日本最大級の国際的アート見本市「アートフェア東京」が開幕! おすすめギャラリーをピックアップ

2024/03/08
by 遠藤 友香

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執筆者:遠藤友香


2005年の初開催以来、日本および世界の優れたアートギャラリーが集う日本最大級の国際的アート見本市「アートフェア東京」。2024年3月8日(金)から10日(日)(7日は招待制のプライベートビュー)にかけて、東京国際フォーラムにて開催中です。

18回目を数える2024年のアートフェア東京は、大きく変化する世界のアートシーンの影響も鑑みながら、引き続き日本独自のさらなるマーケット醸成に寄与するため、お客様とギャラリーの間での良き作品との出会いの場を創造していきます。

国内で展開されている多彩なジャンルー例えば、現代美術や日本画、洋画、工芸、古美術などを一つの会場で鑑賞できる機会は、現在このフェアが日本国内で唯一のものとなっています。

今年のアートフェア東京の出展ギャラリーは、国内外35都市より156軒(内初出展19軒)となり、海外フェアにも出展している日本の主要ギャラリーを中心に、アフターコロナでの海外ギャラリーの出展も目立ち始めました。また海外でも注目されている工芸のギャラリーの初参加が多くなっています。

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”The  Project Yugen”


セッションは、ギャラリーズ、クロッシング、プロジェクツ、パートナーズで構成され、リニューアルされたプロジェクツでは海外ギャラリーによる合同展”The  Project Yugen”が開催され、見どころとなっています。これは、アートフェア東京が他のアートフェアとの差別化を図り、新たな方向性を打ち出す初の試み。ゲストキュレーターに、イタリア出身でロンドン活躍している女性キュレーターのタラ・ロンディを迎えています。

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”The  Project Yugen”


2月27日(火)に行われた記者発表会において、アートフェア東京のマーケティングディレクターを務める木下明は「今回、プロジェクツでは幽玄をテーマにしています。幽玄は、言葉では語り尽くせないほど宇宙深遠意識示しいて、これ日本美意識通じるものあるというところが、タラ感じる日本魅力だそうです見えるもの見えざるものの境界線が、この時代において曖昧なってきており、このアートフェア携わってるなぜアート所有なければいけない所有する意味あったりそういったところについてもっともっと考えいくよう時代なっててるじゃないと感じています。

これからどういうもの買っいけいいか、自分にとってアートってだろうって会話とても増えてきており、そういうとき曖昧だったり、自分ためこれある見えているものと見えないものの間で感じるもがある思うですそういったより問い投げかけよう企画なっている思っていま」と語りました。

マネージングディレクターの北島輝一は、アートフェア役割について「多く方々美術館展覧会近いもの考えいらっしゃるですが我々して全然違ういうふう思っます。以前は展覧会近いフォーマットやっいたのですが、ここ数年なるべくその美術館展覧会ないようするために、初日プレビューではなくプライベートビュー呼ぶとか初日一番売れるし、できれ早い時間帯にコアなコレクター来てほしいいうこと主眼設計しており、VIP誘致してます

ギャラリーに対しては、アートフェア東京に出ることが、ブランディングマーケティング繋がるように考えています。アートフェア東京に、日本コレクター全員に来て欲しいし海外から一部コレクターに来て欲しいとの想いでやっます。来場者には、いっぺんたくさんギャラリーの展示販売している作品を見ことできるいう意味で、流動性提供しています」と述べています。

次に、アートフェア東京に出展しているおすすめギャラリーを5つピックアップします。

1.小山登美夫ギャラリー

1996年、江東区佐賀町に開廊した「小山登美夫ギャラリー」。2016年より六本木に拠点を移し、2022年天王洲にもスペースをオープン。開廊当初から海外アートフェアへ積極的に参加し、日本の同世代アーティストを国内外に発信しています。

日本における現代アートの基盤となる潮流を創出しており、現在は菅木志雄、杉戸洋、蜷川実花、リチャード・タトルなどのアーティストに加え、陶芸アーティストも紹介。国境やジャンルにとらわれず巨匠から新たな才能まで幅広い作品を紹介し、独自の視点で現代アートマーケットの更なる充実と拡大を目指しています。

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Tom Sachs トム・サックス Model Ninety Five 2023 ©Tom Sachs, Courtesy of Tomio Koyama Gallery

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川島秀明 Hideaki Kawashima bad condition 2003 ©Hideaki Kawashima, Courtesy of Tomio Koyama Gallery


本フェアには、出展作家10名の作品が並んでおり、身の周りにある素材を使って現代のアイコンを再現した彫刻作品を発表し続けているトム・サックスや、様々な顔とそこに現れる憂いを帯びた繊細な目や表情を描き出す川島秀明といった気鋭の作家に注目したい。

2. カイカイキキギャラリー

アーティストのマネジメントと作品販売により、アートの社会的価値の創造を行っている「 カイカイキキギャラリー」。カイカイキキ所属アーティストをはじめ、海外からはMark Grotjahn、Matthew Monahan、Friedrich Kunathなどを取り扱い、展覧会を開催してきました。今後も、国内外問わずさまざまな作家をインバイトし、社会とアートをつなぐ起爆剤として機能していくといいます。

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©2024 Otani Workshop/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

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©2024 Mr./Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved. Courtesy of Kaikai Kiki Gallery


今年頭にDiorとのコラボレーションを行って生まれた緑の大きなかいじゅうの作品は、大谷工作室のもの。実際にDiorのブティックに展示されていた立体作品が展示販売されています。また、正面の壁面でのインスタレーションは、Mr.の作品。先日パリでの個展を終えたばかりの作家ですが、今回のアートフェアのために制作された新作が並んでいます。

