寺田倉庫株式会社が運営する現代アートと建築のミュージアム「WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)」にて、「Reborn-いのちを織りなすアーティストたち-」展を開催中

2025/06/17
by 遠藤 友香

執筆者:遠藤友香


寺⽥倉庫が運営する、倉庫空間を現代アートや建築との出会いの場へと昇華させた、倉庫会社ならではのミュージアム「WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)」。倉庫内で静かに光を放つ⽂化的価値を暗⽰したWHAT(WareHouse of Art Terrada)の名のもとに展⽰されるのは、平⾯や⽴体のアート作品をはじめ、建築模型、写真、映像、⽂学、インスタレーションの数々です。寺⽥倉庫が作家やコレクターから預かっている作品も紹介することで、作品の保管、展⽰、交流の場を繋いでいるのが特徴的となっています。さらに、天王洲という国際的なアートシティのハブとして、地域のアートコミュニティの核となり、倉庫空間から世界へ芸術⽂化を発信していきます。

この度、現代アートと建築のミュージアム「WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)」は、2025年7⽉ 6⽇(⽇)まで「Reborn-いのちを織りなすアーティストたち-」展を開催中です。本展では、⽇本⽂化の根底に流れる「⾃然との共⽣」と「いのちの⾏⽅」をテーマに、現代アーティスト6名による約67点を展示しています。

⽇本は古くから⾃然との共⽣を重んじ、その美しさや⼒に畏敬の念を抱いてきました。また、季節の移り変わりや⾃然のリズムは⽣活や⽂化に深く根付き、⽇本独⾃の美を⽣み出しました。

本展は、現代では薄れつつも⽇々の暮らしの中で⼤切に継承されてきた⾃然との深い関わりに着⽬し、それを創作活動へ取り⼊れながら「いのちの⾏⽅」について視覚的に提⽰する6名のアーティストを紹介するものとなっています。

アーティストたちは、流⽊や古紙ダンボール、狩猟で得た膠(にかわ)など、出会った素材と真摯に向き合い、対話を重ねながら作品を⽣み出しています。そうして⽣まれた作品は、それぞれ異なる表情を持ちながらも、共通の⽅向へと私たちを誘います。

彼らの作品を通じて⾃然との向き合い⽅を改めて考えるとともに、環境破壊や気候変動への危機感が⾼まる今、本展が私たちの⽇常の営みを⾒つめ直す⼀助となることを願っていると「WHAT MUSEUM(ワットミュージアム)」は述べています。


以下、出展作家と作品をご紹介します。 (五⼗⾳順・敬称略)

鈴⽊初⾳(すずき はつね)

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鈴木初音「花と貝と」 2022年 佐藤美術館蔵


1995 年神奈川県⽣まれ。⾃ら育てた植物や天然由来の材料を⽤いた平⾯作品を制作。古より受け継がれた素材とその⼿仕事を追体験することで現代のものづくりの根源を追求する。


⽟⽥多紀(たまだ たき)
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玉田多紀「絶滅危惧種の物語」 2015-2023年 ウッドワン美術館蔵
撮影・Photo:稲澤朝博


1983 年兵庫県⽣まれ。古紙ダンボールを巧みに⽤い⽣き物の造形美や性質をユニークに捉えた⽴体作品を制作。ダンボールの特性を⽣かした独⾃の技法を美術教育の現場でも広めている。


永沢碧⾐(ながさわ あおい)

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永沢碧衣「解ける者」 2021年


1994 年秋⽥県⽣まれ。主に東北の狩猟・マタギ⽂化に傾倒し、⾃らも狩猟免許を取得。⽣き物の命に感謝しそれを余すことなく使い別の命に繋ぐ⾏為はまさに古来より受け継がれてきた根源的循環に他ならない。


帆刈晴⽇(ほかり はるひ)

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帆刈晴日「yarn -color wheel-」(部分)2025年


1990 年愛知県⽣まれ。⾃らが描いた絵画作品を解体し再構築し新たな造形に創りかえる。その⾏為は今までの美術の常識を覆したリサイクルするアートと⾔える。


⽔⽥典寿(みずた のりひさ)

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水田典寿「夢」(部分) 2024 年 cNorihisa Mizuta


1977 年東京都⽣まれ。海からの漂着物や廃棄された家具などを⽤い、できるだけ⼿を加えず、素材本来の美を輝かせようとするアプローチは新たな価値の創造に他ならない。


宮川達也(みやかわ たつや)

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宮川達也「伸」 2006 年 宮川達也ギャラリー蔵


1961 年岐⾩県⽣まれ。板材として使われなかった⽊々を⽤いた彫刻を制作。30 年以上にわたり学校教育に携わりながら追求した造形経験はしなやかなやさしさと美しさを孕んでいる。


■「Reborn-いのちを織りなすアーティストたち-」展

会期︓2025年4 ⽉26⽇(⼟)〜2025年7⽉6⽇(⽇)

会場︓WHAT MUSEUM 東京都品川区東品川2-6-10 寺⽥倉庫G号

開館時間︓⽕曜〜⽇曜 11︓00〜18︓00(最終⼊館 17︓00)

休館⽇︓⽉曜(祝⽇の場合、翌⽕曜休館)

⼊場料︓⼀般 1,500 円、⼤学⽣/専⾨学⽣ 800 円、⾼校⽣以下 無料、展覧会パスポート 2,500 円(会期中何度でも⼊場可能)

主催・企画︓WHAT MUSEUM

後援︓品川区、品川区教育委員会

監修︓⽴島惠(佐藤美術館学芸部⻑、美術評論家)

https://what.warehouseofart.org/exhibitions/reborn/

パリのファッション博物館「パリ市立ガリエラ宮(Palais Galliera)」が、ファッションデザイナー リック・オウエンスの創作活動を紹介するパリ初の回顧展『Rick Owens, Temple Of Love』を開催

2025/06/15
by 遠藤 友香

RIZZOLI RICK OWENS TEMPLE OF LOVE BOOK COVER, OWENSCORP

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FW24 PORTERVILLE WOMEN’S, PALAIS BOURBON, PARIS, 29 FEBRUARY 2024, OWENSCORP


執筆者:遠藤友香


1961年にカリフォルニア州で生まれ、ロサンゼルスにおいてパターンとファインアートを学び、キャリアをスタートさせたファッションデザイナーのリック・オウエンス(Rick Owens)。1992年に自身のブランドを立ち上げ、アンダーグラウンドカルチャーや1930年代のグラマラスなファッションから着想を得た彼の作品は、世界中のファッショニスタを魅了しています。

日本においては、2009年に青山旗艦店をオープン。スニーカーやライダースジャケット、サルエルパンツといった数々の名作を発表し、多くの日本人ファンから支持を得ています。オウエンスが手掛けるデザインは、ゴシックとグランジのミックス、中性的なアプローチから無機質な動物的要素までに及び、革新的なデザイナーの一人としてファッション史に刻まれるほど。

また、限られた資源にインスパイアを受けたオウエンスは、軍用バッグや軍用毛布、洗いをかけたレザーなど、再利用された素材をドレスやジャケットに生まれ変わらせたことで知られています。彼は黒や落ち着いた色調を好み、「ダスト」と名付けられた独特のグレーは彼のシグネチャーカラーの一つとなっています。

2001年には拠点をイタリアに移し、2003年にパリへと渡った後も、独立性と挑発性を兼ね備えたファッションショーを展開。社会的メッセージを込めた表現で注目を集め、あるショーではモデルの代わりに黒人女性中心のステップダンスチームを起用するなど、すべてのショーにおいて女性が本来持っている強さを称えています。また、世界的な危機に対しては、より彫刻的な作品や鮮やかな色使いによって独自性を表現。

