寺田倉庫がTokyo Gendaiのオフィシャルフェアパートナーに。 訪日アートコレクターに日本文化の多面性を紹介する「TENNOZ ART WEEK 2024」を開催

2024/07/05
by 遠藤 友香

執筆者:遠藤友香


寺田倉庫株式会社は、2024年6月27 日(木)から7月15 日(月・祝)の期間中、国内外のアートコレクターやアート関係者をアートシティ天王洲に誘い、日本と海外のアートシーンをつなぐことでアート市場の活性化と国際的な文化観光の促進を目指す「TENNOZ ART WEEK 2024」を開催。

「TENNOZ ART WEEK 2024」は、天王洲に国際水準のアートコンテンツを誘致し、国内外のアート関係者が来訪する場を創出することで、日本と海外のアートシーンをつなぎ、国際文化観光の促進を目指すアートイベントです。昨年は向井山朋子氏による新作インスタレーションパフォーマンスや、TERRADA ART COMPLEXでのギャラリーナイトなどを提供し、国内外のアートコレクターを中心に約 1.4万人が訪れ、天王洲が国際色豊かなアートシティとしてにぎわいを見せました。 

寺田倉庫株式会社は、昨年日本で初開催され好評を博した国際水準のアートフェア「Tokyo Gendai(東京現代)」にオフィシャルフェアパートナーとして参画し、両イベント開催期間中、Tokyo Gendai を目的に訪日するアートコレクターへのプログラム提供や、横浜・天王洲間の相互誘客連携などを実施。Tokyo Gendaiとアートシティ天王洲が連携することで、よりダイナミックに国内外のアートシーンを盛り上げ、国際的文化観光を促進していくとのこと。

2回目となる今回は、2011年に開催されたヴェネチア・ビエンナーレの日本館にて大規模なインスタレーションを発表するなど、国内外で活躍する現代アーティスト束芋氏と3人のインディペンデントアニメーション作家による新作映像インスタレーションを寺田倉庫G3-6Fで展示します。また、日本を代表するアートギャラリーが集まる TERRADA ART COMPLEX ではナイトタイム特別営業を実施。日本酒やクラフトジンなど日本産のお酒を提供するカクテルパーティーで国内外のアートコレクターを迎えます。

例えば、WHAT MUSEUM では日本の伝統的な建築物の木構造から現代木造建築、そして宇宙構造物に至るまで、建築の骨組みを創造してきた「構造デザイン」に焦点を当てた展覧会の特別ガイドツアーを、PIGMENT TOKYO では伝統画材の金泥を使った日本画制作のワークショップを予定しています。WHAT CAFE ではB-OWNDと共同で日本の現代工芸を発信する展示会を行います。 

現代アートのみならず、工芸、アニメーション、建築、食など、日本における文化の多様性や、各文化が根付く地域の魅力も紹介することで、芸術文化への関心が高い訪日アートコレクター、旅行者に対してもアートシティ天王洲の魅力を発信していくそうです。

次に、「TENNOZ ART WEEK 2024」の実施プログラムをご紹介します。

1.束芋 新作映像インスタレーション 「触れてなどいない」 

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束芋と3人のアニメーション作家による新作映像インスタレーション展示。 水や生物など、倉庫空間への持ち込みを禁じられた存在を、アニメーションを通して持ち込みます。それによって if の世界が開かれ、その先には幻想とナラティブが生まれていきます。アートの文脈と結びつくことでアニメーションと鑑賞者との多層的な関係が作品となる体験型インスタレーションを作り出します。


会場:寺田倉庫G3-6F(東京都品川区東品川2-6-10寺田倉庫号) 

日時:7月5日(金)~7月15日(月・祝)11:00~21:00 

入場:一般 2,000円、学生(高校生・大学生・専門学生) 1,500円、子ども(小中学生) 1,000円 

※本チケットには、WHAT MUSEUM鑑賞券が含まれます 

※事前予約制 

※学生チケットをご購入された方は学生証の提示が必要です 

※安全上の理由から小学生以上の方のみの入場可能、中学生以下の入場は保護者の同伴が必要となります 

チケット予約はコチラから。

2.WHAT MUSEUM 「感覚する構造 - 法隆寺から宇宙まで -」ガイド付きツアーとナイトミュージアム

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WHAT MUSEUMでは、建築の骨組みを創造してきた「構造デザイン」に焦点を当てた展覧会「感覚する構造 - 法隆寺から宇宙まで -」を開催中です。本展では、現存する世界最古の木造建築「法隆寺五重塔」から、現在開発中の月面構造物まで、100点以上の貴重な名建築の構造模型を鑑賞可能です。また、建築家や設計事務所から預かった600点以上の建築模型を保管し、その一部を公開する「建築倉庫」も鑑賞できます。 イベント期間中には、展覧会企画担当者による特別ガイドツアーと、営業時間を特別延長し展示をゆっくりと楽しむことができるナイトミュージアムを開催します。


●企画担当者によるガイド付きWHAT MUSEUMツアー「感覚する構造 - 法隆寺から宇宙まで -」(日英同時通訳あり)

会場:WHAT MUSEUM(東京都品川区東品川2-6-10) 

日時:7月6日(土)10:00~11:00、7月13日(土)10:00~11:00 

定員:各回16名 

入 場:一般 2,500円 (建築倉庫の入場料込)※事前予約制 

●ナイトミュージアム 

日時:7月6日(土) 11:00~21:00(最終入館20:00) 7 月7日(日)、13日(土)、14日(日)、15日(月・祝)11:00~20:00(最終入館19:00) 

入場:通常料金 

上記プログラムは公式チケットサイトよりご予約ください。

 展示の詳細は、公式サイトをご確認ください。

3.WHAT CAFE 「Beautility: The Betweenness of Kogei」 

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アートギャラリーカフェ「WHAT CAFE」では、オープン以降初めて、若手アーティストを中心とした美術工芸展を実施します。本展タイトルの「Beautility」は、「Beauty(美)」+「Utility(実用)」からなる造語です。工芸の伝統的な素材や技法等をベースに現代性や新しい表現をかけあわせた作品を紹介することで、世界のアート市場に向け美術工芸の可能性と価値を再発見する機会を提供します。

今回は、株式会社丹青社が提供するアートとしての工芸作品を取り扱う「B-OWND(ビーオウンド)」をコラボレーションパートナーに迎え、「間」「曖昧さ」(Betweenness of Kogei)に焦点を当てた作品を展示販売いたします。WHAT CAFEがピックアップする美術工芸の若手アーティストの作品を含め、合計約200作品との出会いをお楽しみください。


会場:WHAT CAFE(東京都品川区東品川2-1-11)

日時:6月27日(木)~7月7日(日)11:00~18:00 ※7月6日(土)11:00~21:00、7月7日(日)11:00~20:00まで営業 

入場:無料 

協力:株式会社丹青社

展示の詳細は公式サイトをご確認ください。

4.PIGMENT TOKYO ワークショップ 「日本の伝統画材を使って花をえがく/純金とマラカイトで日本画制作」 

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金泥と岩絵具を使って花の作品を制作します。日本では、職人たちの高い技術に支えられながら金属製の絵具や天然岩絵具を用いた数多くの美術作品が生まれました。そうした極東における多様な表現のうち、「金泥」と「たらし込み」の技法を体験できます。いずれも難しいことはありません。墨、金、緑青それぞれの輝きを感じてください。(日英同時通訳あり) 


会場:PIGMENT TOKYO(東京都品川区東品川2-5-5 TERRADA Harbor Oneビル1F) 

会期:7月6日(土)11:30~13:30 / 16:00~18:00 7 月7日(日)11:30~13:30 / 16:00~18:00 

定員:各回10名 

入場:9,900円 ※事前予約制・先着順 

チケット予約はコチラから。

5.TERRADA ART COMPLEX「TAC GALLERY NIGHT(Cocktail Party)」

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TERRADA ART COMPLEXは、日本を代表するアートギャラリーが集積した国内最大級のギャラリーコンプレックスです。TAC GALLERY NIGHTでは、17軒の入居ギャラリーが開館時間を20時まで特別延長し各展示をご覧いただけるほか、フロアごとに異なるテーマでセレクトした日本産のお酒もご用意。日本屈指のギャラリーによるアートシーンの今を、日本各地の多彩なお酒とともに楽しめる特別な夜を提供します。


会場:TERRADA ART COMPLEX Ⅰ(東京都品川区東品川1-33-10) 
TERRADA ART COMPLEX Ⅱ(東京都品川区東品川1-32-8) 

