執筆者:遠藤友香(Yuka Endo)
宮城県のおすすめ観光スポットや宮城県の農水産物や食文化、郷土料理についての認知度を高めるべく、宮城県メディア説明・試食会が、2025年10月31日(金)に開催されました。
当日は、宮城県経済商工観光部観光戦略課より、宮城観光の今、現在進行している観光戦略プロジェクトやおすすめ観光スポットについて、宮城県農政部食産業振興課より、宮城県の農水産物や食文化、郷土料理についての紹介がありました。
また、宮城の代表的な郷土料理である「はらこ飯」、根っこまで味わう冬の名物「せり鍋」、贅沢な海鮮を使った「痛風鍋」の試食や、宮城県が誇るブランド米「ひとめぼれ」「だて正夢」のパックご飯がお土産として渡されました。
次に、宮城県のおすすめ観光スポットと宮城県の食についてピックアップします。
1.宮城県のおすすめ観光スポット
宮城県の観光客⼊込数(令和6年の総⼊込数)は7,051万⼈、前年⽐増加率は+3.3%(227万⼈の増加)で、観光客⼊込数は2年連続過去最⾼を記録しました。
「東北絆まつり」「Pokémon GO Fest 2024︓仙台」等の⼤規模イベント開催に加え、あ・ら・伊達な道の駅や松島海岸などの主要観光地への⼊込客増加が全体を押し上げました。
令和6年度県内全体の宿泊観光客数はコロナ拡⼤前の令和元年とほぼ同⽔準(99.9%)となっています。⽇本国内外国⼈延べ宿泊客数は、過去最⾼となる中、宮城県でも73万⼈泊と過去最⾼となり、インバウンド需要の⾼まりが宿泊者数の増加に繋がりました。

注⽬の新スポットとして、令和6年11⽉にオープンした、宮城県で⼀番新しい道の駅「道の駅東松島(東松島市)」が挙げられます。ブルーインパルスをイメージした⻘と⽩の建物が特徴で、来場者数は既に70万⼈を突破。物販エリアでは、宮城名物ずんだシェイクや限定ブルーインパルスグッズ、新鮮な農産品を販売。観光エリアでは、VRでブルーインパルスの体験搭乗や⾶⾏訓練⾒学が楽しめます。

県の取り組みとして注力しているのが、⾃然と⽂化を五感で感じるトレッキング、そして⼤⾃然の中でととのうサウナ体験です。
豊富な⾃然に恵まれた宮城県は、四季折々の⾃然の美しさを満喫できるのはもちろん、伝統⽂化にも出会える場所です。トレッキングは、海岸線や⼭などの⾃然、⺠家の路地などを⾝近に感じ、⾃分なりにゆっくり楽しみながら歩けるのが魅力。⾵景と温泉、⽂化と歴史を五感で感じ、体験できる特別なトレッキングができます。平成30年10⽉の開始以来、これまで8万⼈以上が体験してきました。
トレッキングはこれまでの5つのコースに加え、11⽉より新たに2つのコースが追加。全7コースになり、県内をさらに周遊可能に。
■宮城オルレ蔵王・遠刈⽥温泉コース 距離:約9.0km 所要時間:約3.5時間 難易度︓初級
雄⼤にそびえ⽴つ蔵王連峰を仰ぎながら、⾃然豊かな⾼原を歩き、歴史や地域の暮らし、⾷と温泉など遠刈⽥温泉の魅⼒を堪能できるコース
(11⽉より新設:※11⽉上旬〜4⽉下旬まで冬季閉鎖)
・コースの⾒どころ
蔵王連峰と温泉街:東北の霊峰「蔵王連峰」と遠刈⽥温泉街を⼀望できるビュースポット。歩いて向かう蔵王ハートランドも眺望できます。
みやぎ蔵王こけし館:遠刈⽥伝統こけしをはじめ、全国の伝統こけしや⽊地玩具を5,500点展⽰しています。館内ではこけしの絵付け体験ができ、お⼟産が買える売店もあります。
・コース関連おすすめ情報