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FAYE, LAS PALMAS AVE, HOLLYWOOD, SLAB FW01, GINO SULLIVAN

この度、オウエンスの創作活動を紹介するパリ初の回顧展『Rick Owens, Temple Of Love』が、2025年6月28日から2026年1月4日まで、パリ市立モード美術館「パリ市立ガリエラ宮(Palais Galliera)」において開催されます。本展では、オウエンスがロサンゼルスで活動を始めた初期作品から最新コレクションまで、約100点以上のコレクションを展示します。

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精神性や儀式的要素に強い関心を持つオウエンスの創作は、作家ジョリス=カルル・ユイスマンスの文学作品から現代アート、さらには20世紀初頭の名作映画など、幅広い文化的背景からインスピレーションを得ています。オウエンス自身が芸術監督として展覧会の企画に参画し、ガリエラ宮のキュレーションチームと協力して、美術館の外壁や庭園まで続く独自の展示経路を構成。

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TERRY-ANN, PARIS, 2002, PHOTOGRAPHED BY RICK OWENS


展示内容としては、オウエンスの創作プロセスを示す個人資料やビデオ映像、未公開のインスタレーション、さらにはギュスターヴ・モロー、ヨーゼフ・ボイス、スティーブン・パリーノらの作品も展示し、彼の芸術的ルーツを多面的に探求しています。

また、妻であり共同制作者でもあるミシェル・ラミー(Michèle Lamy)の存在にも光を当て、夫妻のカリフォルニア時代の寝室を再現するなど、彼女からの影響力も見逃せません。作品は美術館の外へも広がり、美術館の外壁にある彫像群をスパンコール刺繍の布で覆うなど見応え十分。

また、ガリエラ宮の庭園には、ブルータリズム様式を反映したセメント彫刻30点が特別に設置されており、これらは彼がデザインする家具ラインを彷彿とさせます。庭園には、彼が愛するカリフォルニア原産のブドウのつるや植物も植えられています。

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JIMMY, FIRST SKETCH, SS19 BABEL MEN’S, OWENSCORP


本展覧会『Rick Owens, Temple Of Love』は、規模・範囲ともに前例のないものであり、愛、美しさ、多様性への瞑想をモニュメンタルな空間で提示。現代を代表するデザイナーであるオウエンスのアーカイブから選ばれた数々のコレクションは、美術館をまるで創造的な寺院のような空間へと変貌させています。ぜひ、会場に足を運んで、オウエンスの世界観を体感してみてはいかがでしょうか。


『Rick Owens, Temple Of Love』

会場:パレ・ガリエラ(パリ市立モード美術館)
10, avenue Pierre Ier de Serbie 75116 Paris

開館時間:火曜日~日曜日:午前10時~午後6時
金曜日は午後9時までの夜間開館あり

入場料:本展覧会のみのチケット:14ユーロ
(割引料金:12ユーロ)
常設展との共通チケット:17ユーロ
(割引料金:15ユーロ)
※18歳未満は無料
※事前予約を推奨

予約サイト

「小山登美夫ギャラリー六本木」、「小山登美夫ギャラリー天王洲」にて同時開催中のオノ・ヨーコ展「A statue was here 一つの像がここにあった」

2025/06/15
by 遠藤 友香

Mind Object I 1960 / 1966 Acrylic, marble, coin, cigarette, salt shaker h.2.5 x w.45.5 x d.30.0 cm ©︎ Yoko Ono


執筆者:遠藤友香


20世紀を代表する音楽家の一人であるジョン・レノンの元夫人ヨーコ・オノ(1933年2月18日生)。1950年代後半から現代に至るまで、70年以上にわたるキャリアを通して、アート界のみならず社会的にも影響を及ぼしてきました。

前衛的アート作品の表現者として、インストラクションやオブジェ、映画、音楽、パフォーマンスからインスタレーションまで、多様で革新的な表現によって鑑賞者の想像力を刺激してきました。彼女の作品は詩的な美しさをもたらし、日常のものや精神を因習的な概念から解放し、人間同士の関わりの重要性を強調しています。

また、独創的な音楽家としても数々の作品を生み出し、世界中の様々なアーティストやロックミュージシャンを魅了。一貫してジョンの「Imagine」に象徴される「平和と愛」を訴え続け、数々のチャリティイベントへの参加や基金の支援など、アクティビストとして世界平和のために貢献しました。

現在においてもヨーコ・オノの活躍は衰えることなく、2024年に開催された「テート・モダン」での大規模個展は大きな話題となり、現在ベルリンで「新ナショナルギャラリー」、「New Berlin Art Society」、「マルティン・グロピウス・バウ」などの3箇所以上で個展が同時開催中です。

また日本でも「大阪・関西万博 静けさの森」にて、地面の穴の中の鏡が空を映し天地を一体化したような「Cloud Piece」(1963年)を展示。6月5日からは「アート大阪 Expanded」セクションで、「FLY」(1963年)を再構築したインスタレーション作品展示しています。

この度、「小山登美夫ギャラリー六本木」「小山登美夫ギャラリー天王洲」にて、オノ・ヨーコ展「A statue was here 一つの像がここにあった」を2025年6月10日(火)~7月5日(土)まで開催しています。

本展は、彼女にとって「小山登美夫ギャラリー六本木」、「小山登美夫ギャラリー天王洲」での9年ぶり4度目の個展となり、スタジオ・ディレクターのコナー・モナハン氏がキュレーションを担当します。 

六本木では、白と透明色の、アクリルと既製品を組み合わせた作品に焦点をあてます。オノはそれらの作品を「コンセプチュアル・オブジェクト」と呼んでおり、そのうちの数点は1966年ロンドンのインディカ・ギャラリーでの個展、および翌年1967年リッソン・ギャラリーでの個展で最初に発表されました。本出展作は、オノが制作した初めてのオブジェ作品のうちの一部です。

天王洲では、来場者の参加とパフォーマンスを促す鑑賞型作品である、「Wrapping Piece」、「Draw Circle Painting」を主に展示します。

本展タイトル「A statue was here  一つの像がここにあった」は、1967年の作品からとられており、この言葉はのちにオノ・ヨーコ作品集『Grapefruit』(1970年刊行版)に掲載されました。本展キュレーターのモナハン氏は次の見識をあらわしています。

「オノの『一つの像がここにあった』という言葉は、展覧会全体に漂う不在と存在の詩的な交錯を呼び起こし、作品が過去と未来の可能性によって形作られる新たな現実を想像する余地を生み出しています。」

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Mind Object II 1966 / 1967 Acrylic, glass bottle Acrylic, glass bottle h.139.0 x w.26.5 x d.27.3 cm ©︎ Yoko Ono


本展は、オノのコンセプチュアルなアプローチを反映した作品セレクトを展開し、鑑賞者の参加型行為を誘います。 「Mind Object I」(1960 / 66年)は、白、透明の球体や、一本のタバコ、一枚のコイン、石でできた本、塩入れで構成され、観覧者の心の中に一つのオブジェクトを創造するように促します。「Mind Object ll」(1966 / 67年)は、 「NOT TO BE APPRECIATED UNTIL IT’S BROKEN (壊れた時に鑑賞しなさい)」と刻まれたプレキシガラスの台に、ガラスの瓶が一つ乗っています。

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Hide Me 1971 Acrylic h.83.8 x w.53.3 x d.54.0 cm ©︎ Yoko Ono


 「Hide Me」(1971年)は、タイトルのみ刻まれた透明な台座で、それ以外は何もない作品です。この作品は、存在を不在を通じて主張し、台座の伝統的な役割を宣言しつつも否定する二重の性格を持っています。その空虚さは、観る者に「そこにあるもの——おそらくかつてそこにあったもの——」を考えさせ、隠すという行為そのものを問い直すきっかけとするのです。