日時:7月6日(土)17:00~20:00 

入場:特別鑑賞チケット購入者および招待者のみ 

※本プログラムは特別鑑賞チケット購入者および招待者のみ入場可能となります。

6.STREET MARKET 

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日本各地の食事や名産品が一堂に会するストリートマーケットを開催します。運河沿いのボードウォーク上には約20店舗が並び、各地域の特色がある食や名産品を通じて、その土地の文化や魅力を再発見する機会を提供します。運河沿いの開放的な空間で、美味しくて楽しいひと時をお楽しみください。 


会場:天王洲アイル第三水辺広場 ボードウォーク (東京都品川区東品川2-1-18) 

開催日:7月6日(土)11:00~21:00/7月7日(日)11:00~18:00 /7月13日(土)11:00~20:00/7月14日(日)11:00~20:00/7月15日(月・祝)11:00~18:00

入場:無料 

※7月13日~15日はキッチンカーのみとなります。


■「TENNOZ ART WEEK 2024」 

会期:2024年6月27日(木)~7月15日(月・祝) 

会場:寺田倉庫 G3-6Fおよび周辺施設、天王洲アイル第三水辺広場 

入場:プログラムによって異なる。一部無料あり。

https://taw.warehouseofart.org 

横浜・⼭下ふ頭で、現代アートの祭典「Art Squiggle Yokohama 2024」が初開催!

2024/07/03
by 遠藤 友香

執筆者:遠藤友香


株式会社マイナビを主幹事とするアートスクイグル実⾏委員会は、現代アートフェスティバル「Art Squiggle Yokohama 2024(アートスクイグルヨコハマ 2024)」を、2024年7⽉19⽇(⾦)から9⽉1⽇(⽇)までの45⽇間、横浜・⼭下ふ頭にて開催します。

「Art Squiggle Yokohama 2024」は、”Squiggle(スクイグル)=やわらかな試⾏錯誤”を繰り返し作品を⽣み出す若⼿アーティストを中⼼に、⼈の⽣き⽅をアート作品・空間を通じて楽しむことができる新しい現代アートフェスティバルです。

フェスティバルのメイン展⽰では、国内外で更なる活躍が期待されるアーティストと対話をしながら、テーマやコンセプト、制作過程、作品そのものに「スクイグル」が⾒られる作品を選出しています。主観と客観を⾏き来する思考のプロセスを経て⽣まれた多彩な作品群は、現代社会を⽣きる私たちとのつながりを⾒出せる点で通底しています。また、空間デザイナーの⻄尾健史⽒が⼿掛けた展⽰空間は、アーティストとの対話を重ねながら作られています。来場者は、まるで迷路のように構成された空間を好きな順番で辿りながら、アート鑑賞を楽しむことができます。

会場内には、アートについて語り合えるライブラリー&ラウンジも併設するほか、各アーティストのインタビュー記事や作品が掲載された「アーティストノート」を来場者が思い思いに並べて綴じ、⾃分だけのブックレットを制作して持ち帰ることができるワークショップも実施。さらに、横浜湾を臨む景⾊を楽しめる屋外スペースでは、週末に⾳楽イベント「Sound Squiggle(サウンド・スクイグル)」を開催する予定です。

かつて国内外を繋ぐ経済の要や⽂化交流の場として機能し、多様な価値観が交錯していた⼭下ふ頭を舞台に、アーティストや来場者をはじめ、本イベントに関わる全ての⼈たちとともに、「スクイグル」の在り⽅や、アートと私たちのつながりを模索する祭典を⽬指すそうです。

「Art Squiggle」のコンセプト

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「まがりくねった/不規則な/曲線」の意味を持つ「Squiggle(スクイグル)」という⾔葉は、直線的でなく予測不能な動きや形状を表すことから、アーティストが創作活動中に経験する迷いや試⾏錯誤のプロセスを象徴していると考えます。アートを形にするということは、決して⼀直線に進まない道のりです。そして、このことは私たちの⽇々の試みにも当てはまるのではないでしょうか。迷ったり、⽴ち⽌まったり、失敗をすることは、誰もがたどる⼈⽣の道筋であり、⾃⾝の個性を磨き上げていくプロセスとも⾔えるはずです。アートは、実は私たちから遠いものではありません。私たちが共に⽣きる時代、社会、暮らしの中のさまざまな経験や感情から⽣まれてくるものです。「Art Squiggle」は、アート作品が売買されるアートフェアではありませんし、アートを受け⾝の姿勢で鑑賞する場でもありません。「スクイグル」をコンセプトとした体験を通じて、アートが私たちと共に歩む存在だと来場者の⽅に感じてもらうを⽬的に掲げています。

⼭下ふ頭について

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⼭下ふ頭は、明治維新から世界と⽇本を繋いで、⼈、モノ、そして⽂化が交差し続けてきた場所です。本イベントの会場である⼭下ふ頭・4 号上屋もまた、⽇本の⾼度経済成⻑を⽀えてきた時代のアイコンであり、巨⼤な躯体を⽀えるトラス構造の建築は、昭和の建築技術の粋を集めた圧倒的なスケール感の内部空間を有しています。

⼭下ふ頭は数年後に⼤規模な再開発が予定されており、本イベントは、歴史的にも貴重な建築物をアートとともに体験する試みでもあります。

Art Squiggle 会場コンテンツ

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1. 展⽰

国内外で更なる活躍が期待される若⼿や活躍中の作家を中⼼とした14名と1組のアーティストやコレクティブによる作品を展⽰します。主観と客観を⾏き来する思考プロセスを経て作られた多彩な作品群は、⽇常の中に存在する⽬で⾒えないものを可視化し、普遍的なテーマとして切り取りながら時代の空気感をまとっています。新しい視点や気づきを与えてくれるトリガーとなることでしょう。

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例えば、1993年岐⾩県⽣まれのアーティスト 宇留野圭は、部屋や洗⾯台などの⾝近なモチーフを元に、機械の構造を⽤いた⽴体作品や舞台装置の様なインスタレーション作品を制作しています。2023 年、 ARTISTʼS FAIR KYOTO 2023 マイナビART AWARD 最優秀賞を受賞しました。主な個展に「予期せぬ接続」(FOC、⽯川、2024)、「KEY WAY」(BankART Under35)(BankART Station、神奈川、2023)などがあります。05.jpg?1719981210507

建築プロジェクトを通して、異なる専⾨性を持つ⼈々が仮設的かつ継続的に共同できる場の構築を⽬指し、建築設計・リサーチ・施⼯をする建築コレクティブのGROUPも作品を展示します。これまで、「海⽼名芸術⾼速」(2021)、「新宿ホワイトハウスの庭の改修」(2021)、「Involvement/Rain/Water passage」(⾦沢21世紀美術館、⽯川、2023)、「⼿⼊れ/Repair 」(WHITEHOUSE、東京、2021)などを発表しています。

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特別ステージでは、1992年埼⽟県⽣まれのアーティスト 藤倉⿇⼦の作品を鑑賞できます。都市・郊外を横断的に整備するインフラストラクチャーやそれらに付属する⾵景の奥⾏きに注⽬し、主に3DCG アニメーションの⼿法を⽤いた作品を制作しています。近年の参加展覧会に「都市にひそむミエナイモノ展」(SusHi Tech Square、東京、2023-4 年)、「エナジー・イン・ルーラル [展覧会第⼆期]」(ACAC、⻘森、2023年)などがあります。

2.ライブラリー&ラウンジ

会場内のライブラリー&ラウンジは、アートについて学んだり、考えを巡らせたり、誰かと対話をしたりする場です。ライブラリーには、嗜好の異なる複数の書店が「スクイグル」をテーマに選んだ書籍約100 冊が並びます。会場構成は⼀⽅向に進む動線ではありませんので、ライブラリー&ラウンジで「スクイグル」しながら、それぞれのペースでアート鑑賞をお楽しみください。

3.「アーティストノート」製作&ワークショップ

会場内では、参加作家のインタビュー記事や、作品画像が掲載された紙を好きな順番に並べて綴じ、⾃分だけの冊⼦を製作して持ち帰ることができます。各作家の「スクイグル」の過程を知ることでよりアートを⾝近に感じ、それぞれの⽇常に戻った後も本展でのアート体験を思い出させてくれる⼀冊が⽣まれます。また、展⽰とあわせて作家やクリエイターたちによるワークショップを開催予定です。

中島佑太ワークショップ「”労働”、“仕事”、“遊び”について考える (仮) 」

中島佑太は、アートと社会をつなぐ作品としてワークショップを⾏うアーティストです。今回のワークショップは、参加者が⼤きな⽯から砂を削って砂場を作るというもの。削ったり、掘ったり、砂場で遊んだりしながら、社会で当たり前に存在するものの裏側にある「労働」や「仕事」について考えるきっかけを与えてくれます。