蔵王チーズ:蔵王連峰の豊かな⾃然で育まれた新鮮な⽣乳から作られたチーズ。フィニッシュ地点である蔵王酪農センターではチーズ料理や買い物が楽しめます。
JAPAN X:蔵王発祥の宮城を代表するブランド豚。⾃然豊かな蔵王の地でストレスフリーで育つため豚本来の脂の旨みが際⽴ちます。
梨:県内有数の⽣産量を誇るみやぎ蔵王の梨は、雄⼤な蔵王連峰の恩恵を受け、農家さんの愛情たっぷりに育てられ、8⽉下旬から10⽉下旬まで多様な品種が楽しめます。梨の季節には農家さんの軒先直売所で購⼊できるほか、梨狩り体験ができる農家さんもあります。
■宮城オルレ⼤崎・鳴⼦温泉コース距離:約10km 所要時間:約4時間難易度︓初級
雄⼤な峡⾕や「松尾芭蕉」などの歴史的⼈物が歩んだ「おくのほそ道」、泉質多彩で湯量も豊富な温泉など、⼤崎市鳴⼦温泉の魅⼒をゆっくり味わえるコース
(※11⽉下旬〜4⽉下旬まで冬季閉鎖)
・コースの⾒どころ
鳴⼦峡:新緑から紅葉まで、季節ごとに移り変わる美しい⾵景が⾒所。
奥の細道:国の⽂化財に指定された松尾芭蕉ゆかりの道。
・コース関連おすすめ情報
栗だんご:栗の⽢露煮がまるごと⼊った鳴⼦温泉の名物です。
宮城野部屋直伝 なる⼦ちゃんこ鍋:⼤相撲宮城野部屋の震災復興慰問交流をきっかけに誕⽣した鍋。認定を受けた提供店で味わうことができます。
地酒:⼤崎市には、特⾊ある銘酒を⽣み出す酒蔵が点在しており、それぞれの蔵の思いが詰まった銘酒を楽しむことができます。
■宮城オルレ奥松島コース 距離:約10km 所要時間:約4時間 難易度︓中級
縄⽂から続く歴史や雄⼤な⾃然に触れながら、数多くの景勝地が存在する奥松島・宮⼾島を⼀巡りするコース
・コースの⾒どころ
⼤⾼森:松島四⼤観のひとつ「壮観」とも呼ばれる絶景スポット。美しい松島湾と広⼤な太平洋を⼤パノラマで⼀望できます。
あおみな:コースのスタート・フィニッシュ地点。地域の特産品などを扱う売店ではお⼟産が買えるほか、飲み物や軽⾷も販売。疲れた⾜を癒せる⾜湯、奥松島遊覧船の案内所もある奥松島の観光拠点です。
・コース関連おすすめ情報
牡蠣:東松島の牡蠣は⼤きな⾝と⽢みのある深い味わいが特徴。「あおみな」では期間限定で⾷べ放題を実施しています。
海苔・のりうどん:品評会で優勝し皇室に献上された実績を多数持つ⾼品質な東松島の海苔。様々な商品が販売されています。海苔を麺に練り込んだのが「のりうどん」。つるつるとした喉越しと海苔の⾵味が⼤⼈気です。
■宮城オルレ村⽥コース距離:約13.4km 所要時間:約4〜5時間難易度︓中級
四季折々の⼤⾃然と、意匠的な蔵の町並みに残る歴史を辿るコース
・コースの⾒どころ
雄⼤な蔵王連峰:⽊々の緑や沢のせせらぎを感じながら歩みを進めると、⼩⾼い丘では雄⼤な蔵王連峰を⼤パノラマで眺望できます。
道の駅村⽥と城⼭公園:村⽥コースのスタート・フィニッシュ地点。地元特産品や朝採り新鮮野菜が豊富で、特に夏の「とうもろこし味来」は⼈気。隣接する城⼭公園は村⽥城跡地で、四季折々の⾃然が楽しめます。
・コース関連おすすめ情報
とうもろこし味来:8⽉には「フルーツコーン」と呼ばれる「味来(みらい)」が収穫期を迎えます。粒が柔らかく精度が⾼いのが特徴です。
そらまめ:6⽉に最盛期を迎える、村⽥町を代表する名産品。麺やアイスなどの加⼯品もあります。
蕎⻨:⾃然豊かな景⾊の中で、格別な蕎⻨を味わえます。町中⼼部や姥ヶ懐地区など、町内にそば処が点在しています。