 「Mend Piece」(1966年)は、来場者はオノの「知恵を持って直しなさい、愛を持って直しなさい それは同時に地球を直すことにもなるでしょう」というインストラクションにより、壊れた器を「直す」ように精神的のも物理的にも誘われます。本展では、能登半島地震により破損した白磁の破片が使われます。

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Three Lives 2019 Three mirrors with steel frames, plywood, led lights, electrical wiring h.153.0 x w.61.6 x d.5.7 cm (each) ©︎ Yoko Ono


 「Three Lives」(2019年)は、初公開の作品です。3つの楕円形の鏡のうち1つは破損、1つはそのまま、1つは二つの光で照らされ、この3つの鏡があわさることで、鑑賞者自身が変化していく様が反映されます。 

天王洲の「Wrapping Piece」(1962 / 66年)は、鑑賞者が包帯を球体状に巻くことで、展覧会を通じて大きさを増していきます。この作品は参加者の行為によって発展し、手当、保護、覆うなどの行為の意味を喚起します。「Draw Circle Painting」(1964年)では、来場者はペンで白いキャンバスに丸を描くことができます。本作も「Wrapping Piece」と同じように来場者の自由な参加を促す作品となります。 

本出展作を通して見えるのは、存在と不在に対して、そして実態のないアイディアを形にする想像力―想像と希望によってつくられる未来への思考、知識、愛、信頼―に対してのオノの深い洞察です。

 「オノの芸術は、変容させること、つまり、視覚化の行為を通して、善を実現させる心の力を信じることに向けられていた。」「彼女は、ほんの僅かな時間と知覚を提供し、本質を顕現させることで、日常生活におけるウィットと驚きを見出すことを拳げ、望むべきは、私たちを少しは思慮深く、そしてもっと人間的にしてくれるのである。」(※アレクサンドラ・モロー「イエス(YES)の精神:オノ・ヨーコの芸術と人生」(オノ・ヨーコ「YES」展覧会カタログ、朝日新聞社刊行、2003年より)

 「(オノは)究極的には『すべての芸術作品は未完成である』と主張した。それは今日に至るまで挑発的と見なされ続けているアプローチであり、アート制作に関する既成概念を覆すだけでなく、アートの制度的な枠組みとも対極的な立場です。」 「しかし、人生において、本当に完成し、落ち着き、疑いようのない真実となるものなどあるでしょうか? 歴史そのものは、それが認識され、記憶される方法において、少なくとも、個人であれ集団であれ、時とともに変化していきます。 」(※コナー・モナハン「オノ・ヨーコ 一つの像がここにあった」、『オノ・ヨーコ A statue was here 一つの像がここにあった』展覧会カタログ、小山登美夫ギャラリー、2025年より)

 ぜひ、この貴重な機会にオノ・ヨーコの世界観を体感してみてはいかがでしょうか。


オノ・ヨーコ展「A statue was here 一つの像がここにあった」

小山登美夫ギャラリー六本木

東京都港区六本木6-5-24 complex665  2F

2025年6月10日(火)~7月5日(土)

11:00 - 19:00  日月祝 休

入場無料


小山登美夫ギャラリー天王洲

東京都品川区東品川1-33-10 Terrada Art Complex Ⅰ 4F

2025年6月10日(火)~7月5日(土)

11:00-18:00   日月祝 休

入場無料

東京・銀座の「グッチ銀座 ギャラリー」にて「横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅」が開催中

2025/06/15
by 遠藤 友香

執筆者:遠藤友香


1921年にイタリア・フィレンツェにて創設された「GUCCI(グッチ)」。世界のラグジュアリーファッションを牽引するブランドのひとつとして知られています。GUCCIはブランド創設100周年を経て、ステファノ・カンティーノCEOの下、クリエイティビティ、イタリアのクラフツマンシップ、イノベーションを讃えながら、ラグジュアリーの再定義への歩みを続けています。

2025年にGUCCIは、創造性を通じたコミュニティとの共創をテーマに、日本国内でアートプロジェクトを多面的に展開。その取り組みのメインとなるのが、日本を代表するアーティストである横尾忠則氏との展覧会開催です。

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GUCCIと横尾忠則氏のつながりは、2020年に「グッチ渋谷 ミヤシタパーク」のオープニングを飾ったウィンドウ アートプロジェクトに遡ります。そのダイナミックで創造的なコラボレーションをさらに発展させ、東京・銀座の「グッチ銀座 ギャラリー」にて、横尾氏の個展「横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅」2025年4月23日(水)~ 8月24日(日)まで開催予定です。

本展のテーマである「未完」とは、芸術の創造性は完成された瞬間よりも、むしろ未完成であることにこそ宿るといった、横尾氏が一貫して掲げてきた美学に基づいています。

1960年代より約60年にわたり、千変万化するスタイルと森羅万象に及ぶテーマを駆使しながら数々の作品を生み出してきた横尾氏は、ひとつの完成形にはとどまらず、常に変貌と挑戦を繰り返してきました。その姿勢は、常に進化を続けるグッチというブランドの在り方とも響き合います。

決して一つの「完成」に安住することなく、常に新しい表現の可能性に挑戦して変貌を重ね、「未完」の「旅」を続けてきた横尾氏の「横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅」と題した本展。

美術評論家の南雄介氏によるキュレーションのもと、「旅」を想起させるテーマを描いた横尾作品を中心に、今回初公開となる自画像や家族の肖像など最新作6点を含めた約30点の作品を展示。また、本展のために特別に解放された屋上スペースでは、1970年の大阪万博で大きな話題を呼んだ横尾氏による「未完」のイメージをシンボリックに提示した、真っ赤な足場のインスタレーションを再現した作品もダイナミックに展開されています。

また、2025年6月22日(日)まで、東京の世田谷美術館にて「横尾忠則 連画の河」も開催中です。都内で同時期に横尾氏の作品を楽しめるまたとない機会となっています。

さらに、「グッチ銀座 ギャラリー」での展覧会に加え、世界の注目が集まる大阪にもアートプロジェクトを展開予定です。ファッションブランドとして初めて「瀬戸内国際芸術祭2025」の公式パートナーを務めるGUCCIは、2025年に瀬戸内エリア、東京、大阪の3つのロケーションを結ぶ多面的な取り組みによって、アートとファッションのつながりを一層強固にしていくそうです。

ぜひ、この機会に横尾忠則氏の世界感を堪能してみてはいかがでしょうか。


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横尾忠則

現代美術家。1936年兵庫県生まれ。1972年にニューヨーク近代美術館で個展。その後もパリ・ベネチア・サンパウロの世界3大ビエンナーレに招待出品。アムステルダムのステデリック美術館、ハンブルグ工芸美術館、パリのカルティエ財団現代美術館、東京都現代美術館、東京国立博物館など世界各国の美術館で多数の個展を開催。2012年神戸に横尾忠則現代美術館が開館。2013年香川県 豊島に豊島横尾館が開館。2000年ニューヨークアートディレクターズクラブ殿堂入り。2015年高松宮殿下記念世界文化賞受賞。2023年文化功労者、日本芸術院会員。作品はメトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館、大英博物館、ポンピドゥ・センター・メス、ウフィツィ美術館など世界各国の主要美術館に収蔵されている。2026年春にイギリスのThames & Hudsonより500ページの作品集が世界発売される。


「横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅」

開催場所:グッチ銀座 ギャラリー(東京都中央区銀座4-4-10 グッチ銀座 7階)

日程:2025年4月23日(水)~8月24日(日)予定(会期中無休)

営業時間:11:00 – 20:00(最終入場 19:30)

入場:無料(予約優先制)

来場予約はコチラから。

※開催内容・時間は予告なしに変更となる可能性があります。

※屋上スペースの展示は、天候・時間によってはご覧いただけない場合があります。

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「六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー」にて、海抜250mの星空体験「天空の星まつり」が開催!~七夕・星空・宇宙をテーマにした80日間の夏イベント~

2025/06/15
by 遠藤 友香

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執筆者:遠藤友香


森ビル株式会社が運営する「六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー」では、日本ならではの情緒と星空が織りなす幻想的な夏イベント「天空の星まつり」を2025年6月20日(金)〜9月7日(日)の期間中に開催します。

七夕・星空・宇宙をテーマに、展望台という特別な空間で、季節を感じる幻想的な空間を演出します。都心の喧騒から離れ、海抜250mの開放的な空間で、思い出に残る特別な時間を過ごすことができるでしょう。

期間中は七夕にちなんで、笹飾り体験や天の川のフォトスポット、展望台からの壮大な星空など、思わず写真に収めたくなる空間が登場。また、毎年恒例夏のキッズワークショップなど、東京シティビューならではの夏イベントを楽しむことができます。

七夕・星空・宇宙をテーマに、展望台が幻想的な空間に!