沼⽥侑⾹ワークショップ「アイロンビーズで作るピクセルアート体験」

沼⽥侑⾹の作品を⾒本にしながら、誰でも簡単にアイロンビーズを使って素敵なピクセルアート作品が作れるワークショップを開催。お⼦様から⼤⼈まで幅広く楽しめる内容です。

MOBIUMワークショップ

MOBIUM は⼤型バスをベースとする、移動を主体とした表現の場です。これまでにもさまざまな場所で、展⽰や⾳楽の公演、映像上映などを問わず表現活動を⾏ってきました。本イベントでは、⼭下ふ頭の⾵や⽇光など環境情報にフォーカスしたワークショップを開催予定です

4.屋外エリアでの⾳楽イベント「Sound Squiggle」

屋外エリアの⼤型テントの中では、週末に⾳楽イベント「Sound Squiggle(サウンド・スクイグル)」を開催予定です。広⼤な屋外エリアからは、横浜港を臨む眺めを楽しむことができます。アート鑑賞の合間に、インプットしたものを⾃分⾃⾝の中に取り⼊れる時間や、友⼈と話しながらアウトプットする時間を過ごす場としてもぴったりです。参加アーティストや開催⽇時は、後⽇発表予定です。



タイトル:Art Squiggle Yokohama 2024 (アートスクイグルヨコハマ 2024 )
サブタイトル:やわらかな試⾏錯誤 ̶ 芸術とわたしたちを感じる45⽇間 ̶

会期⽇時:2024年7⽉19⽇(⾦)〜9⽉1⽇(⽇) (45⽇間開催)
平⽇・⽇・祝⽇ 11:00-20:00 (19:15 最終⼊場)/ ⾦・⼟ 11:00-21:00 (20:15 最終⼊場)
開催地:横浜⼭下ふ頭(〒231-0023 神奈川県横浜市中区⼭下町)
⼊場料:前売り 2,200円
当⽇ 2,400円
⼤学⽣、⾼校⽣ 1,500円
横浜市⺠割 前売り 2,000円
当⽇ 2,200円
※中学⽣以下無料(⼊場時に受付にて学⽣証提⽰)
※障がい者⼿帳をお持ちの⽅と介護の⽅1名は無料
※前売り:来場⽇前⽇23:59までの購⼊が対象
※⼤学⽣、⾼校⽣:⼊場時に受付にて学⽣証提⽰
※横浜市⺠割:横浜市内在住の⽅(⼊場時に受付にて要証明)は⼀般料⾦より200円割引
【チケット販売】ArtSticker( https://artsticker.app/ )にて販売中
販売URL https://artsticker.page.link/A...

ART SQUIGGLE YOKOHAMA 2024 | やわらかな試行錯誤 芸術と私たちを感じる45日間

知的障害のある作家の作品が世界中から集まるアート展「HERALBONY Art Prize 2024 Exhibition」を開催

2024/07/03
by 遠藤 友香

執筆者:遠藤友香


「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、異彩作家とともに、新しい文化をつくるアートエージェンシー「ヘラルボニー」。国内外の主に知的障害のある作家の描く2,000点以上のアートデータのライセンスを管理し、さまざまなビジネスへ展開しています。支援ではなく対等なビジネスパートナーとして、作家の意思を尊重しながらプロジェクトを進行し、正当なロイヤリティを支払う仕組みを構築しています。アートを纏い社会に変革をもたらすブランド「HERALBONY」のほか、商品や空間の企画プロデュース、取り組みを正しく届けるクリエイティブ制作や社員研修プログラムなどを通じて企業のDE&I推進に伴走するアカウント事業、あたらしい"常識"に挑戦する盛岡のアートギャラリー「HERALBONY GALLERY」の運営を行うアート事業など、多角的に事業を展開。さまざまな形で「異彩」を社会に送り届けることで、「障害」のイメージを変え、80億人の異彩がありのままに生きる社会の実現を目指しています。 

ヘラルボニーは、障害のある方がひとりの作家としてその才能が評価され、さらなる活躍の道を切り開いていけるようにとの思いを込め、今年の1月31日「異彩(イサイ)の日」に国際アートアワード「HERALBONY Art Prize 2024(ヘラルボニー・アート・プライズ)」を新たに創設しました。 

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この度、ヘラルボニーが主催する国際アートアワード「HERALBONY Art Prize 2024(ヘラルボニー・アート・プライズ)」にて、グランプリをはじめとする各受賞作家と最終審査進出作家、総勢59名による全63点の作品を一堂に展示するアート展「HERALBONY Art Prize 2024 Exhibition」を2024年8月10日(土)より、三井住友銀行東館 1F アース・ガーデンにて開催します。

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1 月31日から3月15日までの応募期間に集まったアート作品の総数は1,973作品。世界28ヵ国から総勢924名のアーティストから本アワードへの応募がありました。審査を通じて、グランプリが1作品、企業賞が7作品、さらに審査員特別賞として4名が選出されます。

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グランプリ作品および受賞作品については、7月19日(金)に特設サイトおよびプレスリリースにて発表します。また、審査員との協議の結果、想像を超える素晴らしい作品を多数応募いただいたことから、新たに「審査員特別賞」を新設することが決定しました。審査員特別賞についても同日発表いたします。  

「HERALBONY Art Prize 2024 Exhibition」では、 世界11カ国の国から、海外在住の作家20名、国内の作家39名による多様な作品をご覧いただけます。

■応募のあった作家の在住国一覧 

アイスランド、アイルランド、アメリカ、アルゼンチン、イギリス、エチオピア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、キューバ、ケニア、シンガポール、スペイン、タイ、台湾、チリ、デンマーク、ドイツ、トンガ、日本、ニュージーランド、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、香港、リトアニア(50音順) 

■展示作品の作家の在住国

アメリカ、イギリス、エチオピア、オーストリア、スペイン、デンマーク、日本、ニュージーランド、フィンランド、フランス、ベルギー(50 音順)

■「HERALBONY Art Prize 2024 Exhibition」 

会期:2024年8月10日(土)〜 9月22日(日) 
時間:10:00~18:00 
料金:入場無料 
会場:三井住友銀行東館 1F アース・ガーデン(東京都千代田区丸の内1-3-2) 
主催:株式会社ヘラルボニー

日本の渚・百選に選ばれた“関東の沖縄”千葉県・勝浦の鵜原海岸に、海まで5秒の1日1組1棟貸切プライベートホテル 「THE VIBES VILLA」がオープン!

2024/07/02
by 遠藤 友香

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執筆者:遠藤友香


アウトドアパーク「WILDBEACH」などを手がけるRECREATIONS株式会社が、日本の渚・百選に選ばれた千葉県・勝浦の鵜原海岸(うばらかいがん)に、海まで5秒の1日1組1棟貸切プライベートホテル「THE VIBES VILLA(ザ・バイブス・ヴィラ)」を2024年7月20日(土)にオープンします。

“関東の沖縄”とも称される透明度の高い海と、”日本の渚・百選”に選ばれた美しい砂浜が広がる鵜原海岸、豊かな緑とリアス式海岸が続く南房総国定公園に囲まれた勝浦エリア。この閑静なロケーションを活かして、海までわずか5秒の距離に位置する、1日1組限定のスモールラグジュアリーホテル「THE VIBES VILLA (ザ・バイブス・ヴィラ)」が誕生します。”Ocean Hideaway(海の隠れ家)”をコンセプトに、アーバン・サード・リゾートとして、都市の喧騒を離れ心を休めることができる、あなただけのリゾート空間を提供します。

都心から車で90分、電車でもアクセス可能な千葉県勝浦市。”エクスクルーシブ(広がる海と空の絶景)“、”オンリーワン(非日常空間)”、“エスケープ(開放体験)”をテーマに展開される勝浦のビーチに面したオーシャンビューの本施設は、海まで徒歩5秒という好立地のサードプレイスなホテルです。

1棟貸しの1日1組限定のため、自分たちだけのプレミアムな空間を作り出すことができます。また、敷地面積は550㎡となっており、テラスにはジェットバスや薪ストーブテントサウナ(オプション料金)を完備。8名まで宿泊可能なため、ファミリーやグループでの活用もOK。

インテリアは、空間デザイナーの森井良幸氏が手掛け、海外の別荘を彷彿とさせるラグジュアリーな空間を演出し、最先端の家具や電化製品を常備しています。さらに、オプション料金を追加すれば、バーベキューセットも提供。