3.KOTARO NUKAGA

異文化が交差し多様な情報が発信される六本木と、新たな現代アートの中心地として注目される天王洲に拠点を置き、国内外の先鋭的なアーティストと共に独自性の高いギャラリープログラムを展開している「KOTARO NUKAGA」。

アートは歴史や社会と対話し、批判的に私たちの既成概念に揺さぶりをかける一方で、領域横断的に科学や先端的のテクノロジーなどをも思考や表現の対象に取り込んでいくと、同ギャラリーの代表を務める額賀古太郎は考えています。

JOSÉ PARLÁ Movement of Reflective Light, 2024
JOSÉ PARLÁ Movement of Reflective Light, 2024

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(左)AMANI LEWIS They call him Los, 2022 (右)AMANI LEWIS Finding peace in the History, not the turbulence., 2022


KOTARO NUKAGAのブースでは、ホセ・パルラ、ニール・ホッド、松山智一、森本啓太、マイケル・リキオ・ミング・ヒー・ホー、アマニ・ルイスの作品を展示。中でも、ホセ・パウラとアマニ・ルイスは初出展です。

4.gallery UG

一人ひとりアーティストを発掘・育成しながら、アーティストと共にギャラリーとしての成長を遂げてきた「gallery UG」。 現在では若手アーティストを30人ほど抱え、平面作品はもちろんのこと、扱いが難しいとされる立体作品にも注力しています。

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 (左から)野原邦彦 「みまわし山をつくる」樟、アクリル絵具(153×64×63cm)2024  「みまわし山をつくる」樟、アクリル絵具(115×61×64cm)2023 

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田島享央己「Almost cut my hair Part 6」 キャンバスにアクリル絵具 F100 (162×130.3cm)2024 


本フェアには、キャッチ―で親近感を覚えるモチーフをポップな色彩で表現した木彫を中心に発表している野原邦彦や、アウトローな気質を備え、彫刻だけでなく絵画領域にフィールドを広げ、幅広く活動している田島享央己などを出展しています。

5. ギャラリーこちゅうきょ

壺中居の屋号は「壺中之天」の故事から、創業者の南天子と不孤斎によって名付けられました。そこには、日常の中にある別天地であることを願い、美術を愛する皆様の憩いと楽しみの場でありたいという二人の想いが込められています。店内には、会津八一(秋艸道人)の揮毫による壺中居の看板が掲げられています。

中国・韓国・日本を中心とした東洋古美術、主に陶磁器を取り扱っており、日本を始め世界のコレクター、美術館の収集を一世紀近くにわたりお手伝いしてきました。最近では、数寄者や文士の本をご覧になって来店される方も多く、また店の看板を目当てに来る書家の方も珍しくないとのこと。

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戸田浩二 焼締尖 Stoneware, "SEN"


本フェアでは、戸田浩二の作品を展示販売。戸田は笠間の陶芸家・伊藤東彦に師事し、2002年より薪窯を築いて制作をしています。作品は、焼き締め技法による装飾を排した端正な花器や水瓶などで、強靭かつ繊細な造形力と柔軟な発想が無限の可能性を感じさせます。


以上、「アートフェア東京」についてご紹介しました。ぜひ会場に足を運んで、お気に入りの作品を見つけてみてはいかがでしょうか。


■アートフェア東京

会期:2024年3月8日(金)~10日(日)

プライベートビュー: 3月7日(木)11:00~19:00

パブリックビュー : 3月8日(金)11:00~19:00

                                3月9日(土)11:00~19:00

                                3月10日(日)11:00~17:00

会場:東京国際フォーラム ホールE/ロビーギャラリー

東京都千代田区丸の内3丁目5番1号

JR・地下鉄有楽町駅 徒歩約1分、JR東京駅(京葉線) 徒歩約5分

チケット:前売券:4,000円(税込)

予約当日券:5,000円(税込)

※小学生以下は、大人同伴に限り入場無料

ART FAIR TOKYO

チームラボの境界のない一つの世界「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」が、東京・麻布台ヒルズにオープン!

2024/02/18
by 遠藤 友香

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麻布台ヒルズ


執筆者:遠藤友香


「Green & Wellness」を軸に、「Modern Urban Village~緑に包まれ、人と人をつなぐ「広場」のような街~」をコンセプトとして、人々が自然と調和しながら、心身ともに健康で豊かに生きることを目指す街「麻布台ヒルズ」。

この度、「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス(以下、チームラボボーダレス)」が、東京・お台場から移転し、2024年2月9日、麻布台ヒルズにオープン! 独立した79の作品群が複雑に関係し合うチームラボボーダレスが完成しました。森ビルとチームラボが共同で手掛け、東京・お台場にオープンしたチームラボボーダレスは、開館わずか1年で世界160ヵ国以上の国・地域から約 230万人を動員。今回麻布台ヒルズに移転したチームラボボーダレスも、オープン前から話題を集めました。

チームラボボーダレスは、アートコレクティブ・チームラボの境界のないアート群による「地図のないミュージアム」。地図がないので順路はなく、ご自身の好きなようにミュージアムをまわることができます。

アートは、部屋から出て移動し、他の作品と関係し影響を受け合い、他の作品との境界線がなく、時には混ざり合います。チームラボボーダレスは、そのような作品群による境界なく連続する1つの世界です。人々は、境界のないアートに身体ごと没入し、「境界なく連続する1つの世界の中で、さまよい、探索し、発見する」ことができるといいます。

新しいチームラボボーダレスでは、境界のないアート群は、より進化し、より多くの場所へ移動し、複雑に関係し合い、永遠と変化し続ける、境界なく連続する1つの世界を創るそう。

森ビルは「私たち森ビルは、「文化」を都市づくりにおける重要な要素と位置付けて、街ごとに個性的な文化施設を創出してきました。2018年に開館した「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソンチームラボボーダレス」(東京 お台場)もその一つであり、チームラボとともに国際都市・東京の磁力向上に貢献してきました。