古来より人々は星に願いを託してきました。展望回廊は、笹飾りや天の川の演出で「七夕まつり」ムードに。目の前に広がる輝く星空との共演をぜひ体感してみてください。

笹飾り体験

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七夕といえば、短冊に願いを綴り笹に飾る日本の風習。一年に一度、織姫と彦星が会えるという七夕伝説に思いを馳せながら、笹飾りを行うことが可能です。さらに、七夕の笹飾りと都心の眺望がコラボレーションした東京シティビューならではの写真撮影もお楽しみください。

天の川フォトスポット

東京夜景ときらめく天の川、七夕の星々と共に写真が撮れるフォトスポットが登場。世界最高峰のプラネタリウム「メガスター」の技術で作り出された100万個の星をバックに、ほかでは撮れないここだけの一枚を、ぜひ撮影してみては。

協力:大平貴之

宇宙はどこまで見えてるの?

六本木の星空から出発して宇宙の旅へ。宇宙には知られざることがまだまだ秘められています。最新研究から明らかになった宇宙に広がる星々を画像で紹介します。

協力:天文学普及プロジェクト 天プラ

新しい音楽体験を!

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「天空の星まつり」会場では、“音楽の新しい楽しみ方・価値観を創る”をコンセプトに掲げた新進気鋭の音楽ユニット「Vegetable Record(ベジタブルレコード)」プロデュースの音楽を体験することができます。その場所ならではのユニークなポイント(空間の特性、周りの環境音など)を活かした音楽でデザインされた空間をお楽しみください。


毎年恒例夏のキッズワークショップ開催!

夏休みのお出かけにはもちろん、自由研究のヒントにもなるワークショップを実施します。

■六本木天文クラブ キッズワークショップ「天体望遠鏡を作ろう」

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「六本木天文クラブ」がキッズワークショップを開催。月のクレーターもばっちり見える本格派望遠鏡を作ります。組み立てから使い方、そして星空の見所までを天文の専門家がわかりやすく教えます。自分だけの望遠鏡を作って、星空を観察してみませんか?(当日、天気が良ければ通常非公開の屋上庭園にて星空観望会も実施します。)また、ワークショップ終了後に東京シティビューもお楽しみいただけます。

【実施概要】
日時:2025年7月31日(木)17:00~20:30 (ワークショップ 17:00~19:00/星空観望会 19:30~20:30)
※星空観望会の実施は天候次第となります。
場所:六本木ヒルズウェストウォーク 2 階 南側吹き抜け
対象年齢:小学 1 年生~6 年生 ※小学 1・2 年のお子様は、保護者の方も一緒にご参加ください。
定員:24 名
料金:6,000 円 ※東京シティビュー入館(お子様 1 名分)含む
申込期間:6月13日(金)~6月 24日(火)
<注意事項> ※応募フォームは後日東京シティビューWEB サイトに掲載します。※応募者多数の場合は、抽選にて決定します。抽選結果は7月4日(金)までにメールにてお知らせします。

■六本木天文クラブ×松本零士展
「みんなで一緒に哲学対話~この世界について語り合おう~」

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「六本木天文クラブ」と東京シティビューにて開催する「松本零士展」がコラボレーションし、宇宙を旅する物語『銀河鉄道 999』をテーマにした哲学対話のワークショップを開催します。哲学対話とは考えることを楽しむ場。子どもも大人もみんなで一緒になって、考えたことを自由におしゃべりします。

ワークショップ終了後は、東京シティビューおよび「松本零士展」の鑑賞が可能です。作品やストーリーについてワークショップの中で紹介するため、作品を読んだことがない方でも気軽に参加可能。ワークショップ後の鑑賞は一層興味深いものになるでしょう。

【実施概要】
日時:2025年8月7日(木) 14:00~15:30
場所:3階プレゼンテーションルーム(六本木ヒルズ森タワー3階)
対象年齢:小学1年生~6年生 ※保護者の方 1 名のご同伴をお願いいたします。保護者は 1 名様のみ参加できます。
申込期間:6月13日(金)~6月24日(火)
定員:10組20名(1組=お子様1名、保護者1名)
料金:4,500円
<注意事項> ※応募者多数の場合は、抽選にて決定します。抽選結果は7月4日(金)までにメールにてお知らせします。


数量限定 東京シティビューのお土産付きスペシャルチケット販売

東京シティビューがセレクトしたお土産と、オリジナルトートバッグが付いたスペシャルチケットを数量限定で販売します。

販売開始:2025年7月1日(火)(予定)
販売対象期間: 2025年7月19日(土)~8月31日(日)
販売価格:5,500 円(税込)、3,500 円(税込)※数量限定販売、売切れ次第終了
販売方法:チケットカウンター(六本木ヒルズ森タワー3 階)、東京シティビューオンラインチケット

東京シティビュー ショップ 「江戸風鈴」で夏の風情を楽しもう!

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東京シティビュー ショップでは、今夏「江戸風鈴」を販売します。江戸時代から伝わる伝統を受け継いだ工芸品です。ひとつひとつ職人が手づくりした個性のある形と音色、絵柄は唯一無二。100 年以上守り続けられている江戸風鈴から日本の風情を感じてみてはいかがでしょうか。

[東京シティビュー ショップ]
場所:六本木ヒルズ森タワー52 階 東京シティビュー内
営業時間:10:00~21:00
Tel. 03-6406-6270

THE SUN & THE MOON(Restaurant) 旬のマスクメロンの夏限定スイーツ登場!

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東京シティビューと同フロアに位置する「THE SUN & THE MOON(Restaurant)」にて期間限定で販売する「マスクメロンのヴァシュラン シャンパン風味のミルクアイス」。旬のマスクメロンをメレンゲやブランマンジェ、ホワイトチョコレートなどでフランス菓子ヴァシュランに仕立てました。シャンパン香るミルクのアイスクリームと合わせてお楽しみください。

[THE SUN & THE MOON(Restaurant)]
提供期間:~8月31日(日)
提供時間:Lunch 11:00~15:00 L.O. Dinner 18:00~20:00 L.O.
金額:ディナー 2,200円/ランチ 2,000円(ドリンクセット 2,400円)
※終日サービス料 10%を頂戴しています。
※窓際のお席は席チャージ 2,000 円(1 テーブル)をいただきます。
※レストランのみご利用のお客様は別途 VIEW CHARGE:500 円/1 名様を頂戴いたします。(52・53 階への入館券をお持ちの方は不要です。)
※貸切りやご予約で満席の場合など提供できかねる場合もあります。事前にお問合せください。


■夏イベント「天空の星まつり」

東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)

【営業時間】10:00~22:00(最終入館 21:30)