■宮城オルレ気仙沼・唐桑コース 距離:約10km 所要時間:約4〜5時間 難易度︓中級〜上級
変化に富んだリアス海岸の絶景や、海と共に⽣きてきた地域の⼈々の⽣活や⽂化にも触れることができるコース
・コースの⾒どころ
御崎岬:唐桑半島先端の絶景スポット。ミルフィーユのような特徴的な岩肌は約2億5千万年前の堆積岩です。
神の倉の津波⽯:2011年3⽉11⽇の⼤津波により海底から打ち上げられた巨⼤な岩。⼤きなものは直径約6m、重さ150トンもあり、津波の持つ⼒を実感できます。
・コース関連おすすめ情報
唐桑半島ビジターセンター:唐桑半島の⾃然や⼈の暮らし、津波の歴史について展⽰している施設。
地域のお⼟産品も販売しています。
牡蠣:豊かな森の養分が海へと流れ込む、恵まれた⾃然環境で育てられた唐桑産の牡蠣は、⾝が⼤きく濃厚な味わいです。
⼤唐桑:美容や健康に良いとされる「⼤唐桑」を使ったお茶やジャムはお⼟産に⼈気です。
■温泉×サウナ×⾃然の唯⼀無⼆の体験
MARUMORI-SAUNA(丸森町)
宮城県では、令和7年度から3年間、「⾃然・アクティビティ」のプロモーションでブランド⼒向上を⽬指しています。事業の核は、サウナをフックとした観光周遊促進。鳴⼦・秋保・遠刈⽥など多彩な温泉地と⾃然を活かし、「温泉×サウナ×⾃然」という唯⼀無⼆の“ととのい体験”を実現。東京から約1時間半の利便性も活かし、地元資源と融合した宮城ならではのサウナツーリズムを推進しています。
■秋冬におすすめ︕仙台駅から⾏ける観光スポット
松島(電⾞で約40分)
⾔わずと知れた⽇本三景の1つ。⾚や⻩に⾊づく島々と⻘い海のコントラストが⾒どころで、遊覧船や展望台から紅葉と湾の景観を⼀度に楽しめます。11⽉下旬までは、瑞巌寺及び円通院で紅葉ライトアップも開催しています。
仙台秋保温泉(⾞で約30分)
⽇本三御湯・秋保温泉は、温泉と⾃然が融合した観光地。⽇本初進出のグレートデーンブリューイングのほか、地元⾷材とのマリアージュが⼈気の「秋保ワイナリー」、築160年の古⺠家を改修した和モダンなレストラン「アキウ舎」など新スポットが続々オープン。紅葉の秋保⼤滝も⾒どころです。
みやぎ蔵王の樹氷めぐり(バスで約60分)

冬季の厳しい寒さと雪の⼒で⾃然が⽣み出す幻想的な造形美が楽しめます。ロープウェイやスノーシューで間近に鑑賞でき、雪と光が織りなす神秘的な景観は写真映えも抜群。⽇中の⻘空や朝⼣の柔らかい光の中で、季節ならではの冬のアクティビティと⼀緒に楽しめる点も魅⼒です。
■「みやぎ応援ポケモン」のラプラスをモチーフにした公園遊具などが設置された「ラプラス公園in かせぬま」が、2025年10月31日に開園︕
福島県、香川県、岩手県、鳥取県、三重県に次いで、宮城県にポケモンの公園が2025年10月31日に開園しました。宮城県の公園は、宮城県の推しポケモンで2019年から「みやぎ応援ポケモン」に任命されているラプラスが公園のモチーフになっている「ラプラス公園」です。
ラプラスとは、『ポケットモンスター』に登場する、高い知能を持つ優しい心を持ったポケモンです。人の言葉を理解でき、機嫌が良いと美しい声で歌い、背中に人を乗せて海を泳ぐのが好きです。
例えば、「ラプラス公園」のシンボルでもある、全長約7mの大変大きなラプラスの遊具の後ろ部分はすべり台になっています。また、ラプラスと音符がデザインされた3連ブランコも。ラプラスがデザインされたアスレチック遊具などもあり、お子さまが喜ぶこと請け合いです。