ウェルネスへの意識が高まってきた今、文化やアートは人々の心を豊かにするものとして、ますます重要視されています。「Green & Wellness」をコンセプトの柱とする「麻布台ヒルズ」では、「アートによって、自分と世界との関係と新たな認識を模索したい」と考えるチームラボの作品群が、訪れる人の感性を刺激し文化を育むことを願って、「チームラボボーダレス」を移転オープンすることとしました。多様な文化発信をする「麻布台ヒルズギャラリー」、街のあらゆる場所に設置されるパブリックアートとともに、芸術・文化が一体となったミュージアムのような街を目指します」と述べています。

次に、おすすめの作品を7つピックアップします。

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《人間はカメラのように世界を見ていない》


エントランスの《人間はカメラのように世界を見ていない》という作品から、このミュージアム体験は始まります。エントランス空間の指定の位置付近でカメラで見ると、「teamLab Borderless」の文字が空間に浮き上がり正体をします。しかし、同じ場所で肉眼で直接見ても、文字は浮き上がりません。人間はレンズのように世界を見ていないことを示唆しています。

チームラボ設⽴以前から、世界は境界がなく連続しているにもかかわらず、認知上分断してしまうこと、特に、レンズで⾒ると、⾃分の⾝体がある世界と⾒ている世界が分断されることに興味があったそうです。チームラボを設⽴した2001年頃から、レンズや透視図法は、空間の平⾯化の論理的な⽅法論の⼀つだと考え、レンズや透視図法とは違った、空間の平⾯化の論理を模索し始めたとのこと。⼈間はこの世界をどう認識しているか、認識と⾝体がどのように関わるのかを知りたかったといいます。

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《Bubble Universe: 実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境によって生み出される光 》


《Bubble Universe: 実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境によって生み出される光 》は、チームラボの新たなアートプロジェクト「認識上の彫刻」をテーマにした、インタラクティブな作品です。空間は無数の球体群によって埋め尽くされ、それぞれの球体の中には、異なる光の存在が入り混じっています。本作は、認識と存在について、そして、人間が世界をどのように見ているのかを模索すると同時に、現象とは環境との連続的な関係性の中に存在することをほのめかしています。

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チームラボ《Black Waves: 闇から生まれ闇に帰る》© チームラボ


《Black Waves: 闇から生まれ闇に帰る》は、海は全ての海と繋がっていて、この世界の全ての波は繋がりあっていることを認識させてくれます。古典的な東アジアの美術の波は、よく線の集合で表現され、線の集合でできた波は、それらが流れの中の一部であることを気が付かせてくれるといいます。そして、その線の集合は、波がまるで一つの生き物であるかのように感じたことを、思い出させてくれるのです。波は、無数の水の粒子の連続体で表現し、粒子間の相互作用を計算し、三次元上の水の動きをシミュレーションしているそうです。

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Light Sculpture - Flowシリーズ


《Light Sculpture - Flow》シリーズは、流れ出ていく光による巨大な彫刻が生まれ、押し寄せ、広がり、人々を飲みこんでいきます。 「非対称宇宙」と呼ぶ空間に生まれるライトスカルプチャー。現実空間とミラーの中の世界とでは、非対称な異なる存在として生まれ、現実世界とミラーの中の世界を行き来します。

これまでもチームラボは、物質的ではない彫刻、「境界面の曖昧な空間彫刻」を創ってきました。「なぜ、海の渦に存在を感じるのか?そして、それを生命にすら感じるのか?構成要素が空間的時間的に離れていたとしても、部分に秩序が形成された時、部分は一つの存在として認識され、時には生命のようにすら感じる。」このような考えのもと、流れ出ていく光の集合体が、生命的宇宙を創っていくとのこと。

チームラボ代表 猪子寿之氏は「新作のライトスカルプチャーを今創っているけど、めちゃくちゃすごい。もう、空間がどうなっているか、全くわからない。宇宙に吸い込まれて、宇宙と一体化した」と語っています。

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《マイクロコスモス - ぷるんぷるんの光》


《マイクロコスモス - ぷるんぷるんの光》は、奥行きすらわからない無限に広がる空間の中を、無数のぷるんぷるんの光が走り続ける作品です。「構成要素が空間的時間的に離れていたとしても、全体に異なった秩序が形成され、重なり合う時、それは、宇宙か?」を模索する作品となっています。 ぷるんぷるんの光は、チームラボのアートプロジェクト「認識上の彫刻」で、それは、物理世界には存在せず、認識世界に存在する彫刻なのです。

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《スケッチオーシャン》


共同的な創造性「共創」をコンセプトにした作品《スケッチオーシャン》では、来場者が紙に描いた魚が、他者が描いた魚たちと共に目の前の海で泳ぎだします。魚たちは人々にインタラクティブに反応しながら、部屋を出て、他の作品の境界を越えてチームラボボーダレスの中を泳ぎ始めます。中でも、マグロは、ミュージアムの物理空間をも超えて、世界の他の場所で行われている展覧会へと泳いでいき、そこで描かれたマグロの群れを引き連れて帰ってきます。

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スケッチファクトリー


また、《スケッチオーシャン》の作品内で描いた絵は、作品空間で動くだけでなく、自分だけの缶バッジ、Tシャツ、トートバッグとして、そのまま持ち帰ることができます。是非、お子さんと一緒に楽しんでみては。

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《EN TEA HOUSE》


《EN TEA HOUSE》は、チームラボボーダレス内にあるティーハウスで、茶やアイスクリームを味わうことができます。一服の茶を点てると、茶に花が生まれ咲いていきます。花々は茶がある限り無限に咲き、器の中の茶は、花々が咲き続ける無限の世界となります。その無限に広がる世界をそのまま飲むティーハウスです。茶が存在して初めて作品が生まれるので、茶を飲み干すともう作品は存在しません。