1. 旬なニューラグジュアリースタイルを体験できるスポット

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ニューラグジュアリーにマッチするトレンド性も網羅した、お金では買えない五感を満たす隠れ家的な場所。“関東の沖縄”とも称される、澄み切った鵜原海岸の波の音に包まれつつ、日常を忘れた贅沢なひとときを過ごすことで、日々のストレスから解放され、充足感を得ることができます。

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コロナ渦以降に需要が高まっている一棟貸しの宿泊施設は、まるで自分たちの別荘のような感覚でリラックスできます。家族や大切な人と、至福の極上体験を味わうことができます。また、記念日や誕生日など、特別なオケージョンを祝うのも◎。

2.ちょっとそこまでのリゾートを。エモーションな非日常体験を身近に

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都心から車で1時間30分で到達する自分たちだけの空間。円安により高騰する海外旅行の代わりに、身近なリゾート地として活用できます。また、海まで徒歩5秒のため、サーフィン、サップ、フィッシングといったアクティビティを、気軽に楽しめるのも魅力的。天候の条件次第によっては、夜に満天の星空を堪能できるなど、勝浦の豊富な自然を存分に味わうことができます。近隣には、勝浦の朝市、白鳥居といった観光施設も充実しているため、空いた時間により一層思い出を深めることも可能です。

3.充実した設備でオーシャンビューを独り占めにできるプライベートスペース

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「THE VIBES VILLA(ザ・バイブス・ヴィラ)」は、4名様まで統一料金設定なので、複数名での利用がお得です。食材は持ち込み自由となっているため、自分好みの料理を作ることができます。

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設備としては、二つのベッドルームを配備し、150インチのモバイルプロジェクターで、映画などを満喫することも可能です。また、テラスエリアはホワイトビーチが敷き詰められており、屋外ジェットバス、ビーチベッド、ガーデンベンチテーブル、ファイヤートーチといった要素で、リゾート気分を高めてくれます。さらに、海と一体化した写真が撮れる、特注大型インフィニティフレームも備えているため、記念のショットをエモーショナルにブラッシュアップできます。

4.空間デザイナー森井良幸氏が手掛けたモダンなインテリアで、特別な時間を

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インテリアは、鴨川のほとりに建つ一棟貸しギャラリー「kojin kyoto」や、瀬戸内海のサンセットを客室から望める「KAMOME SLOW HOTEL」などを設計・監理したデザイナーの森井良幸氏がデザインを担当。

「THE VIBES VILLA(ザ・バイブス・ヴィラ)」は、眼下に広がる海と客室が平行になるように設計されており、どの場所からも海と一体感を感じられる作りとなっています。また、床を1m上げて目線を高くすることで、オーシャンビューをより一層体感できるように趣向が凝らされています。

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インテリアは白を基調としたモダンな空間に、特注照明やスイッチのゴールド色を交えてリュクスな雰囲気を演出。照明は、ソフトな温かみのあるライトを使い、シックに仕上げています。さらに、所々に配された壁面のグラフィックは、室内スイッチの使い方をプレイフルに表現しています。

海まで5秒のプライベートホテル「THE VIBES VILLA(ザ・バイブス・ヴィラ)」に、ぜひ大切な方と訪れて、一生記憶に残る素敵なひとときをお過ごしください。


■THE VIBES VILLA(ザ・バイブス・ヴィラ)
千葉県勝浦市鵜原918
敷地面積:550㎡
宿泊可能人数:8名様まで宿泊可能
部屋数:リビング、2ベッドルーム
ベッド数:キング1、 ダブル2、シングル2(電動リクライニング)
予約サイト:https://x.gd/AKMyI
 (2024年7月2日(火)から予約開始)
グランドオープン:2024年7月20日(土)
価格:4名様利用 112,750円(税込)
※素泊まり  ※4名様まで統一料金
チェックイン:15:00/チェックアウト:11:00
駐車場:4台まで
オプションプラン:
・薪ストーブテントサウナ
・ウェーバー社製バーベキューグリル
女子旅プランも実施 宿泊代20%OFF ※平日限定

The Vibes Villa

6月20日は「世界難民の日」。ファーストリテイリンググループが、難民の自立支援活動をはじめ、世界の難民・国内避難民への支援を拡充

2024/06/26
by 遠藤 友香

執筆者:遠藤友香

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(左から)株式会社ファーストリテイリング取締役 グループ上席執行役員 柳井康治氏、Harmony Sisters Network 代表 カディザ べゴム氏、国連難⺠⾼等弁務官事務所駐⽇代表 伊藤礼樹氏


6月20日は「世界難民の日」です。国連の難民支援機関であるUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、難民、国内避難民、無国籍者などを国際的に保護・支援するため、世界約135カ国で活動しています。2023年12月にスイス・ジュネーブで開催された「グローバル難民フォーラム」の主催団体として、共同議長国の日本などと連携しながら、多様なパートナーとともに、“社会全体で取り組む難民支援”の推進に取り組んでいます。

UNHCRは2024年6月13日、世界の難民や国内避難民、無国籍者などに関する最新データを集めた年間統計報告書「グローバル・トレンズ・レポート 2023」を公開しました。2024年5月時点で、故郷から避難を余儀なくされた人が12年連続で増加し、過去最多の1億2,000万人に到達したことが発表されました。1億2,000万人は、世界で12番目に多い日本の人口に相当します。

2023年に、強制移動が歴史的な規模に達した背景には、新たに勃発した紛争、変化しながら続く紛争に加え、長期化した危機が解決に至っていないことなどが影響しています。特にスーダンで激化している紛争が強制移動の増加に大きく影響しており、2023年末時点で故郷を追われたスーダン人は合計1,080万人に及んでいます。また、コンゴ民主共和国とミャンマーでは、激しい戦闘により、数百万人が国内で避難を強いられています。

UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の推計では、ガザ地区で続く壊滅的な暴力により、昨年末時点で170万人(人口の75%)近くが避難を強いられており、その多くはパレスチナ難民です。シリアでは世界最大の難民危機が続いており、国内外で1,380万人が避難を強いられています。

フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は「これらの厳しい現実、数字の増加の裏側には、数えきれないほどの悲劇があります。その苦しみを前に、国際社会は立ち上がり、強制移動の根本的原因に緊急に取り組まなければなりません」と訴えます。「今こそ、紛争に関わる当事者が、戦争に関する基本的な法律と国際法を尊重しなければならない時です。紛争、人権侵害、そして気候変動に対処するため、さらなる協力、一致団結した努力が必要であることは明白です。そうしなければ、強制移動は増え続け、より一層の悲劇につながり、人道支援に必要な資金が拡大を続けることになります」と述べています。

報告書では、強制移動の中で最も増えているのは、紛争により国内で避難を余儀なくされた国内避難民です。国内避難モニタリング・センター(IDMC)の報告によると、5年間でほぼ50%の増加、6,830万人に達しています。

難民、その他の国際保護を必要としている人は、UNHCRおよびUNRWAの支援対象者合わせて4,340万人に増加しています。難民の大多数は近隣国で受け入れられており、その国々の所得を合わせても全世界の所得の20%に満たない、低中所得国で75%が暮らしています。

一方で、2023年には、国内避難民500万人以上、難民100万人以上が故郷に帰還しているという報告も出ています。これらの数字は、長期的な解決策に向けた前進の表れといえます。さらに第三国定住を通じた新たな受け入れは、16万人近くまで増加しました。

グランディ高等弁務官は「難民、そして受け入れコミュニティは、連帯と支援の手を必要としています。それぞれのコミュニティで受け入れが進めば、難民は社会に貢献できる存在であり、実際に貢献しています。同様に、2023年に帰還した数百万人は大切な希望の兆しです。私たちは、ケニアなどの国々が、難民の包括的受け入れによる社会づくりをリードしてきたのを見てきました。解決策は必ず存在します。しかしその実現のためには、実際の現場での責任ある関与と行動が不可欠です」と強調しています。

また報告書では、これまでよりも一層、故郷を追われた人々が気候危機の影響を不釣り合いなほどに大きく受けている状況についての新たな分析も示されています。

「グローバル・トレンズ・レポート 2023」で明らかとなった、1億2,000万人が故郷からの避難を余儀なくされている現状と大きな課題。UNHCRは、世界中で故郷を追われた人々を支援するために新たな対策への取り組みを続け、解決策の実現を目指す責任を果たしていくとのことです。