【東京シティビュー 入場チケットの料金改定について】

東京シティビューは、2025年6月20日(金)以降のチケット料金について、サービス品質の維持・向上のため、以下の通り改定いたします。

今後も東京シティビューは、「次のドキドキを、六本木の空から」をコンセプトとして、様々なイベント等を実施し、魅力的な眺望体験を提供してまいります。

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※チケットは専用オンラインサイトまたは施設入口の券売機、窓口での購入が可能です。
※諸事情により営業時間の変更やクローズする場合があります。最新情報は公式サイトにてご確認ください。

【お問い合わせ】東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
Te. 03-6406-6652 

http://tcv.roppongihills.com/

⽇本の現代アートの創造性と多様性、コミュニティーを国内外に発信する国際的なアートイベント「アートウィーク東京」が2025年も開催決定! ポップアップバー「AWT BAR」のアドバイザーに建築家・妹島和世が就任

2025/05/15
by 遠藤 友香

執筆者:遠藤友香


アートバーゼルとの提携および文化庁の協力を受け、一般社団法人コンテンポラリーアートプラットフォームが主催する「アートウィーク東京(AWT)」。⽇本の現代アートの創造性と多様性、そしてそのコミュニティーを国内外に発信する年に一度の国際的なアートイベントとして、2025年11⽉5⽇(水)~11月9⽇(⽇)の5⽇間にわたり開催予定です。

1.現代アートをもっと楽しむ5日間

アートウィーク東京(AWT)には、「メイン会場」がありません。都内50以上の美術館・ギャラリーがそれぞれ開催する展覧会や、AWTが独自に開催する展覧会やシンポジウム、バーといったプログラムのほか、音楽イベントや建築ツアー、そして多様な関連イベントを自由に巡ることで、東京のアートやカルチャーを様々な視点から楽しむことができる分散型のアートイベントです。

2025年も東京を代表する50以上の美術館・ギャラリーが参加。「スペースアン」と「エスパス ルイ・ヴィトン東京」の参加も決定しました。

都内に点在するこれらのアートスペースやAWTのプログラム会場を、乗り降り自由な無料のシャトルバス「AWT BUS」が巡回。東京都とアートウィーク東京モビールプロジェクト実行委員会の主催により実施される、都内のアートアクティビティーの体験を創出する「アートウィーク東京モビールプロジェクト」の一環としてシャトルバスが運行されます。

複数のアートスペースを巡ることで、それぞれの個性、そして東京の現代アートの「いま」を感じることができるでしょう。

2.ビジュアルアイデンティティを刷新

2025年よりアートディレクターにグラフィックデザイナーの上西祐理氏が就任。また、ビジュアルアイデンティティも一新されました。

■アートディレクター 上西祐理氏のコメント

「過去から未来へと貫かれる人類の創造性の歴史と、現代の東京のアートシーンという今この一地点を包括的に表現すべく、文字を起点としたビジュアルアイデンティティを展開していきます。それに伴い、記号的でジオメトリックなアルファベットから成るオリジナルの欧文フォントも制作。石器の時代から営まれてきた人類の創造性を太古の文字に見出し、それらを未来につないでいくというような思いを託しました。一方、『東京』の自由な文字はたゆたう現代を表しています。今年の『AWT FOCUS』で中心に据えられる『現実/リアル』から着想したライムイエローのキーカラーが、アートウィーク東京(AWT)を鮮やかに彩ります」

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上西祐理(うえにし ゆり)氏

アートディレクター/グラフィックデザイナー。1987年生まれ。東京都出身。2010年多摩美術大学卒業、同年電通入社、2021年に独立し、北極設立。主な受賞歴に東京ADC賞、JAGDA新人賞、JAGDA賞、CANNES LIONS金賞など。趣味は旅と雪山登山。旅は現在45カ国達成。

3.「AWT FOCUS」「AWT VIDEO」の監修者が決定!

2023年に「買える展覧会」として始まった「AWT FOCUS」を、現存する日本最古の私立美術館である「大倉集古館」(虎ノ門)を会場に、今年も開催。

美術館での作品鑑賞とギャラリーでの作品購⼊という2つの体験を掛け合わせたこの展覧会は、毎年変わるテーマに沿って現代アートをキュレーションする試みです。出展作品はすべて購入可能。第3回目となる2025年の監修者にはアダム・シムジック氏が就任。国際芸術祭「ドクメンタ14」 で芸術監督を務めた彼が、アートを通じて「現実/リアル」について考察します。

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アダム・シムジック

チューリッヒ美術館のDas Büro für geistige Mitarbeitキュレーター。2014年から17年まで国際芸術祭「ドクメンタ14」のアーティスティック・ディレクターを、03年から14年までクンストハレ・バーゼルのディレクター兼チーフ・キュレーターを務めた。22年にチューリッヒに現代アートと文化のための非営利団体Verein by Associationを設立。

4.選りすぐりの映像作品を紹介

アートウィーク東京(AWT)参加ギャラリーのアーティストが手掛ける映像作品の中から、選りすぐりのビデオプログラムを上映する「AWT VIDEO」。2025年は東京都現代美術館の学芸員であり、「恵比寿映像祭」の創設も担った岡村恵子氏が監修を務めます。

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岡村恵子(おかむら けいこ)氏

東京都現代美術館事業企画課企画係長。学芸員として東京都現代美術館(1995-2007年/21年-現在)、東京都写真美術館(07-21年)で数々の企画を手掛ける。09年に映像とアートの国際フェスティバル「恵比寿映像祭」の創設を担う。21年開催の第13回まで毎年携わり、映像インスタレーションや映画、パフォーマンス作品を領域横断的に数多く紹介した。

5.SANAA妹島和世が、AWT BARアドバイザー(建築家選定)に就任!

アートウィーク東京(AWT)の会期中、南青山に特設されるポップアップバー「AWT BAR」は、新進シェフによるオリジナル料理やアーティストとのコラボレーションカクテル、音楽やパフォーマンスといったイベントが楽しめる憩いの場です。

今年はバーのアドバイザーに、ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞やプリツカー賞、王立英国建築家協会ロイヤル・ゴールド・メダルなど、数多くの受賞歴を持つ建築家ユニット「SANAA」の共同主宰であり、東京都庭園美術館の館長も務める妹島和世氏が就任。バーの設計を担当する建築家の選定を担います。また、妹島氏は2024年に引き続き、東京の街に佇む名建築を巡るツアー「TOKYO HOUSE TOUR」の監修も務めます。

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妹島和世(せじま かずよ)氏 

建築家。1956年茨城県生まれ。81年日本女子大学大学院修了。87年に妹島和世建築設計事務所を、95年に西沢立衛とSANAAを設立。ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞*、プリツカー賞*、紫綬褒章、RIBAゴールドメダル*などを受賞。主な建築作品に金沢21世紀美術館、Rolexラーニングセンター、ルーヴル・ランスなど。現在、ミラノ工科大学教授、横浜国立大学名誉教授、東京都庭園美術館館長。(*はSANAAとして)

6.人気プログラム「AWT TALKS」も開催

初心者からアート通まで、幅広い層を対象とした「AWT TALKS」も開催予定です。国内外のキュレーターや思想家を招いたシンポジウムから、オンライントーク、ラウンドテーブル、コレクターを⽬指す人に向けたガイドツアーやセミナー、未就学児や学生を対象としたアート教育プログラムまで、多彩なプログラムを通じてアートとの身近な接点を生み出し、アートを一歩深く知るための場を提供します。

最後に、2025年度のアートウィーク東京(AWT)開催に向けて届いた、ディレクターの蜷川敦⼦氏とアートバーゼルのコメントをご紹介します。

ディレクター・蜷川敦⼦氏のコメント

「東京におけるアートのエコシステムを支援するコミュニティー主導の取り組みとして構想されたアートウィーク東京(AWT)は、回を重ねるごとに成長を続けています。2024年は過去最多となる53の美術館・ギャラリーが参加したほか、アート好きが集まるミートアップイベントや音楽パフォーマンス、建築ツアーといった多角的な取り組みも加わり、幅広い層の方々にご参加いただきました。関係者と一般参加者の双方からもポジティブな声を多くいただいております。アートウィーク東京(AWT)が今後も現代アートをはじめとする東京の様々な芸術・文化のハブであり続けるよう、今年もさらに充実したプログラムをお届けできることを楽しみにしております」