 

以上、チームラボの境界のない一つの世界「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」をご紹介しました。世界中にファンを抱えるチームラボの作品群を思う存分堪能できるミュージアムです。是非、会場に足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

■森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス
【公式】チームラボボーダレス, 麻布台ヒルズ, 東京 (teamlab.art)

場所:麻布台ヒルズ ガーデンプラザB B1(東京都港区麻布台1-2-4)

開館時間:10:00 - 21:00
※最終入館は閉館の1時間前
※開館時間が変更になる場合があります。公式ウェブサイトをご確認ください。

休館日:第一・第三火曜日
※休館日が変更になる場合があります。公式ウェブサイトをご確認ください。

チケット価格:
大人(18歳以上):3,800円〜
中学生・高校生(13 - 17歳):2,800円
子ども(4 - 12歳):1,500円
3歳以下:無料
障がい者割引:1,900円〜
※事前日時指定予約制です。
※大人と障がい者割引につきましては変動価格制を導入し、日によって金額が異なります。日別の価格をご確認の上、日時指定チケットをお買い求めください。
※現地での購入の場合、上記価格に+200円となります。

公式チケットサイト | 森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス, 麻布台ヒルズ, 東京, 日本 (teamlab.art)

お問い合わせ:CONTACT | teamLab / チームラボ


執筆者:遠藤友香

写真家・アーティストの高松聡の新たな宇宙アートプロジェクト「WE」が始動

2024/02/17
by 遠藤 友香

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執筆者:遠藤友香


世界で初めて宇宙空間でのCM撮影を実現したことで知られる写真家・アーティストの高松聡氏が代表を務めるアートコレクティブ、株式会社 WEが実施する「宇宙アートプロジェクト『WE』」が始動します。

国家宇宙機関が行う宇宙プロジェクトではなく「私達の、私達による、私達のための宇宙プロジェクト」である本ミッションをWEと名付け、また本ミッションを推進するコミュニティの名称もWEとすることにしたとのこと。デロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社が本アートプロジェクトの推進プロフェッショナルパートナーおよびオフィシャルスポンサーとして、本プロジェクトの実現に向けたサポートを行います。

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高松聡氏


ここで高松氏についてご紹介しましょう。 高松氏は1963年生まれ。筑波大学基礎工学類を卒業後、株式会社電通に入社。2005年クリエイティブエージェンシーGROUNDを設立し、代表取締役兼クリエイティブディレクターとして数多くのブランドを担当しました。カンヌ広告祭など国際広告賞で数多くのグランプリや金賞を受賞し、審査員、審査委員長を歴任。世界初のFIFA公 認パブリックビューイングを2002年国立競技場で実現。また世界初の宇宙ロケCMの撮影を2001年にポカリスエットで実現しました。2回目の宇宙ロケCMでは「反戦」をテーマ としたカップヌードル「NO BORDER」を、さらに「地球のサステナビリティ」「未来の管理社会」をテーマにしたカップヌードル「FREEDOM」などを手掛け、広告作品でありながら社会性の強いキャンペーンを提示し続けたことで知られています。2015年広告業界を離れ、 ロシア「星の街」で8カ月に及ぶ宇宙飛行士訓練を終了。株式会社SPACE FILMS代表、写真家・アーティストとして活動。2014年東京都現代美術館 「ミッション[宇宙×芸術]-コスモロジーを超えて」に出展。2020年個展「FAILURE」を開催。2024年アートコレクティブWEを設立しました。

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宇宙から地球を見ると「オーバービューエフェクト」と呼ばれる体験、マインドシフトが多くの宇宙飛行士に起きると言われています。その体験は様々ですが、多くの宇宙飛行士が薄い大気に守られた脆い地球を見ることで地球の環境問題、サステイナビリティの重要性を直感的に感じると言われています。また一つの惑星で国家間の戦争が続いている現実を宇宙から考え、戦争のない地球を強く希求するといいます。ですが、これまで宇宙に渡航した宇宙飛行士などの専門家や一部の富裕層など、人類全体でも600人程度のごく限られた人が体験できるものでした。 

宇宙に行かなくてもオーバービューエフェクトを起こすには限りなくリアルな「宇宙から地球を見る体験」を再現する必要があります。つまり人間の視覚能力の限界に挑戦する撮影と上映が必要です。それを実現するため本アートプロジェクトでは、撮影に複数台の高性能カメラをスタックして同時運用し、静止画3億画素、動画24K、VRではHMD(ヘッドマウントディスプレイ)で60PPD(PPD Pixel per degree 画角一度あたりのピクセル数)を超える360度動画再生を実現する撮影を行うとのこと。 さらに後処理でマシンラーニングさせたAI超解像を行い、出力としては静止画6億画素、動画48Kをターゲットとしているといいます。

WE代表の高松氏は2002年の日韓ワールドカップで世界初のFIFAパブリックビューイングを国立競技場で実現した経験から「非常に多くの人が見たいと思っている貴重なコンテンツは限定的な人数の方しか体験できない。そこで限りなくリアルなバーチャル体験を多くの方に提供することに大きな意味がある」と確信しました。今回のプロジェクトは「宇宙から地球を見る体験のパブリックビューイング」とも言えます。

また高松氏は、先にもご紹介した通り、世界初の宇宙ロケCMを2001年にポカリスエットで実現し、2005年には 日清カップヌードル「NO BOREDR」で平和を希求する2年間のキャンペーンを行いました。その国際宇宙ステーションでのCM撮影経験と、2015年にロシア「星の街」で8ヶ月間行った宇宙飛行士訓練、その後の写真家・アーティストとしての経験を統合して今回の宇宙プロジェクトWEを推進します。WEは2023年1月に米国ヒューストンのAxiom Space社と長期滞在宇宙飛行の座席予約契約を完了。 高松氏は第一回目のAxiom Spaceへの支払いを完了し、今後世界中の個人、 ブランド、財団等に協賛を依頼し必要経費のファンドレイジングを行います。