6月20日の「世界難民の日」に先立ち開催されたファーストリテイリンググループのイベント

ファーストリテイリンググループは、6月20日の「世界難民の日」に先立ち、6月19日に難民支援活動メディア説明会および 「” 届けよう、服のチカラ” プロジェクト」 ユニクロ特別課外授業を、国連難民高等弁務官事務所(以下UNHCR)の協力のもと、TOHO シネマズ 六本木ヒルズにて開催しました。

第一部ファーストリテイリンググループ難民支援活動メディア説明会において、グランディ高等弁務官はビデオメッセージを通じて、「世界では現在1億2,000 万人を超える人々が、紛争や迫害によって故郷からの避難を余儀なくされています。これは破られてはならなかった記録的な数字であり、その背後にいる数多くの人々、一人ひとりの物語や立ち上がる力をかき消してしまうほどの数字です」。「ファーストリテイリングは、民間企業による難民支援を牽引し、さまざまな活動を通じて企業としてのコミットメントを示すとともに、企業がいかに重要な役割を果たすことができるかを示し、難民が活躍するための道を切りひらく模範となってきました」と述べました。

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株式会社ファーストリテイリング取締役 グループ上席執行役員 柳井康治氏


株式会社ファーストリテイリング取締役 グループ上席執行役員 柳井康治氏は、「ファーストリテイリングは2006年から、世界の難民・国内避難民を支援するためUNHCRと協業してきました。グローバルに展開する服のビジネスの基盤を活かし、紛争や災害などによって難民となってしまった方々に対する衣料支援に加え、教育や職業訓練を通した自立支援や雇用支援など包括的な難民支援を行っています。世界で増え続ける難民の問題解決に向け民間企業の果たせる役割は大きく、UNHCR のグローバルパートナーであるファーストリテイリングは、今後も難民支援活動の継続とさらなる貢献をしていきます」と語りました。

ファーストリテイリンググループの難民支援活動のあゆみ(一部抜粋)

・2001年にNPOとともにアフガニスタン難民にエアテックジャケット 12,000着を寄贈。
・2006年からはUNHCRと協働し、難民キャンプへの訪問や衣料支援を開始。 2011年には UNHCRとの
グローバルパートナーシップを締結。
・2011年からユニクロ事業で難民雇用を開始し、2024年4月時点では日本国内のユニクロやジーユー
の店舗などで 60名の難民が就労 。 アメリカやドイツなど海外事業でも難民雇用を推進。
・2022年からバングラデシュでロヒンギャ難民の自立支援プロジェクトを開始し、2023年には年間 340万枚のサニタリーナプキンやショーツを生産、14の難民キャンプで11万人以上の難民女性たちに配布。
・2022年には平和を願うチャリティTシャツプロジェクト「PEACE FOR ALL」をスタートさせ、2024年4月までに400万枚のTシャツを販売し、UNHCRを含む人道支援団体への寄付額は12億円を達成。
・2024年6月には、ファーストリテイリング財団が支援する「さぽうと 21」が、日本初の難民教育相談センター「Educational Support Center for Refugees(通称:えすくーる)」を開設。

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(左から)株式会社ファーストリテイリング取締役 グループ上席執行役員 柳井康治氏、Harmony Sisters Network 代表 カディザ べゴム氏


以前、ユニクロで難民雇用として採用され 、現在は難民背景の子どもたちの教育支援を行う NGO代表を務める、カディ ザ ・べゴム氏も登壇し、難民当事者としての思いを語りました。ファーストリテイリンググループは、衣料支援に加え、 難民の自立を支援の柱に位置付けており、引き続き、教育や職業訓練、雇用支援などの取り組みを推進していくとのことです。

第二部「“届けよう、服のチカラ” プロジェクト」 ユニクロ特別課外授業

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第二部では、「” 届けよう、服のチカラ” プロジェクト 」 ユニクロ特別課外授業を開催しました。ユニクロ LifeWearスペシャルアンバサダーの綾瀬はるかさんが講師助手として登壇し、昨年綾瀬さんと一緒にプロジェクトに参加した成蹊小学校6年生124名の生徒を対象に、難民の方への衣料支援に関する授業を実施しました。

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(左から)東京⼤学⼤学院教育学研究科 北村友⼈教授、綾瀬はるかさん(ユニクロLifeWearスペシャルアンバサダー)


授業では、特別講師の東京大学大学院教育学研究所の北村友人教授から難民の方たちのおかれている状況や環境について説明。学校へ行けないことから将来の仕事の機会が限られており、教育はとても重要であることが話され、生徒たちと難民の子どもたちの教育問題についても考える授業となりました。

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綾瀬はるかさん(ユニクロLifeWearスペシャルアンバサダー)


また、衣料の支援の話にも広がり、集められた服がどのように難民の方に届くのかを動画で紹介。綾瀬さんが、服を仕分けして海外に発送する拠点を訪問し、作業を体験しました。綾瀬さん自身も私物を寄付し、実際に受け取った女性からの映像メッセージを観て、「自分の服を受け取った方からメッセージをもらえると思っていなかったので感動しました。服のチカラで笑顔になっている姿を見られて嬉しいです」と語りました。

また、成蹊小学校からウクライナ難民の子どもたちへ、服とギフトが届けられたショートムービーを観た生徒は、「自分たちで作ったギフトで遊んで笑顔になってくれたのがとても嬉しかった」と喜んだ様子で話していました。最後に、難民の子どもたちからの御礼のメッセージカードが綾瀬さんから成蹊小学校の生徒へ手渡され、綾瀬さんから「皆さんの想いが難民の子どもたちに伝わって良かったですね。これからもできることを一歩ずつ、少しずつ、一緒にやっていきましょう」と生徒たちにメッセージを贈りました。

まとめとして、成蹊小学校の生徒さんが、今回のユニクロ特別課外授業を通して感じたことをご紹介します。

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成蹊小学校6年生 河崎伶奈さん


「服元気させること、服が暑さから身体を守ってくれることを知って、って大切って思いました。ウクライナの難民の方々がありがとうって言ってくれて、すごく嬉しかったです」。

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成蹊小学校6年生 永山大成さん


難民方々とても大変だしたちなどあげることによってよりもっと元気なってほしい思います」。


以上、6月20日の「世界難民の日」に先立ち、ファーストリテイリンググループが開催した、難民支援活動メディア説明会および 「” 届けよう、服のチカラ” プロジェクト」 ユニクロ特別課外授業についてご紹介しました。難民の方々が今置かれている状況を、一人ひとりが自分事として理解し、社会全体で難民支援について考えるきっかけとなれば幸いです。

物がもつ従来の⽤途から切り離すことで、デザインすること、形を⽣み出すことについて思考するグループ展「Not Quite」

2024/06/26
by 遠藤 友香

Photo: Kohei Omachi (W) courtesy of PARCEL

執筆者:遠藤友香


2019年6⽉、東京・⽇本橋⾺喰町の「DDD HOTEL」の⼀⾓に開廊したギャラリー「PARCEL(パーセル)」。⻑年ギャラリー業に従事してきた佐藤拓がディレクターを、アートコレクティブ「SIDE CORE」の⼀員、⾼須咲恵がプログラム・アドバイザーを務めています。

元々、⽴体駐⾞場だった特徴的な空間において、現代美術を軸にカルチャーを横断するプログラムを形成し、国内外の幅広い作家を紹介。2022年2⽉には、PARCELの裏側に位置する「まるかビル」2Fに2つ⽬の拠点「parcel」を開廊。PARCELとparcelは両スペースを通して、時代に対して多⾓的なメッセージを発信しながら、コマーシャルギャラリーとプロジェクトスペースの特性を併せ持った存在とプログラム構成を⽬指しています。

この度、PARCELにおいてグループ展「Not Quite」が2024年6⽉30⽇(⽇)まで開催中です。私たちが⽇々の⽣活の中で何気なく触れている、椅⼦、焼物などのプロダクトや⼯芸と呼ばれるもの、アートなどが本来の「⽬的」から逸脱したとき、カテゴライズ⾃体が無⼒化し、より純粋にそのフォルム、マテリアルを享受することができるのではないかと、PARCELは問うています。

グループ展に参加しているイ・カンホ、橋本知成、太⽥琢⼈、⽮⼝周太郎といった4⼈のアーティスト、デザイナー、ショップオーナーは、家具や物がもつ従来の⽤途からそれらを切り離すことで、デザインすること、形を⽣み出すことと形そのものについて考えることを促しています。

次に、それぞれの作家についてご紹介します。

1.イ・カンホ

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Photo: Kohei Omachi (W) courtesy of PARCEL