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蜷川敦⼦(にながわ あつこ)氏 

アートウィーク東京共同創設者・ディレクター/タケニナガワ代表。2008 年にタケニナガワを設⽴。新進作家から歴史的な評価の⾼い作家まで、現代アートの⽂脈で活躍する⽇本⼈作家を国際的にプロモーションする。国外の作家を⽇本の⽂脈で紹介する試みも多数企画。アートウィーク東京を主催する⼀般社団法⼈コンテンポラリーアートプラットフォーム共同代表理事。「アートバーゼル」バーゼルの選考委員、および、コロナ禍に⽣まれた国際的なギャラリーイニシアティブ「Galleries Curate」や、グローバルサウスのアートを取り上げるプラットフォーム「SOUTH SOUTH」に参加。2022年、将来のアートマーケットにおいて先駆となる人物を選ぶ「Artnet Innovators List」に選出。アート界で最も影響力のある人物100人を選ぶ「ArtReview Power 100」に2022-24年に3年連続で選出。


アートバーゼルのコメント

「アートウィーク東京(AWT)は街中を舞台とする地域主導型イベントとして、東京におけるアートのエコシステムを育み、日本の卓越した芸術文化を国内外に紹介してきました。アートバーゼルとAWTのコラボレーションはその価値を高める重要かつ発展的なパートナーシップであり、ギャラリーに対するアートバーゼルのコミットメントの深さと、それを支えるアート業界全体の持続的な発展を願う私たちの思いの表れでもあります。加えて、海外ゲストからの評価の高さは、AWTという唯一無二のフォーマットが東京のギャラリーシーンと豊かな文化的背景をシームレスにつないでいることの証でもあります。AWTの発展とともに、東京は国際的なアートの舞台において欠かせない訪問先としての地位を確立しているのです」


■アートウィーク東京(Art Week Tokyo、AWT)
会期:2025年11⽉5⽇(水)~11⽉9⽇(⽇) 10:00 ~18:00

会場:都内の参加美術館・ギャラリー、AWT FOCUS、AWT BARほか各プログラム会場

主催:⼀般社団法⼈コンテンポラリーアートプラットフォーム

提携:アートバーゼル(Art Basel)

特別協⼒:⽂化庁

■アートウィーク東京モビールプロジェクト
会期:2025年11⽉7⽇(金)~11⽉9⽇(⽇) 10:00 -18:00

主催:東京都/アートウィーク東京モビールプロジェクト実⾏委員会


料金

・AWT BUSの乗⾞無料。

・参加ギャラリーの⼊場無料。参加美術館ではAWT会期中に限り、所定の展覧会にてAWT特別割引適⽤。

・AWT FOCUSの⼊場⼀般有料(⾦額未定)、学⽣・⼦ども無料。


参加施設(2025年4月23日時点)

美術館・インスティテューション

アーティゾン美術館

エスパス ルイ・ヴィトン東京

銀座メゾンエルメス フォーラム

国立新美術館

資生堂ギャラリー

シャネル・ネクサス・ホール

東京オペラシティ アートギャラリー

東京国立近代美術館

東京都現代美術館

東京都写真美術館

東京都庭園美術館

森美術館

ワタリウム美術館


・ギャラリー

ギャラリー38

アノマリー

ウェイティングルーム

XYZコレクティブ

MEM

カイカイキキギャラリー

カナカワニシギャラリー

カヨコユウキ

ケンナカハシ

コウサクカネチカ

コタロウヌカガ

ギャラリー小柳

小山登美夫ギャラリー

シュウゴアーツ

スカイザバスハウス

スノーコンテンポラリー

スペースアン

タカ・イシイギャラリー

タクロウソメヤコンテンポラリーアート

タケニナガワ

タロウナス

東京画廊+BTAP

ナンヅカアンダーグラウンド

日動コンテンポラリーアート

ハギワラプロジェクツ

PGI

ファーガス・マカフリー

フイギユア

ブラム

ペース・ギャラリー

ペロタン東京

ポエティック・スケープ

ミサコ&ローゼン

ミサシンギャラリー

ミヅマアートギャラリー

無人島プロダクション

ユタカキクタケギャラリー

ユミコチバアソシエイツ

リーサヤ

※AWTの⼀覧表記ルールに基づく施設名称表記の50⾳順です。


公式サイト https://www.artweektokyo.com/

Instagram https://www.instagram.com/artw...

Facebook https://www.facebook.com/artwe...

X https://twitter.com/ArtWeekTok...

YouTube https://www.youtube.com/@artwe...

ポップな色彩と息を呑む程の画力で魅了する画家・北島麻里子の過去最大の新作個展が、「PARCO MUSEUM TOKYO」にて開催

2025/05/15
by 遠藤 友香


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FEB 9,2025  2025, oil on canvas , 1940×1620mm

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JUL 6,2024 2024, oil on canvas 803×652mm

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NOV 2,202 2024, oil on canvas , 1620×1940mm


執筆者:遠藤友香


株式会社パルコは、「渋谷PARCO 4F PARCO MUSEUM TOKYO(パルコミュージアムトーキョー)」にて、過去から連なる無数の”今”を静物という形で表現するアーティスト・北島麻里子氏による個展「Mariko Kitajima Solo Exhibition “Carpe Diem”」を、2025年5月10日(土)~5月26日(月)まで開催中です。

鮮やかな色彩と、繊細でユニークなモチーフの中に自らを溶け込ませ、息を呑むほどに絵画を細密に描き出す画家・北島麻里子氏。

作品が生み出す親しみと緊張感は、作品を通じて「自分が何者であるのか」を探求する作家の姿勢そのものであり、同時に鑑賞者に向けた問いかけでもあるかもしれません。約2年間の歳月をかけて制作した20点以上の新作で構成される個展「Mariko Kitajima Solo Exhibition “Carpe Diem”」。

「自分自身を確認するための日常的な行動」として絵を描く北島麻里子氏の作品には、透明なガラスでできた花瓶の後ろ側や、その脚の中に写り込む自身の肖像画が描かれており、今回の展示では、新作を含む約20点の作品を展示・販売します。また、本展開催を記念して制作されるオリジナル商品のほか、シルクスクリーンのエディション作品も販売予定です。

■ステイトメント

「つらい日や悲しい日、楽しい日、無数の愛しい日々と私が重なって今のわたしができている。

絵を描くことも画面と対話しながら日々を紡いでいく行為だと考えています。

わたしは1人で生きることはできなくて、あなたの存在があったから今のわたしがある。

そして、わたしはあなたに出会えたことを嬉しく思うのです。

美しい花を選んで摘む一瞬のように、今日と言う日をわたしはあなたと大切に生きたい」

北島麻里子

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北島麻里子| Mariko Kitajima 

1987年埼玉県生まれ。2014年東京造形大学造形学部美術科絵画専攻卒業。
2014 東京造形大学卒業制作「ZOKEI展」ZOKEI賞 、アートアワード丸の内
2014「倉本美津留賞」。

わたし達が生きていく中で現在に繋がる大切な一瞬一瞬をキャンバス上に留めることを私視点で試みている。それによって、すべての人にとっての「わたし」を考える手がかりになればと考えている。


■近年の個展
2023 「Hide and Seek」/MEDEL GALLERY SHU(東京)

■近年のグループ展

2024 「faces」(GALLERY CURU 、タイ)

2024 「grid3」(biscuit gallery、東京)

2023 「CONCERTO」(Lurf MUSEUM、東京)

2023 「CULTURE ART PARK 2023」(代官山蔦屋書店、東京)

2023 「grid2」(biscuit gallery,東京)

2021「属性/魔性」(WATOWA GALLERY、東京)

■近年のアートフェア

ART TAIPEI 2014,2015,2016(台湾)

ART OSAKA 2015,2023(大阪)

ART FAIR PHILIPPINES 2016,2020,2023(フィリピン)

ART FAIR TOKYO 2021 ,2023,2024(東京)

JING ART 2023(中国)


■「Mariko Kitajima Solo Exhibition “Carpe Diem”」

会場:PARCO MUSEUM TOKYO(東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 4F)

会期:2025年5月10日(土)~5月26日(月) 11:00-21:00 

※入場は閉場の30分前まで 

※最終日18時閉場

入場:無料

主催:PARCO

キュレーション:SUNNYES

公式サイト: https://art.parco.jp/museumtok...