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「WE」記者発表会にて。(左から)高松聡氏、伊東真史氏


2024年2月8日に行われた記者発表会にて、高松氏は「私が宇宙に興味を持ったのが1969年、アポロ11号の月面着陸をテレビで見てからです。非常に心に残る出来事で、月に着陸しているアームストロング船長を見て、人類ってすごいな、科学ってすごいな、テクノロジーってすごいなと思い、将来宇宙飛行士になりたいと思いました。プロ野球選手なりたいとか宇宙飛行士になりたいってのはみんなが思って、どこかで忘れていくものですが、私の場合は22歳、大学4年生になるまでその夢を追いかけていました。

大学4年生のときに、現JAXA、旧NASDAの日本で初めての宇宙飛行士募集があり、やっと時代が追いついたと思い願書を取り寄せました。身長、体重、水泳、英語、理工系の大学を卒業している、一応全部クリアしているつもりで願書を取り寄せたのですが、裸眼視力が1.0以上、こういう項目がありました。私はド近視でして、当時レーシックも認められず、コンタクトも眼鏡も認められないということで宇宙飛行士への夢が22歳で潰えました。

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ロシア「星の街」にて

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ロシア「星の街」での訓練の様子


2014年に広告業界を引退し、宇宙飛行士になりたいという6歳からの夢が忘れられずに、ロシアの「星の街」なら、ある方のバックアップクルーとして8ヶ月間訓練をするとなれるよということで、ロシアに8ヶ月間行って、宇宙飛行士訓練をコンプリートしました。

2015年にロシアに訓練に行ったときは、「宇宙飛行士になりたい」っていうだけで行ったんです。それ以外何もなかった。だけど星の街で毎日写真を撮っているうちに、写真家としての自分に目覚めていったんですね。宇宙飛行士という肩書きを取るためだけに頑張ることって何の意味もないな思ったのです。子供の頃からずっとやってきた写真が、私の新しい仕事になるだろうと思いました。宇宙飛行士になるってことより写真家・アーティストとして、宇宙で何ができるか、それこそが大事なんじゃないかと思うようになりました。

僕は人生観が変わるほどの写真って見たことがないんですね。でも宇宙に行って地球を見たら、真っ暗闇の中に青く輝く地球が浮かんでいて、それがゆっくりと回転している。その向こう側から太陽が昇ってきて、90分に1回日の出と日没があって、1日に15回、日の出と日没を繰り返す。その視覚体験が人生を変えるほどの影響を与えないわけがないと思うんです。おそらく全ての人が地球を宇宙から見たら、何か心が変わると思うんです。心のスイッチが入るっていうか。だとしたら、僕のなすべきミッションは、宇宙に行って、地球を見たときに得られる視覚体験を100%とは言わないまでも、限りなく近づけるような撮影をして、それを再現する再生装置を地上に設けて、世界中の人が宇宙に行かずとも、宇宙から見た地球を体験できる、そういう体験装置を作ることじゃないかなっていうふうに思ったんです。それが星の街で僕が見つけることのできた新しいミッションなんですね。宇宙飛行士になりたいっていう夢は僕だけの夢ですが、宇宙から見た地球を地上で見たいっていうのは、これは僕だけの夢じゃないと思うんです。

宇宙から地球を見る経験ができる人はほんの一握りで、そのほんの一握りを世界中の人が見られるように変えること、つまり宇宙から地球を見る体験の民主化に僕はすごく意義があると思っています。宇宙から地球を見たら、ほとんどの人がこの青い地球を守らなきゃって自然に思うはずで、本で読んだ知識ではなくて、サステナビリティの重要性を直感的に理解すると思うんです。この一つの星で国境をはさんで殺し合うとかありえないだろうとも思うだろうし、戦争がない地球になって欲しいと強く願うと思うんです。少なくともこの小さな星にみんな共生して生きてるんだっていう、地球人としての意識が芽生えるはずです」と語りました。

デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社 執行役 Deputy CSIO パートナーの伊東真史氏は「 DTFA が本プロジェクトに参画するのは、このプロジェクトが持つ意義そのものに強く共感したからです。当社はこれまで様々な企業課題、社会課題の解決を支援してまいりましたが、近年その肥大化・複雑化を感じております。このような状況だからこそ、我々は強い意思を持って、「平和」や「サステナビリティ」を希求することが必要だと思っています。高松聡氏とのパートナーシップのもと、その意義に賛同いただける数多くの民間企業、学術機関、専門機関、個人の方々などと連携し、プロジェクトを実現させてまいります。平和を前提として我々の幸福を語り、サステナビリティを単なる地球環境の延命措置とせず、人類のサステナビリティと捉え、月や火星といった次の宇宙開発に向かっていく、そのような未来を皆で創り出していきます」と述べています。

 

以上、宇宙アートプロジェクト「WE」に関してご紹介しました。人生観が変わる体験ができるであろう本アートプロジェクトに、ぜひご注目いただけますと幸いです。

小林武史が総合プロデューサーを務める、ライブ・アート・パフォーマンス、食体験、アート展示が融合した「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」

2024/02/13
by 遠藤 友香

執筆者:遠藤友香


千葉県誕生150周年記念事業の一環として、9月から開催中の「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス 」。市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の内房総5市を舞台に、「広域連携」「官民協同」による初の試みとして、アート、クリエイティブ、テクノロジーの力を融合した、百年後の新しい未来を創っていくための持続可能なプラットフォームとしての芸術祭を目指しています。

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小林武史氏

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北川フラム氏


総合プロデューサーはクルックフィールズ(木更津市)の代表を務める小林武史、アートディレクターは地域に根ざした芸術祭を数多く手掛ける北川フラムが務めます。

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昨年9月に行われた「en Live Art Performance」の様子