プロフィール:弘益⼤学校にて⾦属⼯芸とデザインを学んだ後、韓国のソウルを拠点に活動。⾝の回りにある素材から、さまざまな⽇⽤品をつくっていた農業家の祖⽗の影響を受け、幼少期から⾃らの⼿で⾝近な素材をもとに新たに作り出すことに楽しみを⾒出してきた。その体験をもとに、⽇常のものに新たな意味と機能を与える⼿法で⽇々制作を続けている。最近は、素材が別の素材と結びつく瞬間を発⾒することをテーマに次々と新作を発表している。Design Miami/Baselで審査員特別賞(2009年)、韓国政府⽂化部のArtist of the Year(2011年)、Yaol/韓国⽂化遺産協会のYoung Craftsman of the Year(2013年)、Designer of the Year(2017年)など受賞多数。

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Photo: Kohei Omachi (W) courtesy of PARCEL


ソウル拠点のイは彫⾦出⾝でありながら、現在は⼯業⽤のワイヤーやロープを鍵編みしたベンチや照明、伝統的な七宝焼きをベースにした作品を制作しています。

ソウル郊外で暮らしていた祖⽗から⾝の回りの物を⾃分で作ることを叩き込まれたイは、作品を通して、世に溢れている素材に対しての⼯夫とそれを駆使した新たな造形について気づかせる作品を多く残しています。


2.橋本知成

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Photo: Kohei Omachi (W) courtesy of PARCEL


プロフィール:1990年、和歌⼭県⽣まれ。2012年に、京都教育⼤学教育学部美術領域専攻を卒業。2014年、⾦沢美術⼯芸⼤学⼤学院⼯芸専攻陶磁コース修了。2017年に、⾦沢美術⼯芸⼤学⼤学院博⼠後期課程⼯芸研究領域陶磁分野を修了している。

Kyoto Art for Tomorrow−京都府新鋭選抜展2019で産経新聞社賞(2019年)、神⼾ビエンナーレ2015 現代陶芸コンペティションで準⼤賞(2015年)など受賞多数。Victoria and Albert Museum、LOEWE Foundation、Park Hyatt Kyoto、HOTEL THE MITSUI KYOTOなどにコレクションされている。

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Photo: Kohei Omachi (W) courtesy of PARCEL


橋本知成は信楽を拠点に活動しており、⼟を素材に、焼物と時にはモルタルを組み合わせた彫刻作品で知られ、焼物が持つフラジャイルなイメージとモルタルが持つマスキュリンな印象を組み合わせながら、素材間の緊張感を通して我々に、フォルム、重量、重⼒について考えさせる作品を制作しています。2019年のLOEWE CRAFT PRIZEファイナリストでもある彼の作品の肌は、鉱物を連想させるような不思議な光沢で覆われ、対峙する⾓度によって⼤きくその表情を変えます。


3.太⽥琢⼈

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Photo: Kohei Omachi (W) courtesy of PARCEL


プロフィール:1993年、フランス⽣まれ。2017年武蔵野美術⼤学⼯芸⼯業デザイン学科卒業。2022年東京藝術⼤学美術研究科デザイン専攻修⼠課程卒業。物と⼈間のコミュニケーションについて興味があり、⽇常の観察の中で新たな視座の発⾒を作品へ変換する。特定の分野に固執せず、プロセスや考え⽅の流動性と多元的思考を⼤切にしている。

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Photo: Kohei Omachi (W) courtesy of PARCEL


デザイナーである太⽥琢⼈は、⽇常の観察を通しての作品を発表している作家です。ただ、⼀貫してそこにはアウトプットの造形に向かう姿勢とクリティックとしての視点もあり、⽣活を通しての取捨選択や物事の認知、社会システムなどと作品テーマは広いのが特徴です。既存の枠組みにとらわれることなく、インテリアプロダクトからインスタレーションまでと横断をしながら発表を続けています。


4.⽮⼝周太郎

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Photo: Kohei Omachi (W) courtesy of PARCEL


プロフィール:「YOU ARE WELCOME」オーナー、プロップスタイリスト、プロダクトデザイナー。

2018年にショップ「YOU ARE WELCOME」をスタートさせる。80年代以降のポストモダンデザインを筆頭に、前衛的で挑発的な造形美のものを中⼼に、様々な年代やジャンルのアイテムをセレクト。⽮⼝周太郎によるオリジナルの什器も展開している。雑誌やCDジャケット、広告やミュージックビデオの美術/プロップスタイリングも⼿がけ、アートやプロダクトのデザインも⾏う。

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Photo: Kohei Omachi (W) courtesy of PARCEL


⽮⼝周太郎は、東京都内で「YOU ARE WELCOME」というインテリアショップを営んでいます。巨匠のモダンデザイン家具から作者不明の何かまで、その特異な審美眼から選び抜かれた品々は不思議な調和を産んでいます。フォルム、⾊彩という点においてユニークなプロダクトたちは、⽮⼝のフィルターを通し、あらたなコンテクストを帯びた状態で再度世に出されます。


PARCELは、タイトル「Not Quite」(~でなくもない) にもあるように、いつも私たちが⾒慣れている視点からはみ出ている作品を中⼼に作家を選んでいます。これら居⼼地の良いカテゴリーを⾶び出してしまっている「〜でなくもない」作品や審美眼を通して、デザインとアートのいびつかつ奇妙な相関関係を⾒ていただくとともに、形というものを純粋に楽しんでいただけたらと述べています。


■“Not Quite”A Group Exhibition by:
イ・カンホ | Kwangho Lee
橋本 知成 | Tomonari Hashimoto
太⽥ 琢⼈ | Takuto Ohta
⽮⼝ 周太郎 | Shutaro Yaguchi

日時:2024年5⽉18⽇(⼟)ー6⽉30⽇(⽇)/14:00ー19:00

場所:PARCEL
東京都中央区⽇本橋⾺喰町2-2-1 DDD HOTEL 1F

休日:⽉・⽕・祝⽇

PARCEL (parceltokyo.jp)

東京湾に広がる埋立地に着目し、 島の可能性を探究する。建築コレクティブ「GROUP」による個展 「島をつくる | Planning Another Island」

2024/06/23
by 遠藤 友香

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執筆者:遠藤友香


2023年7月に銀座・歌舞伎座タワー22Fにオープンした、株式会社マイナビが東京・銀座で運営するアートスペース「マイナビアートスクエア(MYNAVI ART SQUARE / 通称:MASQ)」。学生、ビジネスパーソン、企業、教育機関とアーティストの繋がりを後押しするプラットフォームです。

複雑化した社会で、主体的に考え柔軟に判断していく力を養うきっかけとなる「アート」や「アート思考」、「リベラルアーツ」を起点にプログラムを展開しています。MASQは、新たなアイディアやアプローチをもたらすアーティストやキュレーター、コレクティブ(共同体)などの表現者らと共に、機械やAIでは代替できない、一人ひとりのもつ潜在的な可能性を広げることで、豊かな未来を共創することを目指しています。

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この度MASQにおいて、2024年7月6日(土) まで、建築コレクティブ「GROUP」による個展「島をつくる | Planning Another Island」を開催中です。

GROUPは、建築プロジェクトを通して、異なる専門性を持つ人々が仮設的かつ継続的に共同できる場の構築を目指し、建築設計・リサーチ・施工をする建築コレクティブ。主な活動として、設計・施工「夢洲の庭」(大阪府、2025)、設計・運営「海老名芸術高速」(神奈川県、2021)、設計・施工「新宿ホワイトハウスの庭」(東京都、2021)、企画・編集「ノーツ 第一号 庭」(NOTESEDITION、 2021)、設計「EASTEAST_TOKYO」(アートフェア会場構成、2023)、 グループ展「InvolvementRain/Water passage」(金沢21世紀美術館 DXP展、2023)、個展「手入れ/Repair 」(WHITEHOUSE、2021)などがあります。

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銀座に位置するMASQの窓からの景色には、東京湾に浮かぶ埋立地が広がっています。本展は、その大きな島を生成する建築を介して、もうひとつの島の可能性を探究します。ある住宅の改修工事の過程で発生した廃材が会場内に運び込まれ、それらを土へと還すコンポストが展示されています。その後、ひとつの住宅から生まれた土を、展示会場からもとの場所へと戻すことで、島のかたちを変える試みを実践します。

産業廃棄物となった住宅の廃材を循環させる仕組みを展示会場内に再現したインスタレーションは、観る者にいくつもの問いを投げかけます。これまでにもGROUPは、スクラップ・アンド・ビルドを繰り返してきた都市開発、建築のあり方を再考し、その実践過程そのものをアート作品へと昇華するプロジェクトを数多く手掛けてきました。近年、GROUPが力を注ぐ建築の終着地についてのリサーチ、新たな選択肢を模索するプロセスを体現した本展は、私たちの日々の暮らしから生み出されている島のあり方に考えを巡らせる機会となることでしょう。