2.宮城県は豊富な⾷材に恵まれた「⾷材王国」︕
7,282㎢の面積を持ち(全国16位︓東京都の約3.3倍)、全国14位の人口224万2,389⼈を誇る宮城県。真冬⽇、真夏⽇が少なく、温暖かつ冷涼な気候です。
農業産出額(令和5年時点)は、1,924億円で全国第18位。例えば、第1位:せり、第1位:パプリカ、第5位:⽶、そして第2位:⾖類となっています。
海⾯漁業・養殖業産出額(令和5年時点)は、 887億円で全国第4位です。第1位または第2位のものには、カジキ類、サメ類、ガザミ類、ギンザケ、ワカメ、マグロ類、サンマ、ヒラメ・カレイ類、オキアミ類、牡蠣、ホヤなどがあります。
次に、寒くなってきた今の時期に恋しい宮城県の鍋と、ご飯ものをご紹介します。
■⼈気急上昇︕せり鍋
宮城県のせりは、全国第1位の⽣産量。県内産の約7〜8割を占める名取市、約2割を占める⽯巻市が2⼤産地で、それぞれ 「仙台せり」、「河北せり」というブランド名で出荷されています。
「せり鍋」でせりを⾷べる⽂化ができたのはほんの最近のことです。近年、新鮮なせりの葉茎、根っこすべてを⾷す「せり鍋」が⼈気急上昇中︕ 鶏⾁や鴨⾁の旨みが凝縮された醤油ベースのスープにさっとくぐらせると、せりのシャキっとした⾷感が楽しめます。
せりは煮込みすぎるとシャキシャキとした⾷感が失われてしまうので、しゃぶしゃぶのようにくぐらせる程度がちょうどよい食べ方です。
宮城の海の幸「牡蠣」をいれた「⽯巻せり鍋」という⾷べ⽅もおすすめです。
■寒い冬に⾝に染みる︕ 痛⾵鍋
牡蠣・あん肝・⽩⼦といった、プリン体たっぷりの⾷材をこれでもかと使った冬の味覚「痛⾵鍋」。あん肝はアンコウの肝臓、⽩⼦はタラやアンコウなどの精巣のこと。「痛⾵鍋」は誕⽣から10年も経っていない新たな宮城名物の⼀つで、 仙台の居酒屋が発祥となっています。痛⾵鍋の⽬⽟の具の下には野菜も⼊っているのが嬉しい。
■宮城県亘理町発祥のはらこ飯
サケを使った郷⼟料理として最も有名なのが「はらこ飯」。本来は「シロサケ」を使⽤して作る宮城県亘理町の郷⼟料理です。
「はらこ」とは東北でいくらを指す⾔葉で、阿武隈川に遡上してくるサケを地引網で獲っていた地元の”漁師飯”として⾷されていました。
鮭を煮込んだ汁でご飯を炊き、煮汁にくぐらせたいくら(はらこ)と酒をご飯の上に盛り付けて作ります。作る⼈によって味が決まるので、各家庭で味が異なっています。
■⽶どころ、みやぎ
宮城県の⽶の⽣産量は、国内のおよそ5%(全国5位)を占め、作付⾯積も全国5位の⽶どころとして知られています。

宮城を代表する主⼒品種の「ひとめぼれ」は、「コシヒカリ」に次ぐ全国2位の作付品種です。粘り、つや、うまみ、⾹りのトータルバランスに優れ、まさに「おいしさにひとめぼれ」するお⽶です。
平成28年3⽉に⽔稲奨励品種に指定された極良⾷味品種で、平成30年度に本格デビューした「だて正夢」。キャッチコピーは「みやぎ米の夢をかなえた、これぞ天下をとる旨さ」。⾷味の良さと「もっちり」とした粘りの強さが特⻑で、冷めた後での味や粘りも評価が⾼くなっています。
以上、宮城県のおすすめ観光スポットや宮城県の農水産物や食文化、郷土料理についてご紹介しました。桃生城と春藤流能楽といった、私のルーツである宮城県の素晴らしさを、ぜひ一人でも多くの皆様に理解していただけましたら、これ以上嬉しいことはありません。ぜひ、宮城県に足を運んでみてくださいね!