9月に初披露された、⾳楽・映像・ダンス・光・テクノロジー(ドローン)を融合させた「en Live Art Performance」を皮切りに、10月には「円都 LIVE(エントライブ)」を開催。さらに、11月には、「en Live Art Performance」と、食と学びの新たな食体験イベントとして、内房総5市などの魅力的な食材が集結した「EN NICHI BA(エンニチバ)」を同時に行いました。

本芸術祭は、「LIFE ART」と 「LIVE ART」を両軸として展開します。「LIFE ART」と 「LIVE ART」という言葉は、「百年後芸術祭-内房総アートフェス-」の総合プロデューサーである小林武史とアートデ ィレクターの北川フラムが、それぞれのフィールドで携わってきたこれまでの経験や想いをもって表現していくものです。

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ダダン・クリスタントの過去作品/Photo by Takenori Miyamoto + Hiromi Seno


「LIFE ART」は、日本各地の芸術祭をディレクションし、市原市の「いちはらアート×ミックス」の総合ディレクターを務めた北川フラムが、 人々の生活に根ざした地域の営みに美を見いだし、アーティストとともに表現するアートです。

2024年3月23日〜5月26日のアート作品展示では、気鋭の現代アート作家を国内外から招聘し、内房総5市の各所で、アート作品を展示します。市原市においては、牛久商店街や市原湖畔美術館、旧里見小学校などの各拠点に約50作品展開します。新設となる、木更津、君津、袖ケ浦、富津の各市では、 来場者が巡回しながらアート作品を鑑賞しやすいよう、それぞれ拠点となる地域を選定し、作品を展示します。

出展アーティストとして、梅田哲也、小谷元彦、SIDE CORE、さわひらき、島袋道浩、名和晃平、リナ・バネルジー/ペギー・E・レイノルズ、保良雄、ディン・Q・レなどの他、新たに五十嵐靖晃や角文平といったアーティストの参加が追加で決定し、総勢約 80 組となります。絵画、彫刻、映像、インスタレーションなど、様々な手法を用いて表現される作品たちが、内房総5市を舞台に展開します。

 一方、「LIVE ART」は、音楽と音楽以外の様々な才能を融合させた新しい形のバンドButterfly Studioをはじめ、木更津のクルックフィールズなどを手掛けてきた小林武史が、瞬間瞬間に生み出されるライブパフォーマンスを中心に表現するアートです。 この2つのアートが融合し、混ざり合うことで生まれる、アート作品展示とライブパフォーマンスの新たな表現へ挑戦していきます。

「LIVE ART」のタイトルは、“通底縁劇・通底音劇”です。通底という言葉は、アンドレ・ブルトンの『通底器』からヒントを得たもので、 「つながるはずのないものがつながる、つながっている」ということをイメージしています。この通底という言葉には、歴史的な要因による戦争、自然災害による物理的な分断など、表面的には様々な分断が絶えないように見える現実に対して、本来、私たちは根底でつながりあえる(わかりあえる)のではないか? という想いを込めているそう。また、地理的な要因として、東京と内房総エリアはアクアラインで海の底で通底している、ということもあるとのこと。

この度、音楽を主とする「LIVE ART」では、櫻井和寿、スガシカオ、宮本浩次、アイナ・ジ・エンドらと小林武史プロデュースによるスペシャルライブが決定しました。4月6日に、富津公園ジャンボプールにて、アイナ・ジ・ エンドをフィーチャーしたアートパフォーマンスライブ「不思議な愛な富津岬」、4月20日、21日には、クルックフィールズ(木更津市) で、櫻井和寿、スガシカオを中心とした「super folklore(スーパーフォークロア)」、5月4日、5日は、君津市民文化ホールで 宮本浩次を中心とした「dawn song(ドーンソング)」、5月12日には荻野目洋子、MOROHAをフィーチャーした「茶の間ユニバース」。上記のメインアーティストとともに、通常の音楽ライブとは異なる次元の様々なアート的表現が展開されていきます。 年初に石川県能登地方で起こった能登半島地震に対して、「通底」の思いで内房総エリアから、表現を通じて想いを伝えつつ、APバンクの協力も得て、支援を実施していきたいと考えているとのことです。

2月9日に開催された「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」 企画発表会において、総合プロデューサーである小林武史は「本芸術祭には、環境と欲望というサブタイトルがついていますが、環境というのは私たちの力だけではそう簡単に変わることはできませんが、今問題となっているのは欲望の方なのでしょう。間違いなく僕たちの欲望をゼロにするということはできないわけですが、おそらく今問われているのは欲望をとらえ直してみたり、欲望の質を変えてみたり、工夫してみたりということを考えたり想像したり、表現したりしながら、新しい方向に向かっていくということなのだと思います。

100年後芸術祭の意味に込めた100年後という時間の感覚も、様々な問題や危機が今は想像し得る未来でもありますが、同時にここにいるほとんどの人がいない未来でもあります。だからこそ、利他的な感覚が生まれ、それを乗り越えていくというような未来に続いていくことができるのではないかと考えています。

そして東京に隣接しながら、今までの成長を支えてきた千葉内房総は、自然の力をまだまだ保有しています。これからの未来を自然の力も含めて考えるのにふさわしい場所だと考えています。想像力を集めて芸術祭という場を作ることで、続いていく未来に何らかの役割を果たせると確信しております」と語りました。


また、百年後芸術祭の内房5市に加え、山武市、佐倉市、栄町の追加されることとなりました。例えば、「山武市百年後芸術祭」では、梅田哲也、SIDE CORE、橘田優子といったアーティストの作品と、すでにそこにある自然物やアーティファクトをつなぎ、100年後のために今何ができるのかを考える機会を提示したいとのことです。

 