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GROUP共同代表 井上岳氏

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GROUPの共同代表である井上岳氏は、「解体してしたものたち成増住宅持ち帰っ床材したり壁材戻して、また使っいこう思っています

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マルチングという、表面仕上げたりする使えたりって、何っていう展示でもあったりしてガラス砕く、珪砂(けいしゃ)というテニスコート同じ材料なるですけど、砕い戻しみたり石膏とかコンクリート砕く石灰なってくるので、それ言えかもしれないいうこと僕らなり分解試みいるという感じです。

会場には音が流れているですが、普段埋立地処理音、例えば鳥いっぱいいるですけどとか分解した鳴っています。また、日本全国地震起こると、地震起こりましたって知らせる鳴るようなっていてこの風景を眺めながら地震神話日本における建物空間あり方という直せよう展示なるいい思っ作っています」と語っています。


以上、建築コレクティブ「GROUP」による個展「島をつくる | Planning Another Island」についてご紹介しました。建築を介して、もうひとつの島の可能性を探究する本展に、ぜひ足を運んでみては?


■「島をつくる | Planning Another Island」

会期:2024年5月23日(木)〜7月6日(土)
場所:MYNAVI ART SQUARE
東京都中央区銀座4-12-15 歌舞伎座タワー22F
開館時間:11:00〜18:00
休館日:日・月・祝

エイベックスのアート事業「MEET YOUR ART」から、「五感」をテーマにジンブランド「ボンベイ・サファイア」とコラボし、90年代以降のアーティストと共創する「5 SENSES」が始動

2024/06/23
by 遠藤 友香

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執筆者:遠藤友香


エイベックスのアート領域における事業「MEET YOUR ART」から、バカルディ ジャパン株式会社が輸入し、サッポロビール株式会社が販売するジンブランド「ボンベイ・サファイア」とコラボレーションし、「五感」をテーマに90年代以降のアーティストと共創する展示企画「5 SENSES」が、2024年6月29日(土)まで、港区・西麻布にあるWALL_alternativeにて開催中です。

本展では、今回のプロジェクトで共創する気鋭アーティスト、和泉侃氏(嗅覚)、菅原玄奨氏(触覚)、高山夏希氏(視覚)、布施琳太郎氏(聴覚)によるそれぞれの感性にまつわる作品を展示するほか、日比野菜穂氏(味覚)が和泉侃氏(嗅覚)とともに、この空間のためだけに開発したボンベイ&トニックのツイストカクテルのフードペアリングを無料で楽しむことができます。

次に、各アーティストの言葉をご紹介します。

和泉侃(嗅覚)

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「本作品では、空間全体を香りで満たし、ボンベイ・サファイアの味わいの源となるボタニカルに、嗅覚からアプローチする実験工程にご参加いただきます。漂う香りは、ジンの世界ではまだ使用例の少ないレモンティーツリーやホーリーバジルなど、新たな素材を調香領域の視点からセレクトしました。柑橘類の爽やかさを彷彿とさせるリモネンの含有量が高い原料をメインに揃え、明るくビビッドな色彩を感じる、エネルギッシュな香りに仕上げました。嗅覚に焦点を当てる本作品を通じて、ボンベイ・サファイアのキャラクターをより深く感じ、新しいペアリングの可能性や楽しみ方を発見するきっかけになれば幸いです」。

日比野菜穂(味覚)

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「嗅覚を担当する和泉さんの原材料をもとに、カクテルと一口菓子を制作しました。バーテンダー・齋藤隆一さんのお力添えをいただき、ボンベイ・サファイアと蒸留水を使用した爽やかなカクテルとともに、フードペアリングとして、和泉さんが蒸留したレモングラスの精油を、ボンベイ・サファイアで希釈した琥珀糖を制作しました。口にした瞬間、レモングラスの畑が目に浮かび、梅雨晴れのような清々しい気持ちになっていただくことをイメージして制作しました。味覚を通して、皆様に想像力が広がるような体験をしていただけると嬉しいです」。

菅原玄奨(触覚)

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「『5 SENSES』では触覚性をテーマに、過去に制作した人物像や触覚的な手の痕跡を残したレリーフ作品『Tactile』シリーズ、近年実験的に取り組んでいる照明を展示什器に取り入れることで、表面のテクスチャーをよりフラットに可視化した近作を展示します。これらの作品は共通して、粘土原型段階の湿気と乾燥、型取り段階のネガとポジ、そして成型による内側と外側といった対極的な二つの要素の間に成り立っています。世の中の相反する様々な事柄や意見の間に、人々もまた、かろうじて立っているように思うのです」。

布施琳太郎(聴覚)

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「視界を埋めつくす青い光に包まれながら『機械の音』を聞いてもらう作品。ボンベイ・サファイアとのコラボレーションということで、アルコールを舌につけるように鼓膜を敏感にしていただいて、複数の言語の間を泳ぐような時間を作りました」。

高山夏希(視覚)

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「6月6日からの展示では、ブルーを基調にした大型作品を中心に、ボンベイ・サファイアとのコラボレーショングラス/ボトルボックスデザインに採用された作品を展示します。今後の作品に向けては、ボンベイ・サファイアの特徴的なボトルを溶かし、セラミック作品との融合で再生成します」。


以上、WALL_alternativeにて開催中の、「五感」をテーマに90年代以降のアーティストと共創する展示企画「5 SENSES」についてご紹介しました。五感にひらめきを与えてくれる本展に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

5 SENSES 五感にひらめきを与える、創造体験 | ボンベイ・サファイア (bombaysapphire.jp)

超現実主義的なパフォーマンスシリーズが展開。プラダ財団の企画による展覧会「MIRANDA JULY: F.A.M.I.L.Y.」

2024/06/23
by 遠藤 友香

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執筆者:遠藤友香


「PRADA(プラダ)」は、プラダ財団の企画による展覧会「MIRANDA JULY: F.A.M.I.L.Y.」を、2024年8月26日(月)までプラダ 青山店にて開催中です。

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ミランダ・ジュライ:映画監督、アーティスト、作家。カリフォルニア州バークレーで育ち、現在はロサンゼルス在住。『ザ・フューチャー(The Future)』、『君とボクの虹色の世界(Me and You and Everyone We Know)』(カンヌ国際映画祭カメラ・ドール賞とサンダンス映画祭審査員特別賞受賞、2020年にクライテリオン・コレクション社から再リリース)の脚本、監督、主演を務める。直近の映画作品は『さよなら、私のロンリー(Kajillionaire)』(2020年)。アート作品は、ウェブサイト《Learning to Love You More》(ハレル・フレッチャー共作)、《Eleven Heavy Things》(2009年ヴェネチア・ビエンナーレのために制作されたスカルプチャー・ガーデン)、《Somebody》(ミュウミュウと共同制作したメッセージアプリ)、高級百貨店内の異宗教リサイクルショップ(Artangel提供)など。2022年にMACK Booksが直近の作品《Services》のリミテッドエディションを製作。現在までの活動のモノグラフが2020年4月に出版されている。著書には、『あなたを選んでくれるもの(It Chooses You)』、『最初の悪い男(The First Bad Man)』、『いちばんここに似合う人(No One Belongs Here More Than You)』(フランク・オコナー国際短篇賞受賞)などがある。ジュライの小説は23か国で出版され、『The Paris Review』や『The New Yorker』、『Harper’s』諸誌に掲載。小説最新刊『All Fours』は2024年5月にRiverhead Booksから発売予定。



アメリカのアーティストであり映画監督でもあるミランダ・ジュライ(1974年生まれ)は、30年以上にわたり、パフォーマンスやビデオ、インスタレーション作品を制作してきました。1990年代のパンククラブにおける初期のパフォーマンス作品から、舞台で行われる複雑なマルチメディア作品に至るまで、ジュライは力や脆さに対して私たちが抱く思い込みに疑問を呈する、想像力に富む社会的世界を創り出しています。ジュライの作品は様々なテクノロジーを取り入れ、時には意図的に誤った使い方を行いながら、コラボレーションやコネクションの新たな可能性を探求しています。

