上げられたインスタレーションです。

その他、OAD2024のオフィシャルプログラム「HIZO market」は、クリエイターたちが試行錯誤し生み出した作品の原型や市場に出なかった秘蔵作品を展示販売することで、新しいクリエイティブマーケットを創出します。 

OAD2024は、大阪のクリエイティブな魅力を世界に向けて発信し、関西圏のアート&デザインシーンを活性化させることを目指すそう。このイベントを通じて、人と作品、人と人、作品と作品との出会いや交流、そしてそこから生まれる共鳴やつながりを育んでいくとのこと。大阪が誇るクリエイティブシティのさらなる発展を目指す本イベントへ、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。


■Osaka Art & Design 2024(大阪アート&デザイン 2024)

期間:2024年5月29日(水)〜6月25日(火)

入場料:無料(一部有料イベントあり)

エリア:梅田、堂島、中之島、天満、京町堀、南船場、心斎橋、なんば 他大阪市内各地

出展会場:オープンスペース、ギャラリー、ショップ、百貨店、商業施設

Osaka Art & Design 2024 (osaka-artanddesign.com)