以上、「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」をご紹介しました。百年後芸術祭は、千葉県を舞台とした百年後を考える誰もが参加できる芸術祭です。 100年後を思うことは「利他」そのもの。 100年後に残したいアートとは何か? 100年後に残したい音楽とは何か? 100年後に残したい食とは何か? 100年後に残したいこととは何か? この芸術祭は、一緒に100年後の未来を創っていくための共創の場とのこと。 100年後を考え、表現することすべてが芸術活動になるといいます。 ぜひ、ライブ・アート・パフォーマンス、食体験、アート展示を通して、千葉県の魅力を再発見し、未来に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

 

■「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」LIFE ART

開催期間:2024年3月23日(土)〜5月26日(日)

※火・水曜日定休(4月30日・5月1日は除く。一部施設は通常営業)(全49日)

開催時間:10時〜17時 ※作品によって公開日・公開時間が異なる場合があります。

 販売期間 :前売パスポート:2024年2月 9日(金)〜3月22日(金)

当日パスポート:2024年3月23日(土)〜5月26日(日)

価格:一般 当日 3,500円、前売 2,500円(税込)

小中高 当日 2,000円、前売 1,000円(税込) ※県内の小中学生は無料引換券を配布(予定)

小学生未満 無料

※芸術祭の全会場へ各1回入場可能(ただし、有料イベントや有料体験ワークショップなどは別料金)

 ※2回目からは個別鑑賞券(値段未定)が必要。

■「百年後芸術祭〜環境と欲望〜内房総アートフェス」LIVE ART

・4月6日(土) 富津公園ジャンボプール(予定)

「不思議な愛な富津岬」

出演:アイナ・ジ・エンド/ 東京 QQQ(アオイヤマダ/かんばらけんた/ Kily shakley /KUMI/ 高村月/ちびもえこ/平位蛙 /MONDO/山田ホアニータ) 小林武史&スペシャルバンド

衣装:ひびのこづえ

・4月20日(土)、21日(日) クルックフィールズ(木更津)

「super folklore(スーパーフォークロア)」

出演:櫻井和寿/ スガ シカオ/ Butterfly Studio(guest vocal : Hana Hope/ dancer:KUMI/ 高村月/ dance: 浅沼圭 小林武史(Key)/ FUYU(Dr)/ 須藤優(Ba)/ 名越由貴夫(Gt)/ 沖 祥子(Vl)

・5月4日(土)、5日(日) 君津市民文化ホール

「dawn song(ドーンソング)」

出演:宮本浩次/ 落花生ズ(ヤマグチヒロコ、加藤哉子)/ dance:浅沼圭 小林武史(Key)/ 玉田豊夢(Dr)/ 須藤優(Ba)/ 名越由貴夫(Gt)/ ミニマルエンジン(四家卯大(Vc)、竹内理恵(Sax))

・5月12日(日) 袖ケ浦市民会館

「茶の間ユニバース」

出演:荻野目洋子/ MOROHA/落花生ズ(ヤマグチヒロコ、加藤哉子) and more 小林武史&スペシャルバンド トータルプロデュース:小林武史

※チケット料金、販売日は、2月20日(火)にオフィシャルサイトなどで発表予定です。 

百年後芸術祭 (100nengo-art-fes.jp)

アドリアン・ビシャル・ロハス Adrián Villar Rojas Mi familia muerta (My Dead Family) 2009 Photo credit: Carla Barbero 提供元:国際芸術祭「あいち」組織委員会事務局

消滅の後には開花が続く、人間と環境の関係を見つめる国際芸術祭「あいち 2025」

2024/02/08
by 遠藤 友香

執筆者:遠藤友香   

                                                                                                                       

2010年から3年ごとに開催され今回で6回目を迎える、国内最大規模の芸術祭の一つである「あいち」。国内外から多数のアーティストが参加して、愛知芸術文化センターのほか、県内の都市のまちなかといった広域にて展開しています。

本芸術祭では、主な会場として、愛知芸術文化センター、愛知県陶磁美術館、そして瀬戸市のまちなかにて、2025年9月13日から11月30日の計79日間開催予定です。現代美術を基軸とし舞台芸術なども含めた複合型の芸術祭で、ジャンルを横断し、最先端の芸術を「あいち」から発信していくといいます。

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フール・アル・カシミ「あいち2025」芸術監督


2024年2月1日に記者会見が行われ、「あいち2025」のテーマ・コンセプト、 参加アーティスト(第一弾)、企画体制が発表されました。今回の芸術祭のテーマ・コンセプトは「A Time Between Ashes and Roses 灰と薔薇のあいまに」で、シャルジャ美術財団理事長兼ディレクター、国際ビエンナーレ協会(IBA)会長のフール・アル・カシミが芸術監督に就任しています。

アル・カシミはこのテーマ・コンセプトに関して「国際芸術祭「あいち2025」は、詩人アドニスの詩集『灰と薔薇の間の時』から出発します。その心情とヴィジョンに共鳴するこの芸術祭は、現在の人間と環境の間の分断を照らし出す国家や領土といった目先の視点からではなく、地質学的な時間軸によって見えてくる未来の展望を提示します。

本芸術祭は、極端な終末論と楽観論を中心に据えるのではなく、環境正義(出自や所得の多寡にかかわらず、公平に安全な環境で暮らす権利を持つこと)の重なり合う複雑さを扱うことで、自らの責任に向き合い、不正義への加担を自覚するよう促しています。そしてまたこの芸術祭は、破壊と開花のあいまにある陰影のニュアンスや表現、人間と環境の複雑に絡み合った関係を強調します。

世界中から招くアーティストやコレクティブによる作品は、私たちが生きる環境について既に語られている、そしてまだ見ぬ物語を具現化してくれるでしょう。キュレーターの使命とアーティストの作品は、この芸術祭の地域性を掘り下げ、陶磁器や「せともの」の生産に触発された環境の物語を掘り起こします。こうした産業は地域の誇りの源であり、人間と環境の関係の新しく実験的なモデルを模索する本芸術祭の枠組みを支えています。