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東京のプラダ 青山店で開催中の最新作《F.A.M.I.L.Y.(Falling Apart Meanwhile I Love You)》(2024)は、マルチチャンネルのビデオインスタレーションで、Instagramを介して、7人の見知らぬ人たちとのコラボレーションによるパフォーマンスで構成されています。ミア・ロックスのキュレーションによる本展は、東京で開催するジュライにとって初となる個展です。同時開催中のミラノのOsservatorio Fondazion Pradaを会場として、2024年10月まで行われる《MIRANDA JULY:New Society》は、ミュージアムで開く自身初の個展となります。

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2020年に始まった《F.A.M.I.L.Y.》は、Instagramのプライベートチャンネルを通して、ジュライのプロンプトシリーズに返答した7人の参加者とのコラボレーションによって制作されたもの。ジュライは、ソーシャルメディアコンテンツ向けにデザインされた無料編集アプリの「切り抜き」ツールを使用し、ジュライと参加者が親密性と境界を探求する超現実主義的なパフォーマンスシリーズを生み出しています。ロサンゼルスにあるジュライのスタジオで流れている映像を背景に映し出される、拡大されたコラージュのポスターを手に取るよう、見る人たちを誘います。

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(左から)ミランダ・ジュライ、ミア・ロックス


ジュライは「《F.A.M.I.L.Y.》で、私はInstagramで期待されている事柄の一つとして認識している、『自分の心が満たされるほど美しく素晴らしいと人の目に映ること』に労力をかけて、手作業で実現しようと試みています」と語っています。

キュレーターのミア・ロックスは「これは、ジュライが積極的に取り入れている作品形式で、ジュライ自らが開始し、ある程度支配し、やり取りはしますが、それだけではなく、他の人の望みや行動をその中に積極的に取り込んでいます。力と支配の共有を試行錯誤しているということであり、時には遊び心がある方法でそれを行っているのです」と述べています。


以上、プラダ 青山店にて開催中の展覧会「MIRANDA JULY: F.A.M.I.L.Y.」についてご紹介しました。気になる方は、ぜひ会場に足を運んでみてはいかがでしょうか。


■「MIRANDA JULY: F.A.M.I.L.Y.」

場所:プラダ 青山店 東京都港区南青山5-2-6

会期:2024年5月9日~8月26日

時間:11時~20時(月曜日~日曜日)

Miranda July F.A.M.I.L.Y. Prada Aoyama | PRADA

スイスから初来日! 東京大学で開催された、量子物理学の核心に迫るアート&サイエンス・パフォーマンス「ティンゲリー・エンタングル」

2024/06/18
by 遠藤 友香

Ayako Suzuki / 提供 在日スイス大使館


執筆者:遠藤友香


世界を牽引するスイスの量子技術。スイスと日本は、科学・技術・イノベーションの分野で共通の目標を掲げ、この重要な戦略分野に投資しています。2023年10月には、量子科学を含むあらゆる研究分野において、スイスと日本の既存の関係を強化するための国際協力覚書(MoC)が交わされました。

在日スイス大使館科学技術部は、理化学研究所 量子コンピュータ研究センターと共に、本分野でのスイスと日本の専門家の連携をさらに進めるべく、2024年6月5日~7日に、東京大学、弥生講堂・一条ホールにて、3日間のシンポジウム「Swiss-Japanese Quantum Symposium 2024」を開催。

1460年に創立した、スイスで最も歴史のある名門大学 バーゼル大学のダニエル・ロス教授と、理化学研究所量子コンピューティング研究センター長の中村泰信博士が共同議長を務めたこのシンポジウムは、最先端の量子研究とイノベーションにおける、スイスと日本の専門家の協力関係を拡大することが目的でした。

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Ayako Suzuki / 提供 在日スイス大使館

また、スイスと日本の国交樹立160周年を祝う2024年、スイス大使館はバーゼルの音楽祭「Interfinity」と共に、最先端の量子物理学の世界を音楽と視覚で感覚的に体験するアート&サイエンス パフォーマンス「Tinguely Entangled(ティンゲリー・エンタングル)」の特別公演を、最終日の6月7日に東京大学、弥生講堂・アネックスセイホクギャラリーにて開催しました。

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Ayako Suzuki / 提供 在日スイス大使館

量子コンピューティングの基礎を分かりやすく紹介する「ティンゲリー・エンタングル」は、量子物理学の中心的概念である「重ね合わせ」「エンタングルメント」「コヒーレンス」「トンネリング」を、感覚的に音楽とビジュアルを用いて紹介するサイエンス×アートパフォーマンスです。

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Ayako Suzuki / 提供 在日スイス大使館

5人の物理学者が舞台や映像上でストーリーを語り、ライブミュージックとビジュアル・アートがその内容を補足します。鑑賞者は、サウンドとビジュアル・アート、舞台とエレクトロニック・ミュージックをミックスしたユニークな体験に身を委ねることができました。

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Ayako Suzuki / 提供 在日スイス大使館

本パフォーマンスは、スイス人ピアニストでInterfinityのディレクターのルーカス・ロス(Lukas Loss)が、バーゼル大学を拠点とするNCCR SPINの研究者ヘンリー・レッグ(Henry Legg)と共同で脚本を制作。物理学者のアリアンナ・ニグロ(Arianna Nigro)、ラファエル・エグリ(Rafael Eggli)、ヴァレリイ・コジン(Valerii Kozin)、リウ・ジョンチン(Jung-Ching Liu)らと共に制作した共同プロジェクトです。

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Ayako Suzuki / 提供 在日スイス大使館

ヘンリー・レッグは「量子ビット」について、次のように説明しました。『量子ビットは今夜の主役です。しかし、まずは現代のデジタル世界全体の基礎である、その古典的なバージョンであるビットから始めましょう。電灯のスイッチのように、古典的なビットは単に「オン」か「オフ」です。しかし、何十億ものビットを組み合わせると、コンピューターやスマートフォンを作ることができます。人間が一生かけて行う計算を瞬時に実行できるものです。

では、量子ビットとは何でしょうか? 量子ビットは「オン」と「オフ」を同時に行うことができます。これを「重ね合わせ」と呼び、これは量子システムの基本的な特性です。シュレーディンガーは有名な例え話をしました。箱の中に猫を入れ、毒の入った小瓶をランダムに破裂させるとします。そして、ある時点で「猫は生きているのか、死んでいるのか?」と尋ねます。箱を開けて確認するまで、猫は死んでいるのと生きているのとでは異なります。

実際に、量子ビットを作るにはどうすればよいでしょうか? 1つの方法は、電子をトラップして、いわゆる「スピン」を使用することです。上または下を指す矢印を想像してください。上は「オン」を意味し、下は「オフ」を意味します。ただし、スピンは量子力学的特性であるため、「上」と「下」を好きなように組み合わせることもできます。つまり、量子ビットがあるのです」。

ヴァレリイ・コジンは「エンタングルメント」について、『もし量子ビットが2つあったらどうなるでしょうか? 1つの量子ビットの重ね合わせを、別の量子ビットの重ね合わせとリンクさせることができます。これが「エンタングルメント」と呼ばれるものです。

最初の量子ビットが「オン」の場合、2番目は「オフ」でなければなりません。猫の箱が別の猫の箱とエンタングルメントされている場合、猫番号2は、おそらく宇宙の反対側にいて、猫番号1を見つける方法に応じて、死んでいるか生きているかになります。アインシュタインはこれを「遠隔での不気味な動作」と呼びました。

または、2人の人が同じフレーズを完璧に同期して、何度も繰り返しているところを想像してください。もし彼らが「エンタングルメント」されているなら、たとえお互いの声が聞こえず、お互いが見えず、宇宙全体が彼らの間にあっても、同じフレーズを完璧に同期して何度も繰り返します。何十億もの量子ビットをエンタングルメントすれば、量子コンピューターを構築できます。量子コンピュータは、エンタングルメントの巨大な力により、最高の古典的なスーパーコンピュータでも、宇宙の年齢よりも長い時間がかかる計算を実行できます』と語りました。


以上、東京大学で開催された、量子物理学の核心に迫るアート&サイエンス・パフォーマンス「ティンゲリー・エンタングル」についてご紹介しました。アートを窓口に、難解で理解不可能にも思われる量子物理学の世界感に、観客全員が引き込まれていました。


■「Tinguely Entangled(ティンゲリー・エンタングル)」公演

日時:2024年6月7日 19時ー20時(開場18時30分)

会場:東京大学 アネックス セイホクギャラリー

主催:Interfinity、在日スイス大使館 / Vitality.Swiss

■Swiss-Japanese Quantum Symposium 2024

開催日:2024年6月5日ー7日

会場:東京大学 弥生講堂一条ホール

主催:在日スイス大使館 科学技術部 / 理化学研究所 量子コンピュータ研究センター