累計116万人を動員した「デザインあ展」がパワーアップして帰ってきた! 「あるく」「たべる」「すわる」「もつ」など動詞をテーマに35点の作品が登場する「デザインあ展neo」

2025/05/15
by 遠藤 友香

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執筆者:遠藤友香


デザインを体感する展覧会「デザインあ展neo」が、虎ノ門ヒルズの情報発信拠点「TOKYO NODE(東京ノード)」にて、2025年4月18日(金)に開幕しました。会期は、2025年9月23日(火 ・ 祝)まで。

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本展の主催・会場である「TOKYO NODE(東京ノード)」は、2023年に開業した「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」の最上部に位置する新たな情報発信拠点。イベントホール、ギャラリー、レストラン、ルーフトップガーデンなどが集積する、約10,000 ㎡の複合発信施設です。 

施設内には、ミシュランで星を獲得したシェフによるレストランや、イノべーティブなプレイヤーが集まる共同研究チーム「TOKYO NODE LAB」の活動拠点も。NODE=結節点という名の通り、テクノロジー、アート、エンターテインメントなどあらゆる領域を超えて、最先端の体験コンテンツ、サービス、ビジネスを生み出し、世界に発信していく舞台となっています。

「デザインあ展neo」は、NHK Eテレの番組「デザインあneo」のコンセプトを体験の場に拡げる展覧会です。全国を巡回した前回からおよそ4年ぶりの開催となり、過去の「あ展」で取り上げてきた「モノ」から「行為(動詞)」へとテーマを新たに、子供たちにデザインを通した思考や発見の楽しさを伝えることを目的としています。

会場となる「TOKYO NODEのギャラリー」は、東京タワーの展望台を見下ろす地上220メートルに位置。本店は、およそ1,500平米・最大高さ15mのユニークな空間を使った大型展覧会となります。

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各展示室には、「あるく」「たべる」「すわる」「もつ」などといった動詞ごとに、観察・考察・体験のステップで構成された35点の作品が並んでいます。

展示室に入ってすぐ、私たちを出迎えてくれるのは、天井から吊り下げられた巨大な「あ」の文字。足元には、日常のさまざまな行為を想像させる「動詞の庭」が広がり、鑑賞者に本展のテーマである「行為(動詞)」を印象付けます。

また、「あるく」から始まる展示群は、観察・考察・体験など異なるアプローチの作品で、それぞれの行為を紐解いていきます。「あるきかたログ」は6つのブースで、それぞれの体験者がカメラに指示されたポーズをとると、その写真がパラパラ漫画のように繋がり、まるで歩いているようかのように見える作品です。普段はあまり意識することのない「あるく」という行為が、どのような要素から成り立っているのかを、あそびながら考察することができます。

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歩みを進めていくと、3メートル超の巨大なお箸につままれる気分を体験する「たべられるきもち」(たべる)や、小学校でおなじみの木の板とパイプでできた『学童イス』が、機能や特性が異なるさまざまなイスになる「学童イスのゆめ」(すわる)、身の回りにあるさまざまな持ち手およそ1,500個が壁からびっしりと生えた「もちてのむれ」(もつ)といった展示が続きます。

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ほかにも、「はなす」「かく」「すてる」「こわす・なおす」「さがす」をテーマとにした、遊び心と発見の溢れる作品が並びます。

さらに、番組で放送しているコーナーと同じ体験を楽しめる「デッサンあ」や、「みんなのあ」といったコンテンツも用意。

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その先に続くのは、「デザインあneo」ならではの映像の部屋です。360度のスクリーンいっぱいに踊る「あ」の文字によるダンスムービーや、スクリーンの中の映像と体験者のからだの動きが連動するかのような作品「DO IT!」など、映像に没入できる体験を楽しむことができます。

本展の制作に関わる、豪華なクリエイター陣にも注目です。開幕前日に行われたメディア向けの先行内覧会では、本展総合ディレクターの佐藤卓氏、映像ディレクターの中村勇吾氏、音楽ディレクターの蓮沼執太氏の3名が登壇しました。以下、それぞれの方のコメントをご紹介します。


本展総合ディレクター:佐藤卓氏

「今回の開催にあたり、全員で相談しながらいろいろなアイデアを出し合って「行為(動詞)」というテーマを見つけました。日常生活にデザインと関わりのないものは何ひとつないのであれば、こどもの頃からデザインマインドは育んだほうがよいのでは、という番組づくりでの一貫した思いが、この展覧会にもつながっています。過去の『あ展』をご覧になった方もいい意味で裏切られるような新しい展示になっていると思うので、ぜひたくさんの方に来場いただいて、「デザインっておもしろいな」「デザインが世の中をゆたかにしていく力になるかもしれないな」ということを感じていただけたらうれしいです」。

本展映像ディレクター:中村勇吾氏

 「今回の『あ展neo』は、自分たちで言うのも何ですが、かなり粒ぞろいの作品に仕上がったと思います。番組のコーナーを作っているクリエイターたちや作家が参加して、それぞれの得意分野で力を発揮して作り上げた展示です。こどものための展覧会ですが、こどもを「こども扱いしない」という番組のポリシーは『あ展neo』にもつながっていて、おとなが見てもおもしろい展覧会になったと思います」。

本展音楽ディレクター:蓮沼執太氏

「日本でもトップクラスのクリエイターの方々と制作に取り組み、全力で音楽を作ってきましたが、その『デザインあneo』が展覧会になるということで、ここまでご一緒できて本当によかったと感じています。自身は音楽の担当ですが、展覧会には多くのクリエイターが関わっており、その方々の力が結集した展示になっています。ぜひ、全身で楽しんでほしいです」。


■「デザインあ展neo」特設ショップ

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45F会場の特設ショップでは、本展の公式図録やオリジナルグッズ60種以上を販売。本展ならではのユニークなアイテムをぜひ入手してみては?

特設ショップ営業時間:11:00~当日の閉館時間まで

※会期中無休

※グッズだけの購入も可能です


■蓮沼執太プロデュースによる、初の番組音楽のアナログレコードを発売

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蓮沼執太氏プロデュースによ、初の番組音楽のアナログレコードが、本展特設ショップにて販売中です。

また、番組「デザインあneo」の2023年~2024年の放送から、人気コーナー「デザインの観察」「集合!」「デザインどっちでショー」「ロボメカ男」など、選りすぐりのコンテンツを収録したブルーレイ・DVDも登場。店頭で購入した方限定で、「オリジナルポーチ&ステッカー」をセットで先着プレゼント。


■「デザインあ展neo」の世界が虎ノ門ヒルズに拡大!

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のせる、はさむ、たべるバーガー(1,800円)

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きょうも いいてんき きみの てづくり なめらか プリン(550円)


本展の会期中、虎ノ門ヒルズのカフェ・レストランでは「デザインあ展neo」の開催を記念したスペシャルメニュー15種が登場しています。また、⻁ノ門ヒルズ駅からの会場までのルートには、本展のテーマに合わせて来街者が行うさまざまな「動詞」(まがる、はいる、すすむ、のぼるなど)が各所に散りばめられ、「デザインあ展neo」の世界を虎ノ門ヒルズの街でも楽しむことができます。


■毎週日曜開催「T-MARKET for FAMILY」が「あ展neo」バージョンに!

毎週日曜日に虎ノ門ヒルズ「T-MARKET」で開催されている、親子で楽しめるイベント「T-MARKET for FAMILY」。展覧会の会期中は、イベントで配られる「バルーン」や「ぬりえ」が「デザインあ展neo」バージョンに!

期間:2025年4月20日(日)~9月21日(日)の毎日曜日

時間:11:00~22:00(L.O.21:00)

場所:虎ノ門ヒルズ ステーションタワー B2F「T-MARKET」

東京都港区虎ノ門二丁目6番1号

※バルーンは各日先着100個のご用意です。なくなり次第終了します。

※最新情報は「T-MARKET」公式インスタグラム

T-MARKET / TORANOMON HILLS(@tmarket_toranomonhills) • Instagram写真と動画

最新の AR(拡張現実)技術を活用し、幻想的でかわいらしいイラストで起こした魚たちが施設空間内を泳ぐ、新感覚「サクラ水族館」が「Shibuya Sakura Stage」にて展開中

2025/05/15
by 遠藤 友香

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執筆者:遠藤友香


渋谷桜丘エリアに位置する、複合商業施設「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」。Shibuya Sakura Stage」は、日本を代表するターミナル駅である渋谷駅に隣接し、代官⼭や恵比寿へのアクセスも抜群で、オフィス・商業・教育・⽂化施設のほか、住宅等の多様な機能を備えています。

2025年4月7日(月)より、Shibuya Sakura Stage SHIBUYA SIDE 3Fのエスカレーター脇のスペースにて、待ち合わせスペースの機能を兼ねた新たな展示「サクラ水族館」の常設を開始しています。最新の AR(拡張現実)技術を活用し、幻想的でかわいらしいイラストで起こした魚たちが施設空間内を泳ぐ、新感覚の体験ができる新たな展示となっています。

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「サクラ⽔族館」は、ただの待ち合わせスペースかと思いきや、スマートフォンのカメラをかざしてみると、そこは海の中。 かわいらしい⿂たちがサクラステージ内をゆらゆらと泳ぎます。この⽔族館では、泳ぐ⿂を眺めるだけでなく、⿂の群れが演出する「おみくじ」の体験も可能です。スクリーンショットの撮影機能を盛り込んでいるため、SNSにて気軽にシェアすることができます。 

本展⽰は、毎⽇10時から21時まで利⽤可能で、料⾦は無料です。誰でも気軽に体験可能なので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。⿂のイラストは、⼈気イラストレーターのおおでゆかこ⽒が描いています。


■「サクラ⽔族館」

実施期間:2025年4⽉7⽇(⽉)〜 (終了時期未定)

実施場所:Shibuya Sakura Stage SHIBUYA SIDE 3F 通路

東京都渋谷区桜丘町1-4 

実施時間:10時〜21時

料⾦:無料 

主催:東急不動産株式会社

イラスト協⼒:おおで ゆかこ www.yukakoohde.com

TODA BUILDINGの開業半年を記念して、「蓮沼執太フィル TODA BUILDING LIVE “都市と合奏”」を開催

2025/05/15
by 遠藤 友香


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執筆者:遠藤友香


戸田建設株式会社は、東京都中央区京橋一丁目にて開発を進めていた超高層複合ビル「TODA BUILDING」を、2024年11月2日(土)に開業しました。これにより、2016年に都市計画決定の京橋一丁目東地区計画が完了し、街区「京橋彩区」もグランドオープン。

オープニングセレモニーにおいて、戸田建設株式会社 大谷清介氏は「TODA BUILDING」開業に関して、「多様な価値を生み出し続けることはもちろん、これからも京橋の街とともに歩み、新たな文化を創出して参ります」と述べました。

2024年11月にオープンした「TODA BUILDING」の開業半年を記念して、「蓮沼執太フィル TODA BUILDING LIVE “都市と合奏”」を、2025年6月6日(金)に開催します。

1983年、東京都生まれの蓮沼執太(はすぬま しゅうた)氏。蓮沼執太フィルを組織して、国内外での音楽公演をはじめ、映画、演劇、ダンスなど、多数の音楽制作を行っています。また「作曲」という手法を応用し、物質的な表現を用いて、彫刻、映像、インスタレーション、パフォーマンス、ワークショップ、プロジェクトなどを制作。

2013年にアジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)のグランティ、2017年に文化庁・東アジア文化交流史に任命されるなど、国内外で活躍中です。主な個展に2016年「compositions : rhythm」Spiral(東京)、2017年「作曲的|compositions」Beijing Culture and Art Center(北京)、2018年「Compositions」Pioneer Works( ニューヨーク)、2018年「 ~ ing」資生堂ギャラリー(東京)、2020年「OTHER "Someone's public and private / Something's public and private」void+(東京) などがあります。

また、近年のグループ展として、2020年「太田の美術vol.3 2020年のさざえ堂―現代の螺旋と100枚の絵」太田市美術館(群馬)、2021年「Faces」SCAI PIRAMIDE(東京)、2023年「ゴミうんち展」21_21 DESIGN SIGHT(東京)など。最新アルバムとして『unpeople』(2023)をリリース。第69回芸術選奨文部科学大臣新人賞(2019年)を受賞しました。

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蓮沼執太がコンダクトする「蓮沼執太フィル」とは、2010年に結成された現代版フィルハーモニック・ポップ・オーケストラ。2014年にアルバム『時が奏でる』、2018年に『アントロポセン』をリリースしました。2019年にフジロックフェスティバルへ出演、⽇⽐⾕野外⼤⾳楽堂での単独公演を成功におさめました。2023年にアルバム『シンフィル』をリリースし、オペラシティコンサートホール タケミツメモリアル公演『ミュージック・トゥデイ』を開催しました。 

「蓮沼執太フィル」メンバー
蓮沼執太、石塚周太、イトケン、大谷能生、尾嶋優、音無史哉、葛西敏彦、K-Ta、小林うてな、ゴンドウトモヒコ、斉藤亮輔、千葉広樹、手島絵里子、三浦千明、宮地夏海


蓮沼執太は、TODA BUILDING開業半年記念「蓮沼執太フィル TODA BUILDING LIVE “都市と合奏” 」について、以下のコメントを寄せています。

「都市と合奏。このパフォーマンスは、TODA BUILDINGから京橋の街に音楽を解いていく実践です。日常的な都市の営みが音となり、僕らの演奏と溶け込んでいきます。環境すべてが音楽として立ち上がる公演を、この超日常をお楽しみください」。


■「蓮沼執太フィル TODA BUILDING LIVE “都市と合奏”」

日時:2025年6月6日(金)17:00~18:00

会場:TODA BUILDING 広場(東京都中央区京橋1-7-1)

※雨天時は1階エントランスロビーで開催

出演:蓮沼執太フィル

入場:無料

主催:戸田建設株式会社


また、2025年6月6日(金)~7月12日(土)、TODA BUILDING 3Fの「Yutaka Kikutake Gallery」にて蓮沼執太が出展するグループ展「HEAR HERE」を開催します。ライブと合わせて是非お楽しみください。

■『蓮沼執太、楊博、小林七生「HEAR HERE」』

会期:2025年6月6日(金)~7月12日(土) 11:00~19:00 日・月・祝定休

主催:Yutaka Kikutake Gallery