愛知の産業史において、陶磁器生産によって灰のように黒く染まった空は、環境の汚染や破壊よりもむしろ繁栄を意味していました。こうした地場産業や地域遺産は、人間と環境の複雑に絡み合った関係について、ニュアンスに富んだ思考への道を開いてくれるのでしょうか。「灰と薔薇のあいまに」とは、当然視されてきた位置づけやヒエラルキーが解きほぐされるよう、幅を持ち中間にある状態を引き受けること、そのような横断的なあり方なのです」と語っています。

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ダラ・ナセル Dala Nasser Adonis River 2023, commissioned by the Renaissance Society, University of Chicago, with support from the Graham Foundation and Maria Sukkar; courtesy of the artist 提供元:国際芸術祭「あいち」組織委員会事務局

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小川 待子 Ogawa Machiko 結晶と記憶:五つの山 2020 Photo: Tadayuki Minamoto Courtesy of Shibunkaku 提供元:国際芸術祭「あいち」組織委員会事務局 


記者会見では、テーマ「灰と薔薇のあいまに」に沿って選定した参加アーティストのうち、第一弾として4組が発表されました。

多様な素材を用いて、抽象概念とオルタナティブなイメージを表現する芸術家のダラ・ナセル、鉱物の美しさの中に「かたちはすでに在る」という考え方を見出し、ゆがみ 、ひびや欠け、釉薬の縮れなどの性質を活かし 、つくることと壊れることの両義性を内包する「うつわ」として、始原的な力を宿す作品を制作している小川待子、生命の痕跡を刻み込む作業として布に針目を重ねた作品を制作する沖潤子、そして、彫刻、ドローイング、ビデオ、執筆、行為や事象の痕跡などを組み合わせながら、すでに絶滅に遭ったか、絶滅に瀕して危険にさらされている人間の状態を研究し、過去、現在、未来が折り重なるポスト人新世時代における種間の境界線を探るアドリアン・ビシャル・ロハスの4組です。

また、企画体制として、学芸統括始め、各分野のキュレーター及びキュレトリアル・アドバイザーも発表されました。芸術監督には、先にも述べた通り、フール・アル・カシミ、学芸統括にはキュレーターの飯田志保子、キュレーター(現代美術)に愛知県陶磁美術館学芸員の入澤聖明、キュレーター(パフォーミングアーツ)にパフォーミングアーツ・プロデューサーの中村茜、キュレーター(ラーニング)に建築家の辻琢磨、キュレトリアルアドバイザー(現代美術)に人類学者/秋田公立美術大学アーツ&ルーツ専攻准教授の石倉敏明、福岡アジア美術館学芸員の趙純恵が名を連ねています。

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大林剛郎「あいち」組織委員会会長


記者会見において、「あいち」組織委員会会長の大林剛郎(株式会社大林組取締役会長 兼 取締役会議長)は、「世界的なコロナ禍がようやく落ち着きをみせてきましたが、その一方で、地震や戦争など、様々な形で困難に直面している人たちも多く、世界は以前にも増して不安定なものになっていると感じています。

そんな中、私たちは現代アートを紹介する国際芸術祭として、一体我々は何を目指すんだろうということを考えていきたいと思います。現代アートは文字通り、今を生きるアーティストが感じる現実そのものを反映します。ただ、その現実が絶望的な状態にあったとしても、アーティストたちは困難な現在に対して、そして未来に対して、その表現を通して人々の心に希望の火を灯すことを考えています。私はこれがアートそのものの力だと考えています。

私は、アル・カシミ芸術監督が作られたこのテーマ・コンセプトをもとに、キュレーターチームと参加アーティストの皆さんが、どのように呼応し、具現化していくのか、大変楽しみにしています。そして、人々の心に希望の火を灯す素晴らしい芸術祭にしたいと考えています」と述べています。

アル・カシミは「私は20年以上、世界中のアーティストと一緒に芸術祭を行っていました。今回、そのうちの何人かのアーティストに、この「あいち」への参加をお願いしました。私は瀬戸市や愛知県のいろいろな場所にしばらく滞在し、この土地の歴史や現状を見て、理解しようと務めました。

私たちと環境との関係は長い年月をかけて、どのように変化してきたのでしょうか? かつての私たちは自然と一体化していたのでしょうか? 女性が部族の長を務める、多くの先住民族の社会がそうであったように、自然と完全に調和してるというというのは童話の世界ものなのでしょうか? 

私たちはアドニスの詩を読みながら、手塚治虫さんの漫画にある来たるべき世界にも注目しています。愛知県の地域性を活かし、アーティストやキュレーターと一緒に答えはないかもしれませんが、私たちに可能性を想像させる場を作れるような芸術祭を開催したいと考えています」と語っています。

以上、国際芸術祭「あいち 2025」のテーマ・コンセプト、 参加アーティスト(第一弾)、企画体制についてご紹介しました。ぜひ本芸術祭に注目していただけますと幸いです。

 

■国際芸術祭「あいち2025」
テ ー マ:A Time Between Ashes and Roses 灰と薔薇のあいまに 
芸術監督:Hoor Al Qasimi フール・アル・カシミ(シャルジャ美術財団理事長兼ディレクター/国際ビエンナーレ協会会長)  
会 期:2025年9月13日(土)~11月30日(日)[79日間] 
主な会場:愛知芸術文化センター/愛知県陶磁美術館/瀬戸市のまちなか 
主 催:国際芸術祭「あいち」組織委員会 
(会長 大林剛郎(株式会社大林組取締役会長 兼 取締役会議長)) 

国際芸術祭「あいち2025」 (aichitriennale